【目次】 「芒種」とは?読み方と二十四節気での位置づけ 2026年の「芒種」はいつ? 「芒種」はどんな季節?田植え・麦刈り・梅雨入り前の頃 「芒種」の七十二候|蟷螂生・腐草為蛍・梅子黄 「芒種」の時期に食べたいもの|梅・らっきょう・旬の魚 ビジネス雑談に使える「芒種」の豆知識 【「芒種」とは?読み方と二十四節気での位置づけ】 ■「読み方」 「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。 ■「二十四節気」での「芒種」の意味 「芒種」は二十四節気のひとつです。「芒」は「すすき」と読んで植物の薄(すすき)を指すほか、「のぎ」と読んで稲や麦など、イネ科植物の穂先、棘のように尖った毛の部分を指します。「芒(のぎ)」をもつ穀物の「種」をまく時節、というところから、「芒種」と言われるようになりました。旧暦では4月末から5月上旬、新暦では6月8日ごろにあたります。 ■「二十四節気」についておさらい! 二十四節気(にじゅうしせっき)とは、古代中国でつくられた季節の区分法です。黄道(地球から見て太陽が移動する天球上の経路)を基準に、1年を24等分して気候の推移を示します。そのため、各節気の期間は約15日。ちなみに、「芒種」といった場合、「芒種」に入る日を指す場合と、「芒種」にあたる期間を指す場合があります。 【2026年の「芒種」はいつ?】 2026年の「芒種」は6月6日。期間は6月21日までの15日間です。太陽の軌道は一定ではないため、「春分」や「夏至」をはじめとした二十四節気の日付は固定されておらず、毎年国立天文台暦計算室によって定められます。そのため、1日程度前後するのは珍しいことではありません。 ちなみに二十四節気では、「芒種」の前は「万物が次第に長じて天地に満つる」という意味の「小満」、「芒種」の次は「日長きこと至る(きわまる)」、つまり一年でもっとも昼が長い「夏至」となります。 【「芒種」はどんな季節?田植え・麦刈り・梅雨入り前の頃】 気象的には梅雨入りのころにあたり、急に蒸し暑くなったりして体調を崩しやすい時期です。食品も傷みやすくなるので十分気をつけたいところ。 現在は稲の品種改良が進んだため「芒種」のころより早まっていますが、昔はこの時期に田植えをしました。というのも、日本では、水田に直接種をまくのではなく、苗代で育てた苗を田に植える方法が一般的でした。当時の苗代は寒冷に弱かったため、植えるのは初夏に向かう「芒種」の時期が適していたのです。また、「芒種」は夏の季語でもあります。 【「芒種」の七十二候|蟷螂生・腐草為蛍・梅子黄】 二十四節気の各1気をさらに3等分して約5日を1候とすると、1年は72候。それぞれに、その時季の自然現象や生き物の様子を表す名称が付けられおり、七十二候(しちじゅうにこう)と言います。 「芒種」の候は、「蟷螂生」「腐草為蛍」「梅子黄」どれも読みにくい漢字ですね。 ・蟷螂生(かまきりしょうず):カマキリが卵から孵化する時候。 ・腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる):昔の中国では、腐った草がホタルになると考えられていたことに由来する表現です。 ・梅子黄(うめのみきばむ):青梅がだんだんと黄ばみ始め、熟していく時候。 【「芒種」の時期に食べたいもの|梅・らっきょう・旬の魚】 ・野菜 「芒種」に旬を迎える野菜は、トマトです。高温・高湿に弱いトマトは、この時期に収穫されたものがおいしいと言われていますよ。茗荷も旬。丸みがあって先が開きすぎていないものが、身がしまっていて新鮮です。皮にツヤがあり、鮮やかな色のものを選びましょう。独特の辛みと爽やかな香りが食欲をそそり、刺身のつまや漬け物、冷やした麺類の薬味などに欠かせないですね。 ・果物 代表格はサクランボの「佐藤錦」。サクランボは品種によって旬が異なりますが、日本で最も生産量が多い佐藤錦は6月ごろが旬。まさに初夏の味わいです。青梅は梅酒や梅シロップに、熟した梅は梅干し漬けにと、梅仕事の季節でもあります。 ・魚 旬を迎える魚は、キスやシマアジ、するめいか。 このほかにも、野菜や果物では、いんげん豆や枝豆、おくら、きゅうり、ししとうがらし、大葉、つるむらさき、しょうが、らっきょう、あんず、びわなど。魚介では、あゆやいわし、かじきまぐろ、かます、かわはぎ、かんぱち、きす、すずき、とびうお、くるまえびなどが旬の食材です。 【ビジネス雑談に使える「芒種」の豆知識】 ■「芒種」は縁起もの? 「芒種」の時期に種をまいた植物は、これからどんどん成長していきます。そのため、「芒種」はものごとを始めるのに縁起がよいとき、とされています。日本では古来「稽古始め」は数え年で6歳の6月6日に行うという習わしがあり、この日に稽古を始めると上達しやすいと言われていました。その由来は室町時代に能を大成した世阿弥です。世阿弥はその著書『風姿花伝(ふうしかでん)』の冒頭で、「この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」、つまり「稽古を始めるのは数え年7歳(満年齢だと6歳)がよい」と書いています。さらにここから、「6歳の6月6日」となったのは、江戸時代の歌舞伎の言い回しや、指の形が由来しているという説が。手を開いた状態から指を折って数を数えてみてください。1から始めると6で「小指が立つ」でしょう? ここから、「子が立つ」つまり「子どもが独り立ちする」ことを表したのでは、といわれています。現代でも、6月6日は「楽器の日」や「いけばなの日」「シニアピアノの日」など、さまざまなお稽古事の記念日として登録されています。 ■田植えと祭り 「芒種」の時期になると、かつては全国各地で田植えを行う光景が見られました。今では品種改良によって田植えの時期こそ早まりましたが、田の神さまに豊作をお祈りする祭事・神事が行われます。特に有名なのは、大阪の住吉大社で行われる「御田植神事(おたうえしんじ)」でしょうか。ほかにも、伊勢神宮の別宮・伊雑宮(いざわのみや)での「磯辺の御神田(いそべのおみた)」、京都伏見稲荷大社での「御田舞(おんだまい)」、下鴨神社での「御田植祭(おたうえまつり)」など、各地で開催されます。 ■ホタル狩り 清少納言が『枕草子』のなかで「夏は夜。月のころはさらなり。闇もなほ、ほたるの多くとびちがひたる」と記したように、ホタルは平安時代の貴族たちにも愛された、夏の夜の風物詩です。ホタルの繁殖は「芒種」に最盛期を迎え、水辺などで舞う幻想的な光を鑑賞して楽しむ「ホタル狩り」が行われます。 ■紫陽花 「移り気」の花言葉をもつ紫陽花は、「芒種」のころに見頃を迎える、梅雨時を象徴する日本原産の花。古くは『万葉集』でも詠われ、江戸時代に来日したシーボルトがヨーロッパに紹介したという逸話も広く知られています。「あじさい寺」と呼ばれる鎌倉の長谷寺や北鎌倉の明月院の美しさは格別。傾斜地に咲き誇る長谷寺、「明月ブルー」といわれる明月院の青色の紫陽花群は、一度体験する価値あり、です! ■「芒種」を英語で言うと? 国立天文台の英語表記では「Boushu(Grain in Ear)」と紹介され、「穂の出る穀物の種をまく頃」を意味すると説明されています。 *** 種まきを意味する「芒種」は、新しいことを相応しい時期。雨は天からの恵みだと思えば、なんだかわくわくしてきませんか? 新年に「今年の目標」を掲げたけれど…という人も、この時期から目標に向かっても遅くはありませんよ
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Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社) /『ちいさな花言葉・花図鑑』(ユーキャン自由国民社)/ 国立天文台「こよみ用語解説(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/24sekki.html)/『和の暦手帖 二十四節気と七十二候を愉しむ』(大和書房) :