身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は、国内外のデザイナーが協働してコレクションを発表している佐賀県発グローバルブランドのド「ARIAKE(ありあけ)」からピックアップしました。

繊細な色味で空間をリフレッシュし、使いやすいコンパクトなサイズ感で設置しやすい『藍染キャビネット』の魅力を詳しくお伝えします。

置く場所によって表情が変わるネイビーカラーのキャビネット

どこかクラフト感を感じさせてくれる素材使いや、製造される土地の文化を感じさせるデザインの人気は年々高まっています。「今の暮らしにちょい足しできるアイテムでインテリアをアップデートしたい!」…そんな方におすすめなのが、藍色で着色した木材で作られた『藍染キャビネット』です。

【ブランド】ARIAKE 【商品名】藍染キャビネット 【価格】¥253,0000 【サイズ】幅800×奥行き400×高さ1441 (mm) 【材質】アッシュ

ファッションでもそうですが、ネイビーは応用力の高いベーシックカラー。黒と同様にきりりとした端正な色でありながら、黒よりもどこかたおやかな印象を与えてくれるのが特徴です。さらに藍色といえば連想するのはデニム。そんなカジュアルさも内に秘めているので、合わせる空間によって表情が変わります。

家_1,和文化_1
左/ミニマルで明るい室内では、藍色の端正さが際立ちます。右/重厚でクラシカルな空間では、藍色のフレッシュさがエッジィなアクセントに。

そして特筆すべきはそのカラーリング! 濃淡をつけた藍色の扉と、扉より一段深い藍色で彩られた引き出し、墨黒の脚、そして朱色のセカンドハンドルと、日本伝統色の組み合わせがとってもモダン。扉を開閉するたびに普段の生活に新鮮なときめきの瞬間を演出してくれます。

ちょうどいいサイズで、欲しい機能が詰まっているデザイン

幅80cm奥行き40cmの『藍染キャビネット』は、ダイニングのちょっとしたスペースに設置できるちょうどいいサイズ感。観音開きなので内側を広く使え、例えばお茶のセット一式を揃えたお盆ごと入れられるようなゆとりもあります。

家_3,家,和文化_3
左/固定された2枚の棚板のサイズは、幅75cm奥行き31cm。棚板間の内寸は下から31cm、21cm、21cm。右/天板に物が置けるよう、少し位置を下げてあるデザインも秀逸。

また、かがまなくて使える高さに棚板があるので、少し重めの大皿を安心して置くことも可能ですし、下の引き出しにテーブル周りで使うファブリック類を収納しておけば、気軽に日常の風景をリフレッシュできます。そんなふうに、優れた家具は使い方を想像させてくれるように設計されているものなのです。

家_4,家,和文化_4
左/なんといっても使いやすい高さに物を置ける喜びが! 右/引き出しの手かけは下部に彫り込みであしらわれており、スムーズに安定して開閉できます。

15か国に拠点をもつ国際的なデザインブランド「ARIAKE」とは

「ARIAKE」は、佐賀県諸富町の「レグナテック」と「平田椅子製作所」の二社がグローバル市場を目指し2017年に立ち上げた家具ブランド。九州にある有明海にちなんで名づけられました。

家_5,家,和文化_5
言葉の壁を越え、デザイナー、職人、アートディレクター、フォトグラファーが集団生活し家具コレクションを育んだ「ARIAKE」。

さまざまな文化背景をもつ国内外のクリエイターたちが日本文化の精神性をとらえ、デザインに落とし込んだ世界観は唯一無二の存在感。都市生活にリアルになじむサイズ感や機能性、既に確立された高い技術力のある職人を抱えている工場での製作、そして値頃感もあるという底力のあるブランドです。2022年8月に待ちに待ったショールームが東京にオープンしました。

家_6,東京_1
家具空間としての機能だけでなく、香りや音響・照明などを通じ五感で世界観を体感できるショールーム。

今回は、唯一無二の魅力をもつ『藍染キャビネット』をご紹介しました。撮影している際に、日の当たり方によっても全く異なる表情を見せてくれることにとても胸躍りました。グローバルな視点で見た日本の美しさを、ショールームでぜひ実物に触れて感じてみてください。

問い合わせ先

  • HIRATA CHAIR TOKYO 
    営業時間/11:00~18:00 ※要予約
    定休日/日曜日
    TEL:03-6384-5305
  • 住所/東京都港区南青山4-1-15 #103
  •  

関連記事

この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM