静かな白磁、モダンな硝子、大胆な絵皿etc.|毎日愛でたい存在感!心惹かれる「作家の器」

食卓に並べるのはもちろん、アートとして、部屋に彩りを与えることも。そんな感覚で取り入れたい、さまざまに活動する作家の器をご紹介します。しまい込まず、飾ることで、器の魅力も愛着も、ぐっと深まって。

佃 眞吾さんのお重|背筋が伸びるような品格が漂う端正な木工作品

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佃 眞吾の楓重飾り箱[14×14×高さ19cm]¥330,000、陶器の人形『Lisa Larson Mei』¥10,450(イデーショップ 自由が丘店)、人形の下のプラッター『アスティエ・ド・ヴィラット/ジョン・デリアン リーフ』¥21,670(イーストランド)、その他/私物

【As Art】細工だけでなく木の美しさも味わいたい

置くだけで、凛としたムードを醸し出す佃さんのお重。陶器の人形といった遊び心溢れるあしらいで、唯一無二の空間づくりを。


京都の木工作家・佃 眞吾(つくだ・しんご)さんは、刳物(くりもの:木を刃物で削り、くぼみをつける器など)と指物(さしもの:釘などを使わず、木と木を組み合わせてつくられた家具や調度品)、両方の技術をベースに制作を行います。

佃さんの作品が、民藝的な側面と瀟洒な雰囲気を併せもっているのは、そういった基盤があるから。使うだけでは物足りない、この心地よい緊張感を、飾って楽しみたいという気持ちになるのは、自然なことではないでしょうか。

なかでもお重は、アートとして部屋に置くのに、現代彫刻のように、ふさわしい風格があります。被せ蓋の楓と、脚部の黒柿の風合いや刳った跡が、立方体に映し出される様子は、見る者の心を強く揺さぶります。そして蓋を開けると、美しい木目をもつ朴(ほお)の木が、琥珀のように輝いて…。そんな意外性も、佃さんの魅力になっています。

【Inside out】内側は種類の異なる木材があしらわれて

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蓋を開けても美しく、またサプライズに満ちた、佃さんのお重。中は3段重ねになっており、素材は蓋や脚部とはまた違う、朴の木を使用している。自然が生み出した、波を打つような流麗な木目を、そのまま生かした端正な仕上がりに。

お重としてはコンパクトなサイズ感なので、大切なものをしまう、小物入れのように使っても素敵な作品。


Information
[Instagram]@tsudamoku
[主な取り扱い店]六々堂(京都)

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PHOTO :
白石和弘
STYLIST :
Chizu
EDIT&WRITING :
湯口かおり、古里典子(Precious)
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