「実は、ダイエットをすると痩せない!?」

そんな衝撃的な事実を教えてくれたのは、世界的ミスコンテストの日本代表をはじめ、モデルやタレント、トップアスリートなどのパーソナルトレーニングを手掛けてきたアイディアルボディデザイン代表取締役の村上晃平さん。

なぜ? なぜダイエットで痩せることができないのでしょうか? 最新の肥満研究に基づき、運動生理学と実践心理学を取り入れたトレーニングを行なっている村上先生に、その理由をうかがいました。

ダイエットの定義=「減量を目的とした食事制限と運動」は、そもそも矛盾している?

一時的には成功するかもしれないが、長期的に見ると99%失敗するという科学的な見解が発表されている“ダイエット”

ダイエット(減量を目的とした食事制限と運動)では体重は落ちない

ダイエットの正しい意味を知っていますか? ダイエットとは、「減量を目的とした食事制限と運動」を指します。そのため、本稿では「ダイエット」という言葉と、「減量」という言葉を分けて使います。

「ダイエットでは体重は落ちない」と断言する村上さん、それはなぜでしょうか?

「一時的には成功するかもしれませんが、長期的に見ると99%失敗するという科学的な見解が発表されています」(村上先生)。

多くの人はダイエット前の状態に戻るか、それ以上の体重になってしまうそう。いわゆる、リバウンドです。減量に成功したほとんどの人が5年後には元の体重に戻り、そのうち4割が元の体重よりも増量したという衝撃的な研究結果も!

脂肪が落ちると、どう頑張っても筋肉も落ちる。それがリバウンドの原因のひとつ

10kg体重が減った場合、そのうちの6kgが脂肪、その他は筋肉と水分

「どんなに頑張っても、脂肪は6割くらいしか落ちません。残り4割は筋肉や水分です。10kg体重が減ったとしたら、6kgが脂肪で、その他は筋肉と水分なのです」(村上先生)。

筋肉が減ると代謝が下がり、今まで消費していたエネルギーが消費できなくなるので、脂肪が体につきやすくなります。これが、リバウンドの大きな原因のひとつです。

ボディビルダーは、一度増量してから減量して、脂肪を極限まで絞っていく

「プロのボディビルダーのなかには、増量期と減量期を分けている人もいます。増量期にはたくさん筋肉をつけるような食事をします。このときには、同時に脂肪の量も増えてしまいます。対して、コンテスト前の減量期には食事を変化させ、体重を落として脂肪を極限まで絞っていくのですが、この時期にはプロでさえ、ある程度の筋肉量を落としてしまうことを避けることができないのです」(村上先生)。


脳は、体重の減少を生命の危険シグナルと感知する

減量すると太りやすくなる理由は、これだけではありません。脳は、体重の減少を“生命の危機”と捉え、抵抗するというのです。

適正体重(セットポイント)を下回ると脳はエネルギーを欲し、得られなければ省エネをスタート

株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役 フィットネスコンサルタントの村上晃平先生

「脳がインプットしている適正体重があり、それは“セットポイント” と呼ぶことがあります。体重がセットポイントを下回ると脳が危険を感じ、エネルギーを欲します。それでもエネルギーが得られないと、今度はエネルギー消費を節約し始めます」(村上先生)。

つまり、ダイエットで減量したら、脳は食欲を増進させてしまうのです。それでも、我慢して食べないと、今度は代謝を下げてエネルギーを貯めようとします。減量に伴い筋肉量が下がるのも、脳が体のエネルギー消費量を下げるための、ひとつのメカニズムと考えることができます。

実際に体重を10%落とした人は代謝が抑制され、エネルギーの消費量が減るという研究結果もあります。

セットポイント(適正体重)は、一度上がると下げられない!?

さらに恐ろしいことに、セットポイントは一度上がると下げることができないとも言われているそう!

「最初は48kgがセットポイントだとして、ある時期を境に体重が増えて50kgとなり、それをある一定期間キープしていたら、脳は、今度は50kgがセットポイントだと認識するようになると考えられています」(村上先生)。

つまり、脳にとっての適正体重はどんどん上がっていく一方で、それを下回ることは生命危機と判断し、抵抗をしてしまう…。

「体重が上がる→セットポイントが上方修正される」になると、永遠に体重を減らすことはできないのでは!?と絶望的な気持ちになりそうですが……実は、脳の特性を知れば、体重減は不可能ではないのです。


脳が体重の減少に気づかないよう「減量は1か月に体重の4%以内」で!

例えば、現在60kgの人の場合は、1カ月に落とす体重は2.4kg以内にすると脳に気づかれない

「セットポイントは下がらないといいましたが、実はこれは脳が自らの生命を危機にさらすことがないように“体重”を基準にしているだろう、という生理学的な仮説に過ぎません。しかしこれを逆手に取ると、脳に気づかれないようにすると減量が可能になるのではないか、という仮説が成り立つのです」(村上先生)

それでは、具体的にどうすれば、脳に気づかれないようにすることができるのでしょう?

「1か月に落とす体重は、現体重の4%以内にして、徐々に下げていくとよいとされています」(村上先生)。

例えば、現在の体重が60kgの人の場合は、1か月に落とすのは2.4kg以内。体重50kgの人の場合は、2kgということになります。

「『ダイエットをしよう』と思わないことも大切ですね。減量を意識すると、脳は抵抗しようとしてきます。『メリハリのある美しいボディになる』など、目標は別のところに置きましょう」(村上先生)。

今まで必死になって行っていたダイエットが逆効果だったなんて…。これからは、正しい知識に基づいて、安定して美しいボディを目指していきたいですね。

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村上晃平さん
フィットネスコンサルタント
(むらかみ こうへい)運動生理学と心理学の両方のトレーナー資格を有し、一般人から五輪アスリート、大手企業経営者まで、述べ15,000時間以上のパーソナルトレーニング実績を持つフィットネスコンサルタント。世界的ミスコン優勝者や全日空の健康プログラムの開発も手がける。著書に『ビジネススキルがアップする!1分筋トレ法』(発行:アース・スター・エンターテイメント/発売:泰文堂)、『ミスコン優勝者たちも実践する35の新ルール 筋美人ダイエット』(幻冬舎)などがある。
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この記事の執筆者
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