何度もダイエットに挑戦したけれど、途中で面倒になって、いつも三日坊主…。そんな人でも楽しく続けられる減量法があるのをご存知ですか?

今回は、最新の肥満研究に基づき、運動生理学と実践心理学を取り入れたトレーニングを行なっている株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役の村上晃平先生に、“ドーパミン”のメカニズムを利用したダイエット方法を教えてもらいました。

「やらなきゃ!」で続かないのは当たり前。“ドーパミン”を出してキレイになることを快感に

『頑張ろう』と思ってはNG、『やりたいからやる』という状態を作ることが大切
『頑張ろう』と思ってはNG、『やりたいからやる』という状態を作ることが大切

「物事を継続して習慣化するには、快感や多幸感を得て意欲を湧かせるホルモン“ドーパミン”が必要です。しかし、人間が新しいことを習慣化するには、平均で66日かかると言われています。

ドーパミンが出続けないと、66日もの長い間、同じことは続けられませんよね。だから、『頑張ろう』と思ったり、自分を追いつめた時点でダメ。『やりたいからやる』という状態や環境を、どうやってつくるかが大切です」(村上先生)。

でも、正直なところ、体重を落とすために運動したり、食事管理をしたりするのは面倒ですよね。ほとんどの人は、そんなときにドーパミンなど出せないのでは……。


ステキなことを思い浮かべるだけで、ドーパミンは簡単に出せる

株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役 フィットネスコンサルタントの村上晃平先生
株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役 フィットネスコンサルタントの村上晃平先生

「ドーパミンは、褒められたり、何かを達成したり、新しいことをすると簡単に分泌されます。

また、脳の無意識には、現在・過去・未来というタイムラインがありません。例えば、梅干しを想像してください。唾液が出てきませんか? これは脳の反射によって起こっているのですが、梅干しを食べて酸っぱかった過去の経験が、現在に蘇っている証拠です。ドーパミンやストレスのホルモンも、脳内で反射によって分泌されます。過去の経験を思い出したり、未来を想像するだけで出てくるのです。

子どもの頃、遠足の前の日に、楽しみで眠れなかった経験はありませんか? これは、遠足は楽しいという過去の経験が明日起こる、という未来の創造によってドーパミンが出て、興奮状態になってしまったためです」(村上先生)。

このメカニズムを、うまく利用すれば、簡単にドーパミンが出せるということですね! ではこの現象を、どうやってダイエットに利用するのでしょう?


未来の幸せな自分を思い描くと、脳が現実だと思い込む!?

未来のことでも、脳は現在に起こっていると勘違いし、その都度ドーパミンを放出する
未来のことでも、脳は現在に起こっていると勘違いし、その都度ドーパミンを放出する

「痩せて幸せな自分の姿を想像してみてください。

――1年後、くびれができて、ステキなワンピースを着ている自分が、オシャレなレストランで友人とおいしい食事をしながら、充実した時間を過ごしています。周りの笑い声、キレイになったと周りに褒められる様子、褒められてうれしい自分の気持ち…。

このように、何が見えるか、何が聞こえるか、そして何を感じるかまで、できるだけ詳細に思い描くことによって、未来のことでも、脳は現在に起こっていると勘違いし、その都度ドーパミンを放出します」

ドーパミンを活用して「やらなければ」から「やりたい」に気持ちを切り替える

「さらに『思い描いた未来の自分』を得るための手段として『エクササイズ』を設定し、エクササイズの前に、前述したような想像をしてドーパミンの放出を促せば、それがモチベーションとなります。また、エクササイズの後に想像をすれば、“エクササイズをすれば、ドーパミンが出る”という条件反射をつくることもできるのです。こうしておけば、脳はドーパミン欲しさに、エクササイズを継続してくれるようになります。

やらなければという気持ちから、やりたいという気持ちに変えていく、これが継続の唯一の方法なのです」(村上先生)。

想像するのが苦手な人は、自分の写真を撮って、輪郭に影をつくって削り、目につくところに飾っておくとよいそう。すると、「これが私」と刷り込まれていくといいます。


ベクトルを間違えると危険!ドーパミン欲しさに「食」に走る?

幸せホルモンを出す手段が食べることしかない人は、そこに走りやすい傾向がある
幸せホルモンを出す手段が食べることしかない人は、そこに走りやすい傾向がある

ダイエットを継続させるのに必要なドーパミン。しかし、食べることでもドーパミンは分泌されます。

「ストレスで、“食”に走る人がよくいますね。ストレスは危険から身を守るために必要なサインです。しかし、継続的にストレス状態にさらされていると、人の心は壊れてしまいます。そうならないために、脳は、愛情のオキシトシン、幸福感のセロトニン、多幸感のドーパミンなどの”幸せホルモン”を出すことによって、ストレスホルモンを下げるメカニズムを持っています」(村上先生)。

食べること以外で「幸せホルモン」を出せるようになろう

自分でドーパミンなどの幸せホルモンをコントロールして、減量に上手に活用する
自分でドーパミンなどの幸せホルモンをコントロールして、減量に上手に活用する

「幸せホルモンを出す手段が食べることしかない人は、そこに走りやすい傾向がありますね。食べ物ならいつでも手に入るので、手軽にドーパミンが得られるんです。食べること以外で幸せホルモンを出せる方法を見つけることが大切です」(村上先生)。

自分でドーパミンなどの幸せホルモンをコントロールして、減量に上手に活用したいですね!

「努力したり、苦しい思いをしなければ、目標は達成できない!」と、考えがちですが、それは逆効果だったのですね。今まで、何度もダイエットをしては挫折してきたという人は、ぜひドーパミンの分泌メカニズムを上手に取り入れて、キレイな自分づくりに取り組んでみてください。

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村上晃平さん
フィットネスコンサルタント
(むらかみ こうへい)運動生理学と心理学の両方のトレーナー資格を有し、一般人から五輪アスリート、大手企業経営者まで、述べ15,000時間以上のパーソナルトレーニング実績を持つフィットネスコンサルタント。世界的ミスコン優勝者や全日空の健康プログラムの開発も手がける。著書に『ビジネススキルがアップする!1分筋トレ法』(発行:アース・スター・エンターテイメント/発売:泰文堂)、『ミスコン優勝者たちも実践する35の新ルール 筋美人ダイエット』(幻冬舎)などがある。
IDEAL BODY DESIDN
この記事の執筆者
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