今回は「見下す(みくだ-す)」について解説します。この単語自体の意味は理解していても、対義語や類語表現が「すぐに思い浮かばない…」という人も多いかもしれません。今回も語彙力を磨いて、ビジネススキルをアップさせましょう!
【目次】
- 「見下す」の「意味」など基礎知識
- 「見下す」の使い方がわかる「例文」4選
- 「他者を見下す人」の心理的特徴
- 「類語」「言い換え」表現
- 「見下す」の対義語は?「見上げる」ではありません!
- 「見下す」を英語では?
【「見下す」の「意味」など基礎知識】
■読み方
「見下す」と書いて「みくだ-す」と読みます。「みおろ-す」とも読めますが、こちらは一般的に「見下ろす」と表記するので、文章では「見下す(みくだ-す)」「見下ろす(みお-ろす)」と使い分けるといいでしょう。
■意味
「見下す」は、「(1)相手をばかにして見る、侮り見る、見下げる」という意味をもちます。「みおろ-す」と読んだ場合と同じく「(2)下のほうを見る」という意味もありますが、(1)の意味で使用されることが多いので、ビジネスシーンや相手によっては気を付けたい言葉です。
【「見下す」の使い方がわかる「例文」4選】
どんなシーンで「見下す(みくだ-す)」を使用するのか、例文を挙げてみましょう。
■1:「彼女のいつも人を見下したような態度が鼻につく」
■2:「上司から正当な評価をされず、常に見下されているようでストレスだ」
■3:「取引先のこちらを見下している様子が、態度や言葉のはしばしに見受けられて不愉快だ」
■4:「彼の“相手を見下した態度”は、思い上がりというものだ」
【「他者を見下す人」の心理的特徴】
誰かを見下すような態度の人がそばにいると、その対象が自分でなくてもイヤですよね。「他人を見下す人」の心理的特徴はどのようなものなのでしょうか。他人を見下す態度を露わにする人の本質を変えることは難しいかもしれませんが、心理的特徴を知ることで、自身の不快感を和らげることはできるかもしれません。
■プライドが高い
人を見下すタイプの人は、自分は他者より優れていると思うことで、精神の安定を図っているのかもしれません。
■劣等感が強い
実は劣等感が強い人も、それを隠すため、あるいはその裏返しで他者を攻撃することがあるようです。劣等感が強いからこそ、相手より優位に立とうとして見下すのでしょう。
■承認欲求が高い
世間に認められたい、人に評価されたいという欲求が高い人は、それが叶わないと、自分が他者を見下すことでしか自信を保てないようです。
■不安を抱えている
自分はダメな人間だと認めたくなくて、他者を見下す人もいます。そうすることで、自分の不安が打ち消されると思い込んでいるのかもしれません。
■小心者
上記のいずれも、結局は「小心者」であるということですよね。
【「類語」「言い換え」表現は?】
・嘲る(あざけ-る):ばかにして悪く言ったり笑ったりすること。「人の失敗を嘲る」
・蔑む(さげす-む):ほかを、自分より価値の低いものと見て軽蔑すること。「蔑むような冷たい視線」
・貶める(おとし-める):他者を、自分より劣ったものとみなしてばかにすること。悪口を言うこと。「評判を貶める発言」
・卑しめる(いや-しめる):取るに足りないものとして見下げること。「自分自身を卑しめる行い」
【「見下す」の対義語?「見上げる」ではありません!】
対義語についてもしっかり確認しておきましょう!
・敬う(うやま-う):相手を尊んで礼を尽くすこと。謹んで対する、尊敬すること。「師と敬う」
・尊ぶ(とうと-ぶ/たっと-ぶ):価値あるものとして重んじること。尊重すること。「人命を尊ぶ」
・崇める(あが-める):尊いものとして扱うこと、大切にすること。「年長者を崇める」
【「見下す」を英語では?】
「見下す」を英語で表現するなら[despise]あるいは[look down on]となります。
・He looks down on me.(彼は私を見下している)
・He will despise you for your timidity.(君の臆病を彼は軽蔑するだろう)
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ビジネスシーンでも日常生活でも、「見下す」という言葉を使用したくなるような場面には遭遇したくないもの。大らかで自分に自信がある人ほど、人を評価し、ほめるのも上手なものです。攻撃的になるのは、自分に原因があることがほとんど。周囲を不快にさせる見下した態度や言葉遣いをしないためにも、日ごろからハッピーな気持ちで過ごしていきましょう!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA)/『使い方のわかる 類語例解辞典』(小学館)/『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) :