雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、牡蠣を復活させるべく活動を続ける「City Island Oyster Reef」代表のサリー・ペイジ・コノリーさんをご紹介します。

サリー・ペイジ・コノリーさん
「City Island Oyster Reef」代表
タフツ大学で博士号を取得し、ニューヨーク大学でドイツ文学の修士号を取得。シティアイランドに20年以上暮らし、ヨットクラブでジュニアセーリングプログラムに関わるなど、さまざまな形で島の活性化に努める。

シティアイランドを再び牡蠣の島に!地元住民の力で生態系の回復に挑む

マンハッタンから車で約30分。ニューヨーク市ブロンクスの外れの小さな島シティアイランドは、ヨットハーバーやシーフードレストランが軒を連ねるリゾートだが、かつては、牡蠣の名産地として栄えた漁師町だった。採りすぎや環境汚染により海から消え去った牡蠣を復活させるべく活動を続けているのが、サリーさんが代表を務めるNPO「シティ・アイランド・オイスター・リーフ」だ。

「私たちの使命は、湾の生態系の回復。そのために、ボランティアを募って地元レストランで消費される牡蠣殻を集め、サンゴ礁ならぬ“牡蠣礁(※)”をつくり、生物に住すみ処かを提供。現在は島周辺の5か所でモニタリングを続けています」

この島に20年以上暮らし、地元ヨットクラブにディレクターとして関わるなど島の活性化に尽力してきたサリーさん。この牡蠣の復活も、草の根的な活動だと語る。

「私たちの団体は、決して大きなお金によって運営されているものではありません。地元民が私財を投じて、自分たちの身の回りの環境を少しでも改善しようとしている。そして、それをきっかけに行政の意識も高まってきて、今では大きな助けとなっています。地元の小学校に海洋生物の観察プログラムを提供したり、データを定期的に研究機関と共有したり。多くの他団体とも協力することで、牡蠣飼育スポットでは、牡蠣殻を宿にさまざまな生物が住み着く様子も確認されています」

この流れはとても重要なことだ、と、サリーさんは強調する。

「どんな人も、自分の周辺の環境をその手で改善することができるということです。それがひいては、大きな地球規模の環境保全につながっていくと信じています」

【SDGsの現場から】

●大量の牡蠣殻を生物の住処に再利用

「City Island Oyster Reef」代表のサリー・ペイジ・コノリーさん
ニューヨーカーは大の牡蠣好き。地元レストランから出る大量の牡蠣殻を回収し、再利用。

●湾内の5か所で定期的に成長をモニター中

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定期的にカゴを引き上 げてチェック。牡蠣によって水質が改善され、 ほかの生物も増える。

※牡蠣礁とは…牡蠣などの貝類が集積して形成される礁のこと。牡蠣殻に生きた牡蠣が重なって成長。 蠣の生育は海水の浄化にもつながる。

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PHOTO :
Hiroshi Abe
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材 :
Junko Takaku