「蔑む」は「さげすむ」と読み、「見下す」や「軽蔑する」といった意味です。そのような気持ちはもちたくないものですが、「蔑まれている…」と理不尽に感じることもあるでしょう。今回はこの「蔑む」という言葉について、使い方や言い換え表現、意外な語源など、サクッとご紹介します。

【目次】

「蔑む」とは人を見下す行為、するのもされるのも気持ちのいいものではありません。
「蔑む」とは人を見下す行為、するのもされるのも気持ちのいいものではありません。

【「蔑む」の「読み方」「意味」「語源」】

■読み方

「蔑む」で「さげすむ」と読みます。

■意味

他人を、自分より能力・人格の劣るもの、価値の低いものとみなすこと。「蔑むような目つきで見る」というように使います。

■語源

「さげしむ」と読むこともあり、これは「蔑む」が「下墨(さげすみ/さげしみ)」からきた言葉だからです。「下墨」とは、建設現場で柱などの曲がりや傾きを調べるため、墨縄(墨壷の備品)というものを垂直に下げて見定めることを言います。推量することから「推し量ること」、それが転じて「自分より下に見る」となり、「蔑む」という字が使われるように。ちなみに、現在の大工さんは自動巻き取り墨壷を使っているそうです。


「自分を蔑む」ってどういうこと?

「蔑む」とは「他人を下に見ること」です。では、「自分を蔑む」とは一体どういうことでしょう? 「自分を蔑む」とは「必要以上に劣っていると思うこと」で、言い換えれば「卑下(ひげ)する」に。謙遜して使うほか、強いコンプレックスからそのような言動に出る場合も。あるいは「そんなことないよ」と周囲に言ってもらいたい、思ってもらいたいがために自分を蔑む場合も…。これは承認欲求が強い人に見られがちな傾向です。他人を蔑むのも決して品がいい行為ではありませんが、自分を蔑むのも相手に不愉快な思いをさせると心得て。


【「蔑む」の使い方がわかる「例文」4選】

■1:「人を蔑んでも何も得るものはない」

■2:「周囲の人たちに蔑まれているように感じるのは被害妄想だ」

■3:「他人事とはいえ、人を蔑む発言は聞いていて気持ちのいいものではない」

■4:「人を蔑むような言動には、品位のかけらもない」


【「蔑む」の「類語」「言い換え」】

■見下す(みくだす)・見下げる(みさげる)

相手をばかにして見ること。「人を見下した(見下げた)態度」「詐欺に加担するなんて見下げたやつだ」

■侮る(あなどる)

人を軽く見てばかにすること、軽蔑すること、見下すこと。「彼は意外に侮れないかもしれない」

■嘲る(あざける)

ばかにして悪く言ったり笑ったりすること。「人の失敗を嘲る」

■卑しめる(いやしめる)

卑しいもの、取るに足りないものとして見下げる、軽んずる、蔑むこと。「自分自身を卑しめる行い」

■貶める(おとしめる)

自分より劣ったものとみなしてばかにすること。「貶められた気がしてスッキリしない」

■蔑ろ(ないがしろ)

あってもないもののように軽んじること。また、そのさま。「仲間を蔑ろにした行為」

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言葉としては正しく覚えておきたい「蔑む」ですが、そのような行為をしないようにしたいもの。他人を見下す人は信頼できませんよね。誰しも得手不得手があります。粗探しをするのではなく、他人の良いところを見つけられる人になりたいですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『大人の語彙力大全』(KADOKAWA) :