「溜飲を下げる」は「不平や不満、恨みなどを解消して気を晴らす」という意味の言葉です。意訳すれば、「すっきりした!」ということですが、そもそも「溜飲」ってなんでしょう? この記事では「溜飲を下げる」の意味や使い方、英語表現をご紹介します。よくある誤用についても触れますので、最後まで読んでくださいね。

【目次】

「下げる」と「下がる」、どちらも正しい。
「下げる」と「下がる」、どちらも正しい。

【「溜飲を下げる」を理解するための「基礎知識」】

■読み方

「溜飲を下げる」は「りゅういんをさげる」と読みます。

■意味

「溜飲を下げる」は「胸をすっきりさせる。不平・不満・恨みなどを解消して気を晴らす。気をよくする」という意味のフレーズです。心の中のわだかまりが解け、気分がすっきりした際に使われるフレーズです。「溜飲を下(お)ろす」ともいいます。「溜飲」とは「飲食物が胃に滞り、喉に上がってきた酸性の胃液」のことです。心に溜まった不平や不満、恨みの気持ちを、胃の不調で気持ちが悪い状態に例え、「溜飲」と表現しているのですね。

■「溜飲が下がる」との「違い」は?

「溜飲を下げる」は、なんらかの自発的な行動を取ることでストレスなどを解消するといった意味を含みます。一方で「溜飲が下がる」は、偶発的な出来事によって自然と心のわだかまりが消えていくようなニュアンスです。どちらの言葉も辞書に掲載された正しい表現です。


【ビジネスでの「使い方」がわかる「例文」3選】

■1:「○○さんは上司に言いたいことを言って溜飲を下げたようだが、長い目で見て今後に響かないといいのだが」

■2:「会社として公に謝罪をするまで、苦情を訴える顧客が溜飲を下げることはないだろう」

■3:「コンペに勝つことで、ライバルのA社に対する溜飲を下げた」


【「溜飲を下げる」の「類語」「言い換え」表現】

■ストレスを解消する

■鬱憤(うっぷん)を晴らす

「溜飲が下がる」の言い換え表現もご紹介しますね。

■気が晴れる

■気分がすっきりする

■わだかまりが消える

■清々しい


【「英語」で言うと?】

「溜飲を下げる」を英語で表現するならば、[blow off steam]となります。直訳すると 「(蒸気などが)噴き出る」、「(物が)吹き飛ぶ」「(油田などが)噴出する」という意味ですが、「鬱憤を晴らす」という意味でも使われます。

・Don't take her remarks too seriously—she was just blowing off (some) steam.(彼女の言葉をあまり気にするな。ただのうっぷん晴らしだったのだから)

「溜飲が下がる」の英語表現は[feel heartily gratified (satisfied)]。[be delighted]でも表現可能です。

・I was delighted to hear that he'd quit.(彼が辞めたと聞いて溜飲が下がった)

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文化庁が発表した平成29年度の「国語に関する世論調査」では、「溜飲を下げる」を「溜飲を晴らす」と誤用している人は32.9パーセント、という結果が出ています。対して、本来の表現である「溜飲を下げる」を使う人は37.4パーセント。あまり差がないですね!「気分を晴らす」「鬱憤を晴らす」などの言葉と混同し、間違えてしまう気持ちもわかりますが、「溜飲」が喉に上がってきた胃液のことだと覚えておけば、「晴らす」ではおかしいと気付けそうです!

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