温泉旅行の目的地として真っ先に候補に挙がりやすい草津。2023年度には観光客数が過去最多の370万人を記録するなど、ますます活況を呈する草津について、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんはこう話します。
「草津の魅力を一言で表すならば、“進化し続ける温泉街”。自然湧出量日本一を誇り、古くからたくさんの人々の心と体を癒し続けてきましたが、2018年から再開発が進められ、より幅広い層が楽しめる魅力溢れるまちへと変わりつつあります。古き良き温泉街の風情は残しつつ、新しい観光スポットも次々と生まれており、新旧融合の多彩な表情をもつ草津。不動の人気も納得です」(植竹さん)
そんな注目度大の草津には、湯宿が約180軒もあるといわれます。そのなかからPrecious.jp読者におすすめの宿5軒を植竹さんにピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは2022年にオープンした「裏草津 蕩(とう)」です。
公式サイト
裏草津に泊まるならここ!スタイリッシュな空間で名湯を満喫する
草津のシンボル・湯畑から徒歩3分ほどにある共同浴場「地蔵の湯」。2018年よりその周辺の再開発が進められ、体験施設やカフェがオープンするなど、新たな散策スポット“裏草津”として注目を集めています。その裏草津の一等地ともいえるロケーションに建つのが、今回ご紹介する「裏草津 蕩」です。
「こちらは、伝統的な日本の建築様式を主体に、現代的デザインを取り入れたフォトジェニックな宿。エントランスやロビー、温泉、客室とどこを切り取ってもアートな造りが目を引きます」(植竹さん)
「宿の目の前のある地蔵源泉から引いている温泉の泉質は、酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。さまざまな成分がブレンドされた湯で、草津らしい温泉を楽しむことができます」(植竹さん)
「内湯・露天風呂を備えた大浴場に加えて貸切風呂が4つ。大浴場は内湯も壁一面が窓になっていて開放感があります。一方、貸切風呂は、1階と屋上にあり、私は1階の“碧(あお)”という貸切風呂を利用。石を敷き詰めた風情ある空間で、気兼ねなくプライベートな湯浴みを満喫できました」(植竹さん)
「大浴場では中庭の景色を眺めながら湯浴みして、貸切風呂では誰にも気兼ねすることなく湯とじっくり向き合う。それぞれ趣の異なる空間で草津・地蔵源泉の良質な湯を堪能できるのも、こちらの宿の醍醐味だと思います」(植竹さん)
「また、温泉だけでなく、ゆったり寛げるラウンジやテラス、バーなど館内の施設が充実しているのも魅力。慌ただしい日常から離れて、身も心も“蕩(とろ)ける”ような旅時間を過ごしたい人にぴったりではないでしょうか」(植竹さん)
唯一無二の草津会席を視覚と味覚で堪能し尽くす
夕食は、会席料理にフレンチなど多彩な調理法を取り入れ、草津の自然美をひと皿に表現した創作会席。
「“KUSATSU KAISEKI”と銘打つコース料理は、シェフの創意工夫が凝らされており、味覚だけでなく視覚でも楽しめる要素満載。食事処がオープンキッチンになっていて調理しているのが見えるライブ感も、気分を盛り上げてくれます。
群馬県産こんにゃくのピクルスや白菜のペペロンチーノなど、地物野菜のおいしさを引き出す斬新な創作メニューに感動しきりで、シメの舞茸ご飯に至るまで旅ならではの特別な食体験に胃袋も心も満たされました」(植竹さん)
「朝食は、四季折々の食材を詰め込んだ御膳。オープンキッチンで目の前で焼いてくれる玉子焼きも、ひとつひとつ丁寧に作られた小鉢料理もおいしかったのですが、個人的に特に好みに刺さったのは出汁茶漬け。この出汁が染みわたるような優しいお味で、目覚めからほっこりと口福気分に浸れました」(植竹さん)
以上、「裏草津 蕩」をご紹介しました。歴史ある温泉街の新名所・裏草津にて、とびきり優雅なステイを叶えたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 裏草津 蕩
- 住所/群馬県吾妻郡草津町大字草津300
客室数/全56室
料金/朝夕2食付 2名1泊 ¥52,962(税込)~ - TEL:0279-82-5805
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)