雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、「ARU Eyewear」代表 ダニエラ・ヴェラッツオさんの活動をご紹介します。
「メイドインイタリー」にこだわった環境に優しい素材のメガネを
ダニエラさんが’19年に立ち上げた「アル アイウエア」は、100%メイドインイタリーにこだわったメガネブランド。建築家として25年のキャリアをもつ彼女が、サステイナビリティについて考えるなかで「メガネ業界にもその視点は必要で、私になら実現できる」と思い、スタートさせた。
「私は幼い頃からメガネを愛用していて、いつか、優れたデザインで機能的、高品質なメガネをつくりたいという想いを抱いていたんです。市場で『イタリア製』といわれているメガネのほとんどは海外でつくられていて、最後の簡単な仕上げをイタリアで行っているというだけ。国内にも技術力の高い工場や素晴らしい職人はいるのにもかかわらず、です」
国内でパーツを生産することは、環境保護の観点でも、イタリア経済への還元という意味でも意義がある。そこでダニエラさんはイタリア中の工房を回って、交渉し、縁をつなぎ、「本当のメイドインイタリー」を実現させた。
もちろん素材もサステイナブルであることを目指した。フレームは、綿花でつくられたオーガニックアセテートに、トウモロコシやジャガイモ由来の生分解性プラスチック可塑剤(※)を配合。さらにメガネケースも、木の樹脂と90%リサイクルコットンを使ったもので、サステイナブルラインとして今年の2月に発表。注目を集めている。
「メガネは、私たちの生活を向上させるアイテムですよね。毎日使うものだし、かければ気分も上がります。それが環境に優しいものであれば、なおさらうれしいはず。今はまだ4型だけの小さなコレクションで、私の挑戦は始まったばかり。まだまだ、やってみたいことはたくさんあります」
【SDGsの現場から】
●サステイナブル素材でつくったメガネホルダー
●パーツは国内各地の工房で製作
※生分解性プラスチック可塑剤とは…可塑剤は、プラスチックに柔軟性を与える添加剤。もとは石油由来だったが、近年は植物や天然バイオマス由来のものが登場している。
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- PHOTO :
- Francesco Dolfo
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- Yuki Katagiri