パリ在住のライター&エディター安田薫子さんがお贈りする、世界一おしゃれな街の最新ラグジュアリー情報の第10弾は、先ごろ、パリで発表された華麗な「アルマーニ プリヴェ」と「ヴァレンティノ」のコレクション。リュクスの粋を凝らしたオートクチュール・コレクションの魅力をお伝えします。

空の表情を至上のオートクチュールに込めた「アルマーニ プリヴェ」

会場は、いつもと同じくシャイヨー宮です。

最前列にはマリオン・コティヤール、イザベル・ユペール、ダイアン・クリューガーの姿が! やっぱり女優は雰囲気が違うというか、オーラが出ているというか…。存在感がすごいですね。

会場の壁は淡い赤い色に彩られています。
マリオン・コティヤール、イザベル・ユペール、ダイアン・クリューガーの女優3人がフロントロウに! 目立ちますね。
リュクスなパンツスタイルなどデイウエアの後は、シックなイヴニングが並びました。
今回は珍しいことに、男女のモデルがペアで登場。ソワレの装いをカップルで見せます。
ランウエイの最後を飾ったのは茜色の雲が渦巻く空のような2着のドレス。
ショーの最後にジョルジオ・アルマーニさんが登場。

遠くからしか撮影できなかったので、お借りしたコレクション写真がこちら。

アルマーニ プリヴェ 2018年パリ春夏オートクチュール コレクション
アルマーニ プリヴェ 2018年パリ春夏オートクチュール コレクション
アルマーニ プリヴェ 2018年パリ春夏オートクチュール コレクション
アルマーニ プリヴェ 2018年パリ春夏オートクチュール コレクション

そして、ショーの翌日に「resee」。つまりショーに登場したものを再度見られる展示会が開催されたので、行ってまいりました。

今回の「アルマーニ プリヴェ」のテーマは「雲」。

日本語でも、夜明け前のあかね色の東雲、薄雲、朧雲など、色々な雲の状態を表す言葉がありますが、今回のアルマーニはまさに雲のいろいろな表情をテキスタイル、クリスタル、スパンコールで表しています。

フィッシュネットの内側にはスパンコールやクリスタルがふんだんにつけられています。

ショーの最後には、テキスタイルを縦横無尽にねじり、雲の動きを表現したドレスが登場。アルマーニの作品には、綺麗なだけではなく、きちんと計算されてバランスが取られているのをいつも感じます。さすが理系出身のアルマーニ氏だけのことはありますね。この安定感にみんな惹きつけられるのかも。

アルマーニの靴はソワレであってもヒールが低く履きやすいのが特徴です。女性が快適に身につけられるように、との計らいなのです。

究極の職人技で製作された、イタリア絵画のような「ヴァレンティノ」

「ヴァレンティノ」のショーが行われたのは、オテル・サロモン・ド・ロチルド。サロモン・ド・ロチルド男爵の邸宅だった場所で、今ではイベント開催会場として使われています。

ヴァレンティノの現デザイナーは、ピエールパオロ・ ピッチヨーリです。

彼が披露したのは、リボンやラッフルなどクラシックでグラマラスなディテールにカラーが踊り、まるで咲き誇る花を集めたブーケのようなコレクションでした。ピッチヨーリの色の組み合わせはいつもイタリア絵画を連想させます。

羽がふんだんにつけられた帽子はイギリス人の帽子デザイナー、フィリップ・トレーシーが手がけました。

オテル・サロモン・ド・ロチルドの入り口です。まるでお城ですね。
天井画も見事です。かつてはここで舞踏会が行われたのかも…。
大きなリボンがヴァレンティノらしい。セラドングリーンが素敵です。
こちらもトップに立体的なラッフルが付いていてエレガント。
まるでシクラメンのよう。フーシャピンクが映えます。
花柄のテキスタイルをたっぷり使用。

手縫いに900時間を要するドレス、手で折り目をつけたプリーツを60枚も貼り合わせたドレスなど、究極の職人技によるオートクチュールがランウェイに並びました。カラーはモダン、でもクラシックなモードらしさを感じさせるヴァレンティノらしいコレクションでした。

ショー会場には創設者のヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏もいらっしゃっていました。

ヴァレンティノさんご本人もいらしてました。表舞台から退いていらっしゃいますがお元気そうです。

「アルマーニ プリヴェ」も「ヴァレンティノ」も、客席にはプロではなくむしろ富裕層のファンの方が多くみえています。両ブランドともに、時代の気分を入れつつも永遠普遍のエレガンスがベース。それがいつまでも愛され続ける理由なのかもしれません。

この記事の執筆者
某女性誌編集者を経て2003年に渡仏。東京とパリを行き来しながら、食、旅、デザイン、モード、ビューティなどの広い分野を手掛ける。趣味は“料理”と“健康”と“ワイン”。2013年南仏プロヴァンスのシャンブル・ドットのインテリアと暮らし方を取り上げた『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』(講談社刊)の著者として、2016年から年1回、英語版東京シティガイドブック『Tokyo Now』(igrecca inc.刊)を主幹として上梓。