「ロジカル」とは「筋の通った」という意味のカタカナ語です。「ロジカルな人」「ロジカルな考え方」のように使われ、「ロジカルシンキング」はビジネスパーソンになくてはならないスキルだと言われていますよ。今回は「ロジカル」を深掘り。「一貫してわかりやすい」解説を目指します!

【目次】

ロジカル とは?「ロジック」とセットで覚えておきましょう。
「ロジック」とセットで覚えておきましょう。

【「ロジカル」の「意味」など「基礎知識」】

■「ロジカル」の語源は?

「ロジカル」とは「論理的である様子」を示すカタカナ語です。そして「論理的」とは「論理の法則に叶ったさま」「理屈に合っているさま」(『デジタル大辞泉』)。さらに深く「論理的」を理解するために、「ロジカル」の語源を検証してみましょう。

「ロジカル」の由来は英語の[logical]。「名詞[logic]の形容詞です。さらに遡れば、ギリシア語の「ロゴス(概念・理論)」が語源。[logic]は「論理」や「論法」、「論理学」、「筋道」などと訳されますが、「もっともな理由」「有無を言わせぬ説得力」といった意味ももっています。『デジタル大辞泉』では「論理」について「考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式」と説明しています。

■「ロジカル」の「意味」は簡単に言うと「筋が通ってる」ってこと!  

ごく簡単に言えば、「論理」とは「考え方」であり「その考えの説明の仕方」のこと。それが「多くの人が『なるほど!』と納得できる」ものであれば、その考え方は「ロジカル」であると言えます。「筋が通ってる」からわかりやすいし、「説得力がある」のですね。

■ビジネスシーンで使われるときの意味

「ロジカルシンキング[logical thinking]」という言葉はご存じですよね。「ロジカルシンキング」とは「論理的な考え方」とそのテクニックのこと。「ロジカルシンキング セミナー」が人気を博すほど、「ロジカルシンキング」はビジネスパーソンにとって大切な素養といわれています。

「ロジカルシンキング」のメリットを挙げてみましょう。
・筋道を立てて物事を考えられる
・自分の考えを正確にわかりやすく人に伝えられる
・複雑で理解しがたい内容をわかりやすく説明できる
・情報を整理するのが上手くなる
「ロジカルな考え方ができる人=ロジカルな人」は、俯瞰で物事を捉えることができるため、問題の解決策を導き出すのが容易で、しかもその言葉には説得力があります。効率的な業務進行が可能なことに加え、プレゼンテーションや会議、商談時には、その能力が遺憾なく発揮されます。


【「言い換え」たら?「対義語」は?】

「ロジカル」の言い換え表現や反対語をいくつかご紹介しましょう。

■「類語」「言い換え」表現

・論理的
・筋の通った
・理屈に合った
・理に適った
・つじつまが合う
・一貫した

■反対の意味となる言葉

・非論理的
・感情的
・衝動的
・支離滅裂
・めちゃくちゃ
・不合理
・理屈に合わない
・筋が通らない

■混同されやすい言葉

・「理論」
「理論」は「正しいとされている法則やルール」のこと。「論理」と混同されやすい言葉ですが、お間違えなく。


【ビジネスでの一般的な「使い方」がわかる「例文」5選】

■1:「彼のプレゼンは実にロジカルで明快だ。クライアントの反応を見ていれば、いかに説得力があるか、よくわかるよ」

■2:「ビジネスシーンではロジカルな説明を求められるシーンが多い」

■3:「プランとしてはキャッチーだし人心を惹きつける魅力もあるが、ロジカルな説得力に欠けるのが惜しい」

■4:「ロジカルシンキングは、あらゆるジャンルのビジネスで必要とされるスキルだ」

■5:「接客においてロジカルな対応は最善かもしれないが、万能ではないよ。人の感情や感覚は無視できるものではない」


【「ロジカル」を使った関連用語】

■ロジカルハラスメント  

「ロジカルハラスメント」とは、正論をふりかざして相手を過剰に攻撃し、不快な気持ちにさせること。「ロジカルハラスメント」を受けた人は、不快感を感じるだけでなく、メンタルの不調を訴えたりモチベーションの低下を感じてしまうことも。結果として業務の生産性は低下し、ハラスメントが存在する職場のチームワークは失われます。ここ数年、セクハラやパワハラと並ぶ、職場の問題となりつつあるようです。

■ロジカルクッキング

料理本のタイトルにもなった「ロジカルクッキング」とは、調味料の分量や火加減、加熱時間などを、感覚重視ではなく「正確に論理的に」調理を進める料理法です。「いつも微妙に美味しくない」「何か物足りない」料理をしてしまう人こそ、必要なテクニックかもしれません!

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「ロジカルな考え方が苦手」な人は、日常生活で人と話す際に、筋道を論理立てて話すよう心掛けてみましょう。まずは結論を伝え、そのあとで理由や過程などを簡潔に話す癖を付けるのもいいですね。誰に対しても簡潔にわかりやすく話をすることは、ビジネスシーンだけでなく、円滑なコミュニケーションの構築に役立つはずです。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)/『カタカナ語 すぐ役に立つ辞典』(河出書房新社) :