身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回も、前回に続きシンプルなデザインとウォルナット無垢材の質感が上質な日常の風景を作ってくれると人気のジャパンブランド「マスターウォール」からピックアップ。今までありそうでなかった置き式木製収納家具に注目しました。

北欧ヴィンテージのオープンシェルフのような繊細さと存在感があり、忙しない現代の暮らしに寄り添った高機能な金具で安心も担保できる。そんな“美味しいとこどり”のような『ユーエスビーツー サイドボード』の魅力をご紹介します。

キッチンでも使える!置き式の定番収納家具のメリットとは?

みんなで食事を作ったり食べたりできるオープンキッチン。食を中心とした暮らしは、生き生きとしたイメージがありますよね。一方で悩ましいのは、キッチンには多くの設備が必要で、機能性重視になりがちな存在の仰々しさがインテリアのなかで悪目立ちすることではないでしょうか?

最近では高機能なデザイン家電も増え、ひと昔前よりも生活空間になじむようになりました。ではキッチン家具はどうでしょう? 世界の一流インテリアブランドでは、数年前からキッチンの家具がリビングやダイニングと同じ世界観で展開されています。またその傾向は、ウェルビーイングな暮らしを重要視する流れを受けて今後も高まるでしょう。

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無垢の木製家具でここまで繊細で優しげなインテリアをつくるデザインの力に脱帽!

実は、「マスターウォール」をはじめとする国内家具ブランドショップでも特注キッチンを手がけているところは多くあります。特注のメリットは空間にピッタリ誂えられることですが、一発勝負の製作になるので定番家具ほどデザインや耐久性などが吟味されていないという一面もあります。

また、引っ越しの多いご家庭や賃貸物件の方には向いていません。その点置き式定番家具は、さまざまな暮らしのシーンになじむようデザインのディテールや耐久性などの強度実験を経て念入りに開発されています。

大きいのに優しい印象をつくり出している繊細な面取りと丸脚

今回ご紹介する『ユーエスビーツー サイドボード』は、まさにそんな置き式定番家具の真骨頂ともいえる逸品。幅は約1m60cm、高さは約1m40cmと決してコンパクトではないものの、どんな空間にもすんなりと溶け込む程よい軽やかさがあるので、合わせるインテリアを選びません。

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【ブランド】マスターウォール 【商品名】ユーエスビーツーサイドボード 【価格】¥66,0000 【サイズ】幅1572×奥行き400×高さ1420 (mm) 【材質】本体:突板ウォルナット、ウレタン塗装 脚:ウォルナット無垢材、ウレタン塗装

その理由はディテールの丁寧な仕上げにあり! 手かけの部分や上部の棚板などは滑らかな曲面状に面取りされています。その効果で細いラインで扉を囲んでいるような視覚効果があり、ほっそりとした軽やかな存在感に仕上がっています。

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左/丸脚も軽快な印象で、ディテールの収まりも美しい仕上がり。右/写真は壁付ですが、ボードの背面も綺麗に仕上げられているので空間の間仕切りとしても使えます。
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上部の棚板にオプションのバーを付ければグラスやキッチンツールを吊り下げることも可能。

ちょっとしたストレスを全て取り除いてくれる細やかな気遣いも魅力

毎日開閉する扉や引き出し。扉を閉める際に大きな音が鳴ったり、奥のものを取る際に引き出しが抜けたりしないよう気を使うのは、できれば避けたいですよね。こちらのキャビネットの扉はソフトクロージングタイプ。閉まり切る前に一旦止まってゆっくりと静かに閉まり、指を挟む心配もありません。引き出しは落ちてこない仕様の金具なので不安なく奥の物をとることができ、こちらも同じくソフトクロージングなので安全です。

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左/観音開きの扉は上部のカーブに指を差し入れ開けられます。右/棚板はご自身で高さを変えられる仕様。
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キャビネットの引き出しは多くのものがサイドレールタイプなのに対して、こちらはレールが下に付いているので内側が広々、荷重にも強い!

外寸は大きな家具になりますが、箱の部分と丸脚部分は現場組み立てなので狭い搬入経路でも大丈夫。もちろん配送サービスの方が完品で納品してくれますのでご自身で組み立てることはありません。その際、引き出しを抜いたキャビネット内側から固定するので外側にネジやビスは出ず静謐な仕上がりです。


今回は、キッチンでもリビング&ダイニングでも使える置き式家具『ユーエスビーツー キャビネット』をご紹介しました。お気に入りのソファやダイニングテーブルと同じようなスタイルでキッチン環境も整えたい気持ちを叶えます。ぜひその使い心地を体験してみてください。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM