最近、飲んだり食べたり動かなかったりで、いささか体重が増えている気がする…これは即、何とかしなければ! 世界的ミスコン優勝者や全日空の健康プログラムの開発も手がける、フィットネスコンサルタント・村上晃平さんに、今日からの「食事の摂り方」で体重の増加をリセットする方法をうかがいました。

従来の食事制限と運動による減量は、一時的には効果はありますが、長期的にはほとんど成果が得られないということが、最新の肥満研究で明らかになっているそうです。これは、体重を下げようとすると、脳がそれに抵抗するためだといわれています。

そこで注目されているのが、代謝に影響するホルモンと密接な関係にある感情です。

「感情とホルモンの関係を利用して、脳に体重が下がっていることを気づかれないように代謝を上げていくことができれば、お正月で増えてしまった体重は、すぐに元に戻ります」(村上先生)。

まず、自分にとって必要な食事量を知り、次に代謝を上げるホルモンをコントロールし、それから代謝が上がる食材をチョイスしていきましょう。

「体重を減らしてもまたすぐに元に戻ってしまい、つねにダイエットを繰り返してしまうことを避けるには、まず脳の仕組みを理解する必要があります」(村上先生)。

【正月太りリセットのコツ1】自分にとってベストな食事のタイミングと量を知る

太ってしまった体重を元に戻すためには、正しい食欲の機能を取り戻すことが必要

必要なエネルギーを必要な時にとれば太ることはありません。脳は本来、そのために食欲をわかせて食事をするという機能を使ってきました。

ところが現代社会では、食欲がわいてしまう誘惑がたくさんあります。それによって、現代人は本来の正しい食欲の機能が麻痺してしまっています。

太ってしまった体重を元に戻したり、ベストな体重をキープするためには、正しい食欲の機能、つまりエネルギーが必要なときにだけ食欲がわき、必要な量を食べたらストップできるという機能を取り戻す必要があります。

そのためには、「普段、自分はいつ食欲がわくのか?」「それは本当に必要だから湧いているのか?」「どのくらい食べれば満足感を得られるのか?」を吟味していく必要があります。

「みんなが行くからという理由でランチに行ったり、残すともったいないから全部食べたりしていませんか? 自分の本当の食欲に敏感になって、それに従えるようになりましょう」(村上先生)。

KOHEI’S note:本当の空腹を察知できる感覚を訓練しよう

「お正月にたくさん食べてしまったのは、普段よりも食欲を刺激したからです。おいしそうなものを見たり、音を聞いたり、匂いがしたりすることで、食欲は湧いてしまいます。それにそのまま従っていると、体重はどんどん増えていきます。

本当に空腹になったときに出る食欲は、内側から生じます。それを敏感に察知できるように感覚を訓練していけば、お正月で増えてしまった分はすぐに元に戻ります」


【正月太りリセットのコツ2】食事を我慢すると痩せない? 感情と代謝の関係とは

楽しい、嬉しい、気持ちいというようなポジティブな感情は代謝を上げる

体重を落としたいと思ったら、好きなものを我慢したり、量を減らしたり、あるいは「何を食べれば痩せるのか?」ということに一生懸命になりがちです。しかし、もっと代謝に大きな影響を与えているものがあります。それは、心の状態。つまり感情です。

この感情が何かによって、代謝が上がったり下がったりするのです。楽しい、うれしい、気持ちいいというようなポジティブな感情は代謝を上げ、辛い、きつい、やりたくないなどのネガティブな感情はストレスとなり、代謝を下げることがわかっています。

代謝が上がればエネルギーの消費量が上がり、痩せるというのはみなさんご存知の通りです。しかし、好きなものを我慢したり、制限したりしているときは、ポジティブ、ネガティブどちらの感情になっていますか?

「好きなものを我慢するのではなく、楽しいと思えるように環境を整えていくことが大切です。どうすれば、好きなものを我慢せずに楽しめるか?を考えてみましょう」(村上先生)。

KOHEI’S note:気持ちをポジティブにして代謝をアップしよう

「お正月に、一時的に食べる量が多くなったことによって増えた体重は、食事がもとの量になり、代謝が上がればすぐに元に戻ります。気持ちをポジティブにして代謝を上げていきましょう」


【正月太りリセットのコツ3】代謝を上げるホルモン、ドーパミンを利用して減量する

ドーパミンを普段からたくさん出してあげることが、減量を成功させる秘訣

ポジティブな感情のときは、脳内にドーパミンというホルモンが出ています。このホルモンは、血流をよくし、筋肉や関節を動きやすくし代謝をあげます。このドーパミンを普段からたくさん出してあげることが、減量を成功させる秘訣です。

ドーパミンは簡単に出すことができます。過去にあった、うれしい、楽しい、気持ちいいと思った出来事を思い出してみてください。なんとなく頬が緩んできませんか? それは、ドーパミンが出ている証拠です。

また、減量に成功して、清々しい気分の自分、そして周りの人から褒められている自分を想像してみてください。ドーパミンは達成感や人に褒められたときにも出ています。

「食事が、自分の減量の目標に向かってプラスになるものであり、心からそれを楽しんでいるかどうかをチェックするようにしましょう」(村上先生)。

KOHEI’S note:正月太りを正しい減量のチャンスにしよう

「せっかく楽しいお正月を過ごしたのに、体重が増えてしまっていると、少しがっかりしますよね。でも大丈夫です。逆にこれは、正しい減量の方法を覚えるよいチャンスととらえましょう。食事を我慢することなく、楽しんでできる方法を身につければ、これは一生ものです」


