ダイエットとリバウンドを繰り返していて、どうしてもそこから脱却できない…。もうそろそろ、このループから卒業したい!

世界的ミスコンテストの日本代表をはじめ、モデルやタレント、トップアスリートなどのパーソナルトレーニングを手掛けてきたフィットネスの専門家・村上晃平先生に、最新の脳科学研究に基づいた体重の落とし方を教えていただきました。

脳科学的な体重の落とし方は「意識」と「潜在意識」のメカニズムを知ることから始まる!

ダイエットを成功させるために、まずは“意識”と“潜在意識”のメカニズムについて理解を深めよう

脳は「体重の減少=生命の危機」と捉えるため、体重を落とさないように働きかける

「脳は、体重の減少を“生命の危機”と捉えて抵抗しようとします。だから、『痩せよう』と“意識”すると、“潜在意識”から“落とさないで!”というシグナルが出るんです。これが、リバウンドの原因のひとつです」と、村上先生は言います。

ダイエットを成功させるために、まずは“意識”と“潜在意識”のメカニズムについて理解を深めましょう。

意識で「減量したい」と考えると、無意識が「生命の危機を回避したい」と抵抗する

「一般的に、ヒトの脳は1割程度が“意識”、9割程度が“無意識”あるいは“潜在意識”といわれ、“海面から見えている氷山と、海面下に見えていない氷山”に例えられて説明されます。これは、精神医学者のフロイトが1900年前半に提唱した説に由来します 。

我々は意識的に行動しているように思われますが、そのほとんどは潜在意識がコントロールしているとも言われています。

最近の研究(※1)では、被験者が自分で判断するより7秒も早く、潜在意識が彼らの判断を予測できたという報告もあります。これは、人間の意思決定は脳の潜在意識の活動によって準備されていて、意識が働く前に大半の処理が既になされているということができます。

また、この意識と潜在意識の情報処理の能力には非常に大きな差があると言われています。

脳内の “意識” (前頭前皮質)が1秒間に処理できる脳内の電気信号(情報処理に発生する)の数が40であるのにたいして、“潜在意識”(脳内の意識できない部分)が 1秒間に処理できる電気信号の数は、4000万とされます。1秒間の情報処理能力の違いは1対100万ということになります(※2)。

これは解釈によ っては、“潜在意識”を使えば、“意識”の100万倍の結果が出せることになります(※3)。

この潜在意識の力を引き出して、最高のパフォーマンスを出そうというのが、シリコンバレーのビジネスパーソンたちが実践している瞑想法、“マインドフルネス”です」(村上先生)。

減量で例えていうなら、“意識”で「減量をしたい」と考えると、“潜在意識”は「生命の危機を回避したい」と抵抗しますが、その力は意識の100万倍も強い可能性があるともいえます。


「潜在意識」は意外と単純!? 脳を活用して体重を落とす

“潜在意識”は、意外と簡単に活用できるそう

“意識”の100万倍の能力がある“潜在意識”には、とてもかなわないのではと不安になりますよね。しかし、“潜在意識”は、意外と簡単に活用できるといいます。。

「潜在意識」に減量を気づかせないためには、目標を「減量以外」に設定する

「『私は体重を落としている』ということを、“潜在意識”に知られないようにする方法があります。目標を減量ではなく、別のところに置くのです。例えば、美しくなりたいパーツを具体的に決めて、理想の体型を目指してみてはいかがでしょうか?」(村上先生)。

「こんな話もあります。ある脳科学者が、長年繰り返していたダイエットを、思い切ってやめたのだそうです。そして、健康的な食習慣づくりのために“マインドフルイーティング”を始めました。すると、2年で5kg痩せて、それをキープしているといいます」(村上先生)。

目標を「体重を落とす」から「健康的な食習慣づくり」に変更して減量に成功

この脳科学者は、目標を“ダイエット”から、“健康的な食習慣づくり”に変えて成功したのです。成功の秘訣はそれだけではありません。“マインドフルイーティング”という手法も効果的でした。


「マインドフルイーティング」による太らない習慣づくりとは?

“マインドフルイーティング”は、空腹を感じたら食べるという習慣をつくる

“マインドフルイーティング”とは、前述した“マインドフルネス”に通じるプログラムです。

「“マインドフルネス”とは、“今この瞬間”に集中することで、最高のパフォーマンスを引き出す手段です。人は未来のことを考えると不安になり、過去には、怒り・悲しみ・恐怖・後悔というマイナスの感情も存在します。でも、今に集中すれば、不安はなくなり、過去にあるマイナスの感情にも邪魔されませんよね。

食べる瞬間に集中する「マインドフルイーティング」

「“マインドフルイーティング”も同様に、“今この瞬間”に集中する、つまり食べる瞬間に集中するというものです。まずは、『なぜ食べるのか?』を考えてみてください。お腹が空いていないのに、習慣でなんとなく食べていませんか? 自分の体に耳を澄ませて、空腹を感じたら食べるという習慣をつくりましょう」(村上先生)。

1日3食という食習慣でさえ、本当に必要かを見直してみる必要があるといいます。村上先生自身も「自分は、遺伝的に基礎代謝が低い」そうで、あまり空腹にならず、通常は1日1食しか食べないのだそうです。


ニセ食欲に要注意!「お腹が減った」そのシグナルは本物?

株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役 フィットネスコンサルタントの村上晃平先生

脳の欲求に忠実に、食習慣を正常に戻していく“マインドフルイーティング”ですが、中には、偽物の欲求も混じっているので要注意です。

お腹が空いていないのに、おいしいものを見るとニセ食欲が湧いてくる

おいしいものを目にしたり、匂いを嗅いだりすると、お腹が空いてきませんか? しかし、これは”錯覚”です。食欲とは、本来生命を維持する上で、エネルギーが必要なときに湧いてくるものですが、それが、エネルギーが必要ではない時にも湧いてしまうという意味で”錯覚”という表現を使っています。現代は、間違った食欲を認識させる外からの情報にあふれているのです。

「マインドフルイーティング」で、ニセ食欲を撃退する

本来持っている正しい食欲を取り戻すために“マインドフルイーティング”を取り入れる

「ニセ食欲に騙されないよう、“今、この瞬間”に集中して、その都度自分に問いかけてみましょう。食べる量も同様です。テレビやスマホを見ながら食べると、満腹感に気づかず、つい食べ過ぎてしまいます。

5W1H(なぜ、いつ、どこで、だれと、なにを、どのように)を使いながら、自分という人間が、どのタイミングでお腹が空くのか? どのくらい食べたら満腹になるか?をきちんと見極めて、本来持っている正しい機能を取り戻しましょう」(村上先生)。

「痩せたいなら、痩せたいと思わないこと」と、まるで禅問答のようですが、その理由は脳のメカニズムにあったのですね。これを機にダイエットは止めて、自分の内なる声に耳を澄ませて、健康的で美しい体づくりを目指してみませんか?

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村上晃平さん
フィットネスコンサルタント
(むらかみ こうへい)運動生理学と心理学の両方のトレーナー資格を有し、一般人から五輪アスリート、大手企業経営者まで、述べ15,000時間以上のパーソナルトレーニング実績を持つフィットネスコンサルタント。世界的ミスコン優勝者や全日空の健康プログラムの開発も手がける。著書に『ビジネススキルがアップする!1分筋トレ法』(発行:アース・スター・エンターテイメント/発売:泰文堂)、『ミスコン優勝者たちも実践する35の新ルール 筋美人ダイエット』(幻冬舎)などがある。
IDEAL BODY DESIDN
(※3)Norretranders, The User Illusion: Cutting Consciousness Down to Size, New York, Penguin Books. 1998.
この記事の執筆者
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