身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。前回の「藍染キャビネット」に続き、佐賀県発のグローバルブランド「ARIAKE (ありあけ)」からおすすめアイテムをピックアップしました。
「ARIAKE」はシンガポール人デザイナーのディレクションのもと、国内外のデザイナーがデザインしたものを日本の職人が形にし、海外の展示会を中心に発表している注目のブランドです。今回は、静かなデザインながらプロポーションが新鮮な『Rin Sofa(リン ソファ)』の魅力をご紹介します。
どんな空間にも静かに映える禅的な佇まい
海外の人がイメージする「日本の禅的な静けさ」を失いつつある私たちの現代の暮らし。そんないわば“絵に描いた餅”のようなスーパーミニマルなデザインの家具を、海外のデザイナーが日本のメーカーと協業して発表するブランド「ARIAKE」が個人的にずっと気になっていました。
今回ご紹介する『リン ソファ』は、そんな「ARIAKE」の新作。今までに見たことがないプロポーションが静かな雰囲気を漂わせます。
無垢材の美しさを際立たせ、コンパクトでミニマルなソファをつくることをコンセプトとしたデザインで、座面を椅子のような高さに床から浮かせることで床面が見える面積が多くなり、視覚的な軽快さを感じることができます。
ダイニングチェア感覚で腰かけられる高さが快適!
暮らし方や働き方が変わり、時間差ですれ違っていた家族や同居人と過ごす機会が増えた今。ちょっとした違和感を見直す際に、ぜひ目線の高さ関係を考えてみてください。
『リン ソファ』の座面の高さは430mmと、通常のダイニングチェアのような位置で着座できるので、立ち上がる際のスムーズさも魅力。腰や膝に不安がある方にもおすすめです。リビングなどの空間の真ん中に設置しても背面が低いので室内を区切ることなく、ダイニングで過ごしている人と視線の高さを揃えることが叶います。
縫い目がないから美しい、ふっくらとした座面の魅力
『リン ソファ』の最大の特徴は、程よく張りがあり「縫い目がどこにも見えない」のにエッジがぼやけていないこと。例えるならば、筋張っていないしなやかな筋肉質の体のような清潔感があります。
ファブリックは縫製箇所から劣化することが多いのですが、触れるところに縫い目がないため強度が保たれるというのも魅力のひとつ。毎日使う道具として、安心して長く愛用できるのは大事なポイントですよね。
『リン ソファ』をデザインしたガブリエル・タンとは?
「ARIAKE」のディレクターを務めるガブリエル・タンは、1982年生まれ。工芸、文化、テクノロジーの境界を越えて活動するデザイナー。ホテル、レストラン、ブランド、メーカーなど国際的なクライアントと共に、デザイン、キュレーション、クリエイティブディレクションに取り組んでいます。
彼の作品は、ミラノ、ニューヨーク、ストックホルム、ロンドン、パリ、東京、バルセロナ、シンガポールで展示されており、アメリカインダストリアルデザイナー協会(IDSA)が主催するIDEA賞のほか、国際的なデザイン賞受賞歴多数。世界最大級の広告祭「カンヌライオンズフェスティバル」や「コア77デザインアワード」の審査員も務めました。
今回は、ミニマルな美しさが際立つ『リン ソファ』をご紹介しました。身長156cmの私が横になってぴったり収まるサイズでしたが、高身長の方が足を上げて横たわっても大丈夫。アームに縫い目がないので心地よくくつろぐことができます。
ショールームではダイニングコーナーも併せて展示されているので、ご自宅での視点の高さなども想像しながら、暮らしをシミュレーションしてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
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HIRATA CHAIR TOKYO
営業時間/11:00~18:00 ※要予約
定休日/日曜日
TEL:03-6384-5305 - 住所/東京都港区南青山4-1-15 #103
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- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM