「年齢」の「数え方」には、いくつかの種類があります。そして、私たちが日常「年齢」として認識しているのは、正確には「満年齢」のことなのです。今回は「満年齢」の数え方や「数え年」との違い、「満年齢を聞かれたときの答え方」などを解説します。

【目次】

「生まれた年」はゼロ歳ですね。
「生まれた年」はゼロ歳ですね。

【「満年齢」を深く理解するための「基礎知識」】

■「意味」

「満年齢」とは「生まれた日を0歳として、誕生日ごとに1歳を加えていく年齢の数え方」のこと。つまり、私たちが日常的に使っている年齢の数え方が「満年齢」です。

■2024年の「満年齢」の計算式

「満年齢」は「西暦」を用いることで簡単に計算できます。今年、すでに誕生日を迎えている人であれば、「今年の西暦-生まれた年の西暦」が「現在の満年齢」です。誕生日をまだ迎えていない人の場合、「今年の西暦-生まれた年の西暦-1」となります。たとえば、2024年1月現在、多くの人はまだ誕生日を迎えていませんが、1980年生まれであれば、「2024-1980」となり、さらに誕生日を迎えていなければ「-1」で、「満年齢」は44歳あるいは43歳となります。早生まれの人も「満年齢」の数え方は同じですから、この計算式が使えますよ。

■昭和生まれの人が和暦から生まれ年の西暦を出す方法

また、昭和を西暦に直すには、「昭和の年数に25を足す」と覚えておきましょう。たとえば、昭和39年生まれの方ならば、「39+25=64」で、西暦1964年生まれ。「2024−1964」は60ですから、今年還暦を迎えることがわかります。あるいは、表計算ソフト「エクセル[Excel]」の関数「DATEDIF」を使って「満年齢」を算出する方法もあります。計算式は「=DATEDIF(開始日のセル,終了日のセル,"Y")」です。開始日のセルに、生年月日、終了日のセルに満年齢を求めたい年月日を入力。DATEDIF関数があるセルにそれぞれのセルの数字と因数"Y"を入力すると、満年齢が表示されます。終了日を最終更新日など、日付を固定したい場合には、「$」を使用して、たとえば、F1のセルに終了日を入れたい場合、「$F$1」とします。社員名簿や顧客リストを作成する際などに便利なので、覚えておくとよいかもしれません。

■満年齢早見表【2024年版】

今年(2024年)は、2001年度生まれの大卒学生が社会人になります。現時点での満年齢を表にしてみました。

2001年(平成13年):23歳
2000年(平成12年):24歳
1999年(平成11年):25歳
1998年(平成10年):26歳
1997年(平成9年):27歳
1996年(平成8年):28歳
1995年(平成7年):29歳
1994年(平成6年):30歳
1993年(平成5年):31歳
1992年(平成4年):32歳
1991年(平成3年):33歳
1990年(平成2年):34歳
1989年(平成元年):35歳
1988年(昭和63年):36歳
1987年(昭和62年):37歳
1986年(昭和61年):38歳
1985年(昭和60年):39歳
1984年(昭和59年):40歳
1983年(昭和58年):41歳
1982年(昭和57年):42歳
1981年(昭和56年):43歳
1980年(昭和55年):44歳
1979年(昭和54年):45歳
1978年(昭和53年):46歳
1977年(昭和52年):47歳
1976年(昭和51年):48歳
1975年(昭和50年):49歳
1974年(昭和49年):50歳
1973年(昭和48年):51歳
1972年(昭和47年):52歳
1971年(昭和46年):53歳
1970年(昭和45年):54歳

今年(2024年)、まだ誕生日を迎えていない場合は、上記の満年齢から1を引いてくださいね。


【「数え年」との違いは?】

■「数え年」とは?

「満年齢」が「生まれた日を0歳とする」のに対して、生まれた日を1歳と数え、暦年が変わった1月1日に1歳ずつ年を加えていく数え方が「数え年」です。ですから、12月31日に生まれた人は、生まれてわずか2日目にあたる翌年1月1日には「数え年2歳」になります。「満年齢」でいえば0歳児ですから、随分印象が違いますね!  法律上は満年齢の使用が決められていますが、法事や親族会などで、ご先祖さまの話題になった際、「あの人は数えで〇才まで生きた」などといった話題が出るかもしれませんね。

■「七五三」は「満年齢」「数え年」どちらでする?

「七五三」のお祝いは、女の子は3歳と7歳の年、男の子は3歳と5歳の年に行うのが一般的。では、「満年齢」と「数え年」のどちらでするのが正解なのか、ご存じですか?

日本では長い間、「数え年」を使って年齢を数えてきましたから、それを踏まえて「数え年で祝う」という地方もあるようです。「七五三」のお祝いは一般的に「11月15日」に行うとされています。たとえば、12月31日生まれの赤ちゃんが「3歳」のお祝いを「数え年」で行う場合、「満年齢」ではわずか「1歳」です。現在では「七五三」のお祝いは、どちらで数えてもかまわないとされていますし、あまりに小さい子に祝い着を着させて神社仏閣に参拝するのは親の負担も大きい…ということで、現在では満年齢で行われることがほとんどのようです。また、年の近い兄弟姉妹がいる場合は、一緒に済ませるのが合理的という考え方もあり、その際は「上の子は満年齢だけど下の子は数え年で」とする家庭もあるようです。

■「還暦」は?

「還暦」とは、生まれてから60年で、生まれた年の干支(えと)に還(かえ)ることから、長寿を感謝し祝う行事です。「数え年」ならば「61歳」、「満年齢60歳」を指す言葉です。


【「満何歳?」と聞かれたらどう答えるのが正解?】

■口頭で「満年齢」を聞かれたら

「満年齢」を聞かれたら、「質問された時点での年齢」を答えるのが正解です。通常、「○歳と△か月です」とは言わず、月は切り捨てて「40歳です」などと言いますが、年齢を尋ねた側は「今年、40歳になったのか?」「それともこれから誕生日が来て41歳?」と判断に迷うので、採用面接などの際には「今年(何月で)、40歳になります」あるいは「今年、40歳になりました」などと答えるといいですね。

■「履歴書」などの書類に記入するときは

履歴書などの書類に年齢の記入欄がある場合も、「満年齢」を記入します。履歴書には日付を記入する欄がありますから、書類を郵送する場合なら郵送日、持参する場合は持参日を記入し、その時点での「満年齢」を記載します。メールならば送信日、Webのフォームならば入力日の時点での「満年齢」を記入しましょう。

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改めて「満年齢は?」と聞かれると戸惑ってしまいそうですが、「満年齢」は私たちが通常使っている年齢のこと。履歴書など、書類に記載する場合は提出日が「満年齢を数える基準」となります。気を付けてくださいね。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『すぐに使える! 教養の「語彙力」3240」(西東社) :