【正月太りリセットのコツ4】お肉を避けるのは逆効果? 動物性タンパク質をしっかり取る

お肉などのタンパク質の摂取は、炭水化物や脂質と比べて、5~7.5倍も食後のエネルギーの消費量が高くなる

タンパク質の摂取も代謝を上げるひとつの方法です。「お肉は太る」という理由からお肉を避ける方もいますが、炭水化物や、脂質を摂取することと比べて、タンパク質の摂取は、5~7.5倍も食後のエネルギーの消費量が高くなることがわかっています。

また、筋肉をつくっているのは、タンパク質。お肉を食べないと、タンパク質の必要な摂取量が満たされなくなり、筋肉量が減ってしまいます。筋肉量が減ると代謝が下がってしまい、結果として太ることに繋がってしまうのです。

お肉で問題とされているのは、脂質。お肉の脂質はコレステロール値を上げたり、悪玉コレステロールを増やしたりと、体に悪影響を及ぼします。そのため、ダイエット中の方がお肉で動物性タンパク質を摂取する場合、脂部分、脂質の少ないお肉を選んだ方がよいでしょう。

「動物性タンパク質の摂取には、脂身の少ない赤身のお肉だけでなく、魚や鶏肉も有効です。こうした食材を積極的に食べ、タンパク質を増やすことをおすすめします」(村上先生)。

KOHEI’S note:意識的にタンパク質の摂取量を増やそう

「『お正月の食事は炭水化物が多かったな』という方は、意識してタンパク質の摂取量を多めにしてみましょう。それだけでも代謝を上げることができます。もちろん、お肉が嫌いな人は無理に食べる必要はありませんが、植物性でタンパク質が豊富な大豆など、別の好きなものを探してタンパク質を補うようにしましょう」


【正月太りリセットのコツ5】サラダだけの食事は危険! 痩せにくい体になってしまうかも…

我慢して摂取カロリーを下げようとすると、ストレスによってさらに代謝を下げてしまうことに

「野菜を多く食べるとカロリーが抑えられ、ダイエットによい」とつい思いがちですが、実はカロリーを下げすぎてしまうと、かえって痩せにくくなってしまいます。

人間が生きるためにはエネルギーが必要であり、そのエネルギーは食品の摂取で確保しなければなりません。そして、生命活動の継続には“ホメオスタシス”と呼ばれる、体の内部環境を常に生存に適した状態に保つ機能が働いています。

「例えば、食生活をサラダ中心にして、エネルギーを下げすぎると、ホメオスタシスの機能が働き、エネルギーを確保しようと体が反応します。その結果、食欲が増してしまうのです。体重を下げようとすると脳が抵抗するのは、この機能の働きです。さらに、エネルギーをできるだけ使わないようにするため、筋肉量が減って代謝も悪くなります」(村上先生)。

また、お肉を食べずに野菜サラダばかりを食べていると、タンパク質が不足してしまいます。前項の通り、タンパク質が不足すると、代謝が下がってしまいます。そのため、サラダを食べる場合は、タンパク質を含む食材を加えると良いとされています。

サラダに加えるタンパク質は、豆腐や豆など“植物性タンパク質”よりも、蒸し鶏や豚しゃぶ、ツナなど脂質の少ない“動物性タンパク質”が良いそうです。

「タンパク質は分解されるとアミノ酸になりますが、その中には必須アミノ酸と呼ばれる、生物の生命維持に必要なアミノ酸があります。しかし、必須アミノ酸の中には人間の体内でつくることができないものもあり、肉や野菜などから摂取して補わなければなりません。植物性タンパク質は動物性タンパク質よりも、必須アミノ酸を網羅していないのです」(村上先生)。

植物性タンパク質だけ摂取すると、一部のアミノ酸が不足し、栄養が充分に足りず体調不良になる可能性があります。また、植物性タンパク質を消化・吸収し、利用する効率は、動物性タンパク質の半分以下。効率よくアミノ酸を摂取して、代謝を上げるためには、動物性タンパク質の方がよいとされています。

KOHEI’S note:我慢、制限は減量の敵と心得よう

「お正月で増えてしまった体重を早く戻すには、代謝を上げることが不可欠です。カロリーを制限することはかえって代謝を下げることにつながります。また我慢してカロリーを下げようと頑張っているとしたら、ストレスによってさらに代謝を下げてしまうことになります。我慢、制限は減量の敵と覚えておいてください」

 

食事に気をつけるとは、我慢したり制限したりすることではなく、自分にとって必要な時に適正な量が摂れているかをチェックするということです。「正月太りしてしまった…」という人もこれを機に、今一度自分の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。ちょっと太っても、すぐにリセットできる食習慣を手に入れたいですね。

正月太り関連記事

ダイエット関連記事

村上晃平さん
フィットネスコンサルタント
(むらかみ こうへい)運動生理学と心理学の両方のトレーナー資格を有し、一般人から五輪アスリート、大手企業経営者まで、述べ15,000時間以上のパーソナルトレーニング実績を持つフィットネスコンサルタント。世界的ミスコン優勝者や全日空の健康プログラムの開発も手がける。著書に『ビジネススキルがアップする!1分筋トレ法』(発行:アース・スター・エンターテイメント/発売:泰文堂)、『ミスコン優勝者たちも実践する35の新ルール 筋美人ダイエット』(幻冬舎)などがある。
IDEAL BODY DESIDN
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。