日本語には、名詞やその省略形に「(す)る」をつけて動詞化した若者言葉が多くあります。今、一般的に使っている「ミスる」「サボる」なども、かつては若者用語だったのです。言うまでもなりませんが、サボるは「サボタージュする(=怠ける)」、ミスるは、「ミスをする」という意味です。今回のキーワードである「リムる」もそのひとつですが、何の省略形でどんな意味か、ご存じですか? なんとなく「雰囲気で」理解したつもりになっていても、実は曖昧な言葉は多いものです。若者世代に多く使われるネット用語ならなおさらでしょう。今回は「リムる」の意味や使い方、「リムる人」の心理について解説します。

【目次】

【「リムる」って知ってる?押さえておきたい「基礎知識」】

■意味

「リムる」とは「X(旧Twitter)」や「インスタグラム」などのSNSで、「フォローしていたユーザーのフォローをやめること」あるいは「友達解除すること」を指します。

■「由来」  

もともとは「X(旧Twitter)」で使われ、拡がりました。「退去する」「取り除く」「解任する」といった意味をもつ英語[remove(リムーブ)]に由来するネットスラングです。

■「どんなとき」に使われる?

例えば、フォローしていたアカウントの推し活をやめるときや、アカウントの投稿がおもしろくないと思ったときなどに、そのフォローを外すことを「リムる」といいます。リムった相手が芸能人やアスリート、YouTuberなどの著名人で、こちらを認識していない場合は話が簡単なのですが、相互フォローのいわゆる一般人同士で、ある程度親しくやり取りをしていた関係であった場合、少々ややこしくなります。

「リムる」という行為には、「SNS上の交友関係を断つ」という意味合いがあります。共通の趣味をもった者同士など、気楽に繋がることができるのがSNSの利点ですが、一度気まずくなってしまったり、意見が合わなければ、簡単に関係を切ってしまえるのも、SNSの特徴。なかには、一方的にリムられたことで「拒絶された!」「嫌われた!」とネガティブな感情を抱く人もいるため、誰かを「リムる」ときには、相手の感情を傷つけない配慮が必要です。

また、リアル社会では、パートナーや友達と「別れる」「縁を切る」といった意味で「リムる」を使う人もいます。


【「使い方」がわかる「例文」3選】

■1:「私は軽い気持ちでリムっただけなのに、相手の怒りを買っている。なんでだ?」

■2:「推せるかと思ってフォローしたけど、思ってたのと違うからるリムるわ」

■3:「彼氏からリムられるのムリ」


【SNSでよく使われる「類語」「関連語」表現】

■「リムられる」

「フォローをやめる」行為は、「リムる」「リムられる」と使われます。

■リムバ

「リムり返し」、[removeback(リムーブバック)]を略して「リムバ」といいます。

■ブロ解

「ブロ解」とは「ブロック解除」の略です。「ブロック」とは、特定のユーザーとの接触を断つための「ブロック機能」のこと。「ブロ解」の手順としては、自分をフォローしている人を一度ブロックし、すぐにブロックを解除します。すると、相手には知られずに、自分に対するフォローを外すことができます。つまり、つながる前の状態に戻せるのです。ブロ解された相手は、そのうちに自分からのフォローが外れていることに気付くかもしれませんが、それほど親密な関係でなければ、そのままフォローが外れた状態でいることも多いようです。実際、一方的にフォローを外される「リム」よりはマシと考える人も多く、ネットを「当たり前」のツールとして使いこなす、Z世代ならではの人間関係の整理術なのかもしれません。


【「リムる人」の心理とは?】

「リムる」、つまり「あえてフォローをやめる」人の心理について考察してみましょう。

■関係を断ちたいという意思表示

「リムる」行為は、「私はあなたとは意見が違います」「あなたとは交流をもちたくありません」という、消極的な意思表示かもしれません。

■多すぎる投稿を追うのが面倒

SNSで誰かをフォローすると、タイムラインにその人の投稿が表示されます。投稿内容がイヤであるとか、投稿者を否定するつもりもないけれど、SNSにその人の投稿ばかりが流れてくるのも鬱陶(うっとう)しい…そんな気持ちから「リムる」こともあるようです。

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いかがでしたか? SNSは互いの素性を明かすことなく気軽な会話を楽しめるメリットがある反面、相手との温度差や意見の違いなど、微妙なニュアンスを測るのが難しいという側面もあります。年下と思っていた相手が実は年上だったり、あなたが悪意なく噂した人を相手が推していたりと、地雷は想像以上に潜んでいるもの。お顔は知らないとはいえ、せっかくのご縁。「リムったりリムられたり」と感情的にならず、平和な関係が築けたらいいですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :