今回は「彼の傲慢な態度に我慢ならない」「傲慢で失礼な態度だ」といったように使う「傲慢」という言葉について解説します。「自分は傲慢になっていないか…」と振り返ってみてください。

【目次】

慣れてくるとつい傲慢な態度になることも…気を付けたいものですね!
慣れてくるとつい傲慢な態度になることも…気を付けたいものですね!

【「傲慢」の「読み方」から「使い方」まで基礎知識】

■読み方

「傲慢」は「ごうまん」と読みます。

■意味

傲慢とは、奢(おご)り高ぶって、人を侮(あなど)ること。人を見下して礼儀を欠くこと。またそのさまを言います。「傲」という字に「奢り高ぶること」「人を侮ること」「欲しいままにすること」という意味が、「慢」には「威張る」「得意になる」「馬鹿にする」という意味があります。

■使い方

「傲慢」は名詞、あるいは形容動詞として使います。使用例を挙げてみましょう。

・傲慢に見える ・傲慢さ

・傲慢な態度 ・傲慢な人 ・〇〇は傲慢だ ・傲慢な様子 ・傲慢な物言い  ・傲慢だ ・傲慢な主張 ・傲慢な見解


【似ているけれど違う?「傲慢」と「高慢」】

■「高慢」とは?

「高慢(こうまん)」は、自分は才能や能力、容貌などが優れているとうぬぼれ、得意がること。また、そのさまを表します。「傲慢」も「高慢」も「奢り高ぶって人を見下す」という意味なので混同しがちですが、厳密には異なります。

■「傲慢」と「高慢」の違い

・傲慢/思い上がりが態度に出て、自分本位に行動するさまを指します。

・高慢/うぬぼれて他人を軽視するさまを指します。

要するに、露骨に態度に出るのが「傲慢」、出ないのが「高慢」というわけです。どちらもマイナスイメージの言葉ですが、「傲慢」は周囲に迷惑な態度や行動をとることなので、より悪質と言えるでしょう。


【「傲慢」の使い方がわかる「例文」5選】

■1:「確かに実績はあるが、だからといってあの傲慢な態度はいかがなものか」

■2:「傲慢にならないよう、常に謙虚さと感謝の気持ちをもって行動しよう」

■3:「あの傲慢さでは、部下は苦労するだろう」

■4:「私に傲慢さが見えたら、どうか指摘してほしい」

■5:「あの芸人は、傲慢なキャラクターに転換した途端バズった」


【「傲慢」の「類語」「言い換え」表現は?】

■横柄(おうへい)

威張って人を無視した態度をとること。無礼、無遠慮なこと。また、そのさま。「横柄にふるまう」

■高飛車(たかびしゃ)

相手に対して高圧的な態度をとること。また、そのさま。「高飛車に出る」

■不遜(ふそん)

謙遜でないこと。奢りたかぶっていること。また、そのさま。「不遜な態度」

■尊大(そんだい)

威張って、他人を見下すような態度をとること。また、そのさま。「尊大な口のきき方」

■居丈高(いたけだか)

人に対して威圧的な態度をとるさま。「威丈高」とも書きます。「居丈高に命令する」

なお、「傲慢」の対義語には「謙虚」「謙遜」「卑下」などがあります。


【「傲慢な態度」は英語でこうなります】

名詞の「傲慢」は[arrogance]、形容詞の「傲慢」は[arrogant]や[haughty]に。

・She is arrogant.(彼女は傲慢だ)

・I'll teach him to act so arrogantly!(彼の傲慢さをくじいてやろう!)

・People don’t like arrogant people. (傲慢な人は好かれない)


【「傲慢」を使った四字熟語】

最後に熟語をご紹介します。

傲慢不遜(ごうまんふそん)

傲慢無礼(ごうまんぶれい)/無礼傲慢

■傲慢不羈(ごうまんふき)

「不羈」とは、 物事に束縛されないで行動が自由気ままであることをいいます。難しい言葉ですね。

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職場に傲慢な態度の人がいると、一気に雰囲気が悪くなります。そういう人を正すのはなかなか厄介なもの。営業成績が良かったり、仕事ぶりを認められたりしたときこそ、謙虚でありたいものですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :