「豪物」ってなんと読む?「ごうぶつ」ではありませんよ!
明日・6月1日は『氷の日』です。日にちは江戸時代、加賀藩が将軍家に氷を献上し、「氷室の日」として祝ったのが陰暦6月1日であった…という史実に由来します。冷凍冷蔵技術が未発達だった時代、氷は大変貴重なものだったでしょう。…ということで、本日の1問目は「贅沢(ぜいたく)」の「贅」という字から出題します。
【問題1】「贅(む○)」…なんと読む?
「贅」の読み方として正しくなるよう、「む○」の○に、かな1文字を入れて完成させてください。
ヒント:「行っただけの効果がないこと。無益」という意味の言葉です。
<使用例>
「運動不足で、お腹に贅(む○)なお肉がついちゃったみたい」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 贅(むだ) です。
「贅(むだ)」…「贅沢(ぜいたく)」という熟語から考えると衝撃的な読み方ですが、「贅」の正式な訓読みのひとつです。「贅」という字は「余計なもの」「いぼ。こぶ」などを表す字で、「贅沢」とはもともと「余計なものがたくさんあること」という構成の言葉なのです。なるほど、質素倹約も美徳ではありますが、「余計なものがたくさん」な状態である「贅沢」も、豊かで幸せそうな響きがありますね。
さて、2問目は「贅沢」の類義語「豪華」の「豪」という字の入ったクイズです。
【問題2】「豪物」ってなんと読む?
「豪物」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「腕前や度量の優れた人物」という意味です。
<使用例>
「あの人はなかなかの豪物だから、相談してみるといいわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 豪物(えらぶつ) です。
「豪」は「勢いが盛んである」「並外れている」のほか、「力や才知の優れた人」という意味をもつ字で、「豪物」は「並外れで優れた人物」、「豪華」は「並外れて華々しく立派」という構成の言葉です。問題1の「贅沢」と「豪華」は、似ているようで、実はもともとの構成がまったく違う熟語です。謙遜したいときは「余計なものがたくさんある」という意味の「贅沢」、褒めたいときは「並外れて素敵」という意味の「豪華」と、スマートに使い分けたいところです。
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本日は、6月1日『氷の日』にちなんで、
・贅(むだ)
・豪物(えらぶつ)
の読み方、言葉の背景をなどをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