【目次】

【「貼付」の正しい「読み方」や「意味」、基礎知識】

■読み方

改めて…「貼付」は「ちょうふ」と読みます。ですが、現在では「てんぷ」という慣用読みも広く浸透しており、辞書によっては併記されています。そもそもは「添付」との混同から誤って「てんぷ」と読んだことが慣例化したようです。

■意味

「貼付」とは、紙やシールなどを別のものに貼り付けることを意味します。「切手を貼る」「メモを壁に貼る」「付箋を手帳に貼る」、これらはすべて「貼付」に置き換えることができます。


【「貼付」と「添付」、「貼付」と「貼布」の違い

では、「貼付」と「添付」の違いはわかりますか? 一言で言うと、

貼付=実際に貼る

添付=一緒に添える

です。以下で詳しく説明します。また、同音異語である「貼付」と「貼布(ちょうふ)」の違いにも注目してみましょう。

■「貼付」と「添付」の違い

「貼付」は実際に貼り付けること。切手、メモ、付箋、シールなどを、何か別のものに貼ることをいいます。対して「添付」は書類などにその補足となるものを付け添えること。実際に貼り付けるのではなく、セットにするとか、一緒にするという意味で、メールなどで「資料を添付する」というように使いますね。

■「貼付」と「貼布」の違い

「貼布」も「ちょうふ」と読みますが、こちらは「腫れが引くまで湿布薬を貼布する」「患部に包帯を貼布する」のように、布状のものを貼る場合に使用。「貼布試験」といえばパッチテストのことです。

■「貼付」と「添付」はどう使い分ける?

「貼付」と「添付」は似た言葉ですが、意味には明確な違いがあります。

上でも説明した通り、「貼付」は、紙やシールなどを“実際に貼り付けること”。一方の「添付」は、資料やファイルなどを“添えて一緒に送ること”を意味します。

例えば、

・履歴書に証明写真を貼る

→ 「写真を貼付する」

・メールにPDF資料を付ける

→ 「資料を添付する」

となります。

つまり、「貼付」は“貼る行為”、「添付」は“添える行為”。ビジネスシーンでは特にメールで「添付」を使う機会が多いため、「貼付」を“てんぷ”と読む人が増えた背景には、この「添付」との混同もあるようです。


【「貼付」の「使い方」がわかる「例文」5選

■1:「キャンペーンポスターができ上がりました。店内外の目立つところに貼付するようお願いいたします」

■2:「申請書類の送付時には、宛名を書いて該当金額の切手を貼付した返信用封筒を同封するように」

■3:「履歴書には6か月以内に撮影した顔写真を貼付してください」

■4:「出張経費は、精算用紙に領収書を貼付してください」

■5:「出張経費は、精算用紙に領収書を添付してください」

4は「精算用紙に貼り付けること」、5は「精算用紙と一緒に提出すること」を意味します。


【「貼付」の「言い換え」表現

「ちょうふ」と聞いただけでは「貼付」のことだと理解しづらいかもしれませんね。漢字は意味を表していることが多いため、目で読むほうが正しく捉えやすいのです。「貼付」のように違う読み方が慣例化している語句は、わかりやすいように言い換えることも“大人の語彙力”です。

■貼り付ける

■張り付ける

■糊付けする

■くっつける

■「貼付してください」はビジネスメールで正しい?

「貼付してください」は日本語として誤りではありません。ただし、「貼付」という言葉はやや事務的で硬い印象を与えるため、相手や場面によっては、より自然な表現へ言い換えたほうが伝わりやすいこともあります。

例えば、

・「領収書を貼り付けてください」

・「こちらにシールをお貼りください」

・「写真を所定欄に貼付のうえご提出ください」

など、具体的な動作がイメージしやすい表現にすると、親切な印象になります。

また、メールでは「貼付」と「添付」を混同しやすいため、

×「資料を貼付いたします」

○「資料を添付いたします」

のような使い分けにも注意したいところです。

特に社外向けメールでは、「貼付」よりも「添付」のほうが圧倒的に使用頻度が高いため、“実際に貼るのか、ファイルを添えるのか”を意識して言葉を選ぶことが、大人のビジネス日本語では重要なのです。


【「貼付」の英語は[Paste]でOK!】

最後に「貼付」の英語表現を。

paste a receipt on this sheet]で「この用紙に領収書を貼る」という意味です。「手紙に切手を貼る」は[stick a stamp on a letter]となります。

***

今回の「貼付」は、正しくは「ちょうふ」だけれど「てんぷ」も一般的になっている、さらに「添付」と混同しやすい…と、複雑な日本語らしい単語でした。紛らわしい言葉は、誤解されないよう、わかりやすいように言い換えることも“大人の語彙力”ですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :