【目次】

【若者言葉「リムる」とは?「意味」など【基礎知識】】

「意味」

『現代用語の基礎知識』にも、この言葉の意味は載っています! 「リムる」とは「X(旧Twitter)」や「インスタグラム」などのSNSで、「フォローしていたユーザーのフォローをやめること」あるいは「友達解除すること」を指します。ご存知でしたか?

■「由来」

「リムる」は、もともとは「X(旧Twitter)」で使われ、拡がりました。「退去する」「取り除く」「解任する」といった意味をもつ英語[remove(リムーブ)]に由来するネットスラングで、『現代用語の基礎知識』には2019年から掲載されています。リムられた相手を“リムり返す”ことを「リムバ」(リムーブバック)と表現することもありますよ。

■「どんなとき」に使われる?

たとえば、フォローしていたアカウントアカウントの投稿が期待していたようなものでなかったり、投稿が少ないときなどに、そのフォローを外すことを「リムる」と言います。

リムる相手が芸能人やアスリート、YouTuberなどの著名人で、こちらを認識していない場合、話は簡単です。単に「先方のファンを辞めた」だけですからね。

しかし、めんどうなのが相互フォローの、いわゆる一般人同士で、リアルでも付き合いのある相手の場合。相手がリムられたことに気付き、不快に思うこともあるのです。なかには、一方的にリムられたことで「拒絶された!」「嫌われた!」とネガティブな感情を抱く人も…。また、リアル社会で、パートナーや友達と「別れる」「縁を切る」といった意味で「リムる」を使う人もいます。


【使い方がわかる「例文」】

■1:「私は軽い気持ちでリムっただけなのに、相手の怒りを買っている。どうして?」

■2:「推せるかと思ってフォローしたけど、思ってたのと違うからるリムるわ」

■3:「ある芸能人をフォローしたけど、つまらないことしか言ってないから、秒でリムった」

■4:「相互フォローだった友だちからリムられた。私、何か悪いことしたかな?」

■5:「リアルで付き合いがあるからフォローしたけど、ネガティブな投稿が多くてびっくり。リムりたいけど、バレたら逆恨みされそうで怖い…」

■6:「リアルな知り合いはリムると角が立つから、ミュートすることにした」

「ミュート」の機能を使うと、フォローを外すことなく相手のポストを非表示にできます。不要なトラブルを避けたいという場合には、リムる代わりに利用するのもいいでしょう。

■7:「○○さんからリムられたので、私も速攻リムバした。なんかモヤモヤする」


【「類語」「言い換え」表現】

■類語・関連語

・ブロ解
「ブロ解」とは「ブロック解除」の略です。「ブロック」とは、特定のユーザーとの接触を断つための「ブロック機能」のこと。手順としては、自分をフォローしている人を一度ブロックし、すぐにブロックを解除します。すると、相手には知られずに、自分に対するフォローを外すことができます。つまり、つながる前の状態に戻せるのです。

ブロ解された相手は、そのうちに自分からのフォローが外れていることに気付くかもしれませんが、それほど親密な関係でなければ、そのままフォローが外れた状態でいることも多いようです。実際、一方的にフォローを外される「リム」よりはマシ、と考える人も多いようです。ネットを「当たり前」のツールとして使いこなす、Z世代ならではの人間関係の整理術なのかもしれません。

・リムられる
相手からのフォローを外された場合は​「リムられた」と使います。

・フォロバ
「フォロバ」は、英語の[follow back(フォローバック)]を略した言葉です。フォローされたアカウントをフォローし返すという意味で使われます。相手にフォローしてもらったときに「ありがとうございます。フォロバさせていただきます」のように使われます。


【「リムる人」の心理とは?】

「リムる」、つまり「あえてフォローをやめる」人は、どんな心理状態なのでしょうか。

・フォローした相手への興味が薄れた

・趣味や価値観が合わないと感じた

・相手の投稿が期待していたものと違う

多すぎる投稿を追うのが面倒

・投稿が少なすぎてフォローする価値を感じなくなった

・ネガティブな投稿が多く、見るのが嫌になった

・フォロー数を整理した

・関係を断ちたいという意思表示

「リムる」行為は、「私はあなたとは意見が違います」「あなたとは交流をもちたくありません」という、消極的な意思表示かもしれません。


【もしも「リムられ」たらどうする?】

共通の趣味をもった者同士など、気楽に繋がることができるのがSNSの利点。ですが、一度気まずくなってしまったり、意見が合わなければ、簡単に関係を切ってしまえるのも、SNSの特徴です。リムられたことで、相手から拒絶されたように感じるかもしれませんが、それはあくまでSNS上での関係性です。必要以上に気にする必要はありません。ただ、自分でも気付かないうちに、ネガティブな内容の投稿ばかりになっていないかなど、投稿内容を見直すきっかけるにするのはいいかもしれませんね。

注意したいのは、相互フォローだった相手からリムられたときの状態は、相手には自分のポストが見えませんが、自分には相手のポストが見える状態である、ということです。一方的に相手のポストを見なくて済むように、「リムバ」するのもひとつの方法です。

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日本語には、名詞やその省略形に「(す)る」をつけて動詞化した若者言葉が多くあります。今、一般的に使っている「ミスる」「サボる」なども、かつては若者用語だったのです。言うまでもありませんが、サボるは「サボタージュする(=怠ける)」、ミスるは、「ミスをする」という意味です。SNSのメリットは、互いの素性を明かすことなく気軽な会話を楽しめること。お顔は知らないとはいえ、せっかくのご縁ですから、「リムったりリムられたり」と感情的にならず、平和な関係が築けたらいいですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :