2024年に引き続き、今年も「マジシャン」をテーマのひとつに掲げている「カルティエ」。まさに「マジシャン」のように魔法をかけ、華麗なる変容を遂げたタイムピースたちが美の競演を繰り広げています。今回お届けするのは、メゾンの永遠のシンボル「パンテール」の妖艶な肢体をバングルで表現した“「パンテール」ジュエリーウォッチ”。その壮麗なクリエイションを、さあ! ご覧ください。
「パンテール」と「トワ エ モア」ブレスレットが織りなす官能美

すでにご紹介した「トレサージュ ドゥ カルティエ」と同様、彫刻的なフォルムが鮮麗なインパクトを放つ“「パンテール」ジュエリーウォッチ”。
これまでも時代の流れと共に華麗な変容を遂げてきた「パンテール」ですが、今作はメゾンの「スタイルの歴史」から、さまざまな特徴を融合させています。

まずは、主役を演じる立体的な「パンテール」。そして、「パンテール」と、相手役であるウォッチを繋ぐ「トワ エ モア」ブレスレットです。フランス語で、“あなたと私”を意味する「トワ エ モア」。一般的にはふたつの宝石が用いられたブレスレットの総称ですが、「カルティエ」は、「パンテール」と「ウォッチ」を向き合わせることで、「ウォッチでありジュエリーでもある」というクリエイションを比類なき次元に押し上げました。

実際に手首につけてみて感じたのは、迫力ある佇まいから放たれるイメージより、遥かにシックでエレガントであること。「オブジェ」として客観的に見たときと、「ジュエリーウォッチ」として身に纏ったとき、それぞれ異なる印象をもたらします。そう、まるでしなやかな肢体であらゆるポーズをつくる「パンテール」のように。
また、時刻を知りたいときには手首や首の角度を微調整する必要があり、その仕草が女性に計算外の色香を授けてくれるのです。
高い写実性を追求し、生気さえ感じる「パンテール」が誕生!
ウォッチに飛びかかりそうな前肢、しなやかな筋肉、ディテールにこだわった耳と鼻。そして足の裏に再現された肉球に至るまで、高い写実性を追求した彫刻作業によって、官能的に躍動する「パンテール」。力強さのなかにも確かにフェミニニティが宿り、手元で非凡な個性とエレガンスを発揮します。
■1:艶やな創造性が際立つイエローゴールドモデル
ポリッシュ仕上げのイエローゴールドにブラックラッカーの斑点とツァボライトの目があしらわれた「パンテール」。ブラックラッカーの文字盤とパヴェダイヤモンドをセットしたベゼルが、ノーブルなコントラストを描きだします。12時位置のダイヤモンドのインデックスが絶妙なアクセントに!

■2:眩いダイヤモンドに彩られたホワイトゴールドモデル
1,100個以上ものダイヤモンドをあしらったホワイトゴールドモデルは、ジュエリーの加工、研磨、そしてセッティングに230時間もの時間をかけて誕生した正真正銘のジュエリーピース。エメラルドの目、オニキスの斑点をもつこの「パンテール」に施されているのは、メゾンのシグネチャーでもあるサヴォアフェール「ペラージュセッティング」。オニキスの周りにメタルを引き伸ばし、極小の糸状にすることで、毛並を表現しています。
文字盤には隙間なくパヴェダイヤモンドをセット。ブレスレットのスノーセッティングは、ダイヤモンドがランダムに配置されたかのような、美しい素材の効果を生み出しています。

1914年、ウォッチの装飾として、ダイヤモンドとオニキスの斑点模様をあしらったクリエイションから始まった「パンテール」の物語。創造性を探求するなかで、時代と共にさまざまな姿を見せてきた不世出のミューズは、今回、また魅惑的なジュエリーウォッチとして美の転生を果たしました。
“WATCHES & WONDERS GENEVA 2025”では、また異なる個性を湛える「パンテール」が誕生しており、順次ご紹介していく予定です。お楽しみに!
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト