よく、「痩せてキレイになりたい」という言葉を耳にします。でも、そこには矛盾があり、それに気づかなければキレイになることはないといいます。
今回は、最新の肥満研究に基づき、運動生理学と実践心理学を取り入れたトレーニングを行なっているフィットネストレーナー・村上晃平先生にその理由をうかがいました。あなたも“痩せたい願望”を捨てれば、理想の美ボディが手に入るかも!?
「痩せている=キレイ、太っている=ダメ」は危険な思い込み
「結論から言うと、痩せるイコール美しくなる、はウソです。痩せると絶対にキレイになりますか? 太っているとダメというのもウソです。太るイコールよくないことだと、自分で決めているだけなんです。
お笑い芸人の渡辺直美さんは、魅力的な人物ですよね。きっと、異性にもモテるんじゃないかと思います。女性はみなひとりひとり、違った魅力があるのです」(村上先生)。
自分のことを好きな人のほうが、健康行動に積極的になれる
さらに「太っているとダメ」という思い込みは、ダイエットの邪魔をするといいます。
「実は、自分の体形が好きで、自分を魅力的であると考えている人の方が、ジムに行ったり、食事管理をしたり、積極的に健康行動をするというデータがあります。
これは当然のこと。例えば、好きな男性がいたら、一生懸命努力したいと思いますよね。逆に、嫌いな人のために努力しますか? それと同じことで、自分のことが嫌いな人は、自分を大切にしないんです」(村上先生)。
ネガティブな思い込みが、キレイになる選択肢を見失わせる
また、ネガティブな思い込みは、自らキレイになることを放棄しているのと同じだといいます。
「近年の脳科学では、脳は”シングルタスク”であると言われています。これは脳の意識は一度にひとつのことにしか集中できない、という性質があるということ。同様に、心理学には『認知的焦点化理論』という考え方があります。これは意識がひとつのことに焦点をあてると、それ以外のことは意識に入ってこない、というものです」
「私は魅力的である」と考えることで、キレイになる方法を見つけられる
「こんな実験があります。同じ部屋にいる人に、自分の周りを見回して、『青いものがいくつあるか』数えてもらいます。そして、その後に『赤いものはいくつありましたか?』と質問するのです。すると、だいたい答えられません。自分の周りをぐるっと見ているので、赤いものが目に入っていないわけではないのに、青いものだけに意識を奪われていたのです。
それと同じように、『私は美しくない』『魅力的ではない』といつも考えていると、キレイになる方法があっても、それを見落としてしまうのです」(村上先生)。
考え方を変えて、美人脳を手に入れる
そんなことを言われても、「性格はそんなに簡単に変えられない」と思ってしまいますが、「性格ではなく考え方を変えればいいのです」と、村上先生。その思考法について教えていただきました。
あなたは美人脳を手に入れることができる? まずは以下の質問に答えてみよう
質問:あなたはお金持ちになりたいとします。あなたにとってお金とはどういうものですか?
ア. お金がなくては楽しく生きていけない
イ. お金がないと好きなことができない
ウ. お金があれば達成したい目標を早くやり遂げることができる
エ. お金はなくてもいけど、あったほうがいい
■ア、イと答えた人は…
「楽しく生きていけるようになったり、好きなことができるようにはなりません。なぜなら、お金持ちになりたいと思う人は、現在お金がない(理想とするほどは持っていない)人ですよね。その張本人が、『お金がないと〇〇できない』と思ってしまっているのです。
当然、無意識のうちに『お金がないので、できません。だからやりません』となり、行動を起こすことがなくなります。つまり、楽しく生きることをやらなくなるし、好きなこともやらなくなってしまうのです。これでは、いつまでも自分の思うお金持ちにはなれません。
このように、『お金がないと何もできない』という価値観は、『お金持ちになりたい』という目標達成の足を引っ張るんです」(村上先生)。
■ウ、エと答えた人は…
「『お金がなくても目標は達成できる』と考えている人です。この人たちは、現在お金がないということよりも、どうすれば目標を達成できるか?ということのほうが重要だと捉えています。こういう人は、自然と目標を達成する行動が次々と生まれていきます」(村上先生)。
「痩せないと〇〇ができない」と考える人は、うまく痩せられないことも
ダイエットに関しても、上と同じです。「痩せたい」という願望を持っている人の中で、その理由が「痩せないと〇〇ができないから」あるいは、「痩せないと〇〇が手に入らないから」と考えてしまっている人は、脳が無意識のうちに「ないからできない」を証明することばかり探してしまっているのです。
「痩せてから〇〇しよう」と先延ばすと、得たいものがあっても行動しなくなる
例えば、「痩せないとステキな服が着られない」とか、「痩せないとパートナーができない」などと考えている人は、ステキな服が目の前にあっても、「このサイズではステキに着こなせないので、痩せてからにしよう」と先送りしてしまったり、気になる男性がいても、「痩せていないからうまくいかないに決まっている」などと、得たいものがあるのにもかかわらず、行動をしなくなってしまうのです。
それよりも、痩せることは手段であって結果ではないと考えた場合、「私の体型に合っているステキな洋はないかしら?」と、いつでも似合う服を探し当てることができますし、「私の性格を好きになってくれる男性はいないかしら?」と、見た目だけにこだわる男性よりも、中身を重視する男性と巡り会うことができるようになるのです。
「痩せないと〇〇できない」を手放して美人脳に
「痩せないとダメ。だって〇〇できないから」ではなく、「〇〇しよう。痩せていても痩せていなくてもできるよね」と考えると、脳が無意識のうちに、〇〇できる方法を探してくれるのです。
あなたは、今のままで十分に魅力的です。その上で、痩せてどうなりたいですか? その先にある、本当の目的はなんですか? それを達成する方法を無意識が自然と探してくれる思考法で、美しいカラダと幸せな未来を手に入れましょう!
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- TEXT :
- Precious.jp編集部