終戦80年を迎える2025年を控え、今回は「沖縄慰霊の日」について解説します。6月23日の「沖縄慰霊の日」に行われる慰霊祭と、終戦記念日の8月15日に行われる戦没者追悼式典は、テレビやネットニュース、新聞などでも目にする機会があるのではないでしょうか。「沖縄慰霊の日」がなぜ6月23日なのか、現地では何が行われるのかなど、令和の日本に暮らす大人として知っておきたい基礎知識をおさらいします。

【目次】

6月23日正午には黙とうを…。
6月23日正午には黙とうを…。

【「沖縄慰霊の日」の基礎知識】

■「沖縄慰霊の日」とは

太平洋戦争(1941-1945年)において、日本国内で唯一戦地となったのが沖縄です。一般市民をも巻き込んだ悲惨な地上戦が行われ、多くの貴い命をはじめ、かけがえのない文化遺産や自然を失いました。6月23日の「沖縄慰霊の日」は、この戦争で犠牲になった人々の霊を慰めるとともに、世界の恒久平和を願う沖縄の心を発信する日として制定されました。

■なぜ6月23日?

6月23日は沖縄戦の組織的戦闘が終結した日です。琉球政府によって1965(昭和40)年に制定され、毎年この日に追悼式が催されます。

■何が行われる?

「慰霊の日」には、沖縄県糸満市の平和祈念公園で沖縄全戦没者慰霊祭が行われます。全戦没者の氏名が刻まれた平和の礎(いしじ)へ、遺族や関係者が訪れ礼拝。また、戦没者や遺族に特別な思いを寄せる天皇ご一家も同日正午に黙とうを捧げるだけでなく、沖縄政策担当の内閣府制作統括官から進講を受けられるのだとか。

■「沖縄慰霊の日」は休日?

沖縄県は条例で「慰霊の日」を定めているため、県庁や各市町村役場、公立の小・中学校、高校などは「公休日」になります。


【沖縄には平和を祈るふたつの日が…「沖縄市民平和の日」】

太平洋戦争による現地犠牲者の霊を慰める「沖縄慰霊の日」とは別に、沖縄市による「沖縄市民平和の日」があります。これは、すべての人が等しく平和で豊かな生活をおくることができる“まちづくり”の促進を目的に、1993(平成5)年、全国で初めて市独自に「市民平和の日」を9月7日と条例で制定し、当日に記念行事を実施するもの。さらに8月1日から9月7日を“平和月間”と定め、さまざまな平和に関する企画を市民団体などと連携して行っています。


【沖縄にまつわるトリビア4選】

■沖縄県の基礎知識

人口:1,466,357人(令和2年国勢調査確報値に基づく推計人口)

面積: 150の島々からなる全面積は2,282 km²。沖縄本島は、本州、北海道、九州、四国、択捉島、国後島の次、国内7番目の大きさです。

気候:ほぼ全域が亜熱帯気候で一部は熱帯に属し、年間を通して温暖で、最低気温が氷点下以下になることはほとんどありません。

県花:初夏に真っ赤な花を咲かせるデイゴ。成長が早く、太い幹や横に貼る枝葉が大きな木陰をつくるので、公園の植樹や街路樹として用いられています。幹材は柔らかくて加工しやすいため、古くから漆器の材料として使われてきました。ちなみに…琉球大学の学生による入試合格電報の文面は「デイゴ咲く」なのだとか。

伝統産業:大島紬や宮古上布、芭蕉布、久米島紬に首里織、花織などの織物、琉球紅型などの染め物、やちむんと呼ばれるやきもの、琉球漆器、泡盛の製造などがあります。

■バスケットボール王国

2023年8月末から9月初旬にかけて沖縄で繰り広げられたのが、FIBAバスケットボールワールドカップ2023でした。日本代表チームはここで活躍してパリ五輪の出場権を獲得したわけですが、その盛り上がりは記憶に新しいことでしょう。そもそも沖縄は米軍の影響もあってバスケットボールが盛んです。沖縄県のバスケットボール協会によると、2022年度に登録している競技者数は1万4630人。人口比率では全国1位の数で「バスケ王国」とも呼ばれています。公園には必ずといっていいほどバスケットコート、あるいはバスケットゴールがあるのだとか。

■宮古島にオールスイートのラグジュアリーホテルが続々オープン

沖縄本島から約330km離れた宮古島は、コロナ禍前の観光流入を超え、週に1度の割合で多い時には3000人を超える乗客を乗せたクルーズ船が入港、地価は10年連続の上昇で全国トップ、さらに国際線の就航も始まり「宮古島バブル」といわれています。そして、その宮古島と全長3,540m、「無料で渡れる日本最長の橋」で繋がっている伊良部島では、ビーチ沿いにヴィラタイプの高級宿泊施設が続々と建設されています。現在、もっとも新しいのが2023年7月14日に開業した「アルカディアリゾート宮古島」。全て専有面積100平米超えの全室スイート仕様で、専用プールと屋外ジャグジー、オーシャンビューはもちろんのこと、さらに無料レンタカーも付いた、14室限定のラグジュアリーホテルです。

■2025年に本島北部に新テーマパークがオープン!

実は、沖縄本島の観光重心は、那覇市がある南部に偏っています。世界自然遺産のやんばるが位置する北部には美ら海水族館がありますが、観光資源に乏しいのが現実です。しかしこの本島北部に2025年開業するのが、世界初の“パワー・バカンス”と銘打った自然一体型のテーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの再建を手掛けたことで有名な森岡毅氏が計画し、沖縄県はこの開業を好機ととらえ、インフラ整備を含めて協力体制をとっているようです。

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今回は「沖縄慰霊の日」から最新情報まで、さくっとご紹介しました。魅力的で独特な文化や自然をもつ沖縄は、いまやインバウンドにも人気の観光エリアですね。また、貧困や海洋汚染など、抱えている問題にフィーチャーした作品なども増えています。「光」があれば「影」があります。私たちの幸せな暮らしが誰のおかげでつくられているのか、全方位からものごとを見る目と考える力をもって日々を過ごしていきたいですよね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) 那覇市観光資源データベース https://www.naha-contentsdb.jp/ 沖縄県ホームページ https://www.pref.okinawa.lg.jp/ アルカディアリゾート宮古島 https://miyako.arc-resort.jp/ :