連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変える
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介している連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、「愛知と発酵と観光」をテーマに、発酵食品に代表される愛知の食文化を観光客にアピールするガイド業を展開している吉田さき子さんにインタビュー!’22年頃からツアー企画事業と通訳ガイド育成事業を柱とした「Stay Aichi」をスタートさせ、共同代表も務める吉田さんにお話しをうかがいました。
【Nagoya】愛知の発酵食品の魅力を伝える観光ツアーでファンを増やす
吉田さんの人生は、つねに「学び」と共にあった。中学のとき、ホームステイ先でコミュニケーションに苦労したことから大学では英語を学び、アルバイト先で接客がうまくできなかったことでホスピタリティを追求するためにカナダの航空会社で働き、帰国後、酒屋で働くなかでお客さんの質問に答えられるようにと唎酒師(ききざけし)の資格をとり――。
「苦手を克服したいという思いがあって。何かを聞かれて答えられないことが悔しいんですよね。だから私の人生は克服の歴史です」
現在、吉田さんは「愛知と発酵と観光」をテーマに、発酵食品に代表される愛知の食文化を観光客にアピールするガイド業を展開している。30代後半に子宮頸がんの一歩手前という診断を受けたことで、自身の体に目を向けるようになり、出合ったのが発酵食品だった。金沢で学び、仕事へとつなげた。
「発酵食品は日本人のアイデンティティだと私は思っています。私たちは生まれ育った場所で生産されたものを食べて、味覚も体も形成されている。愛知で生まれ育った私は、愛知の味噌、醤油、酒、麹、酢でできている。でも今、その食文化はどんどん衰退してきていて。守り、伝えることができたらと」
これまで学んできたことのすべてが合流して、吉田さんはガイドの仕事を始めた。ツアー企画事業と通訳ガイド育成事業を柱とする「Stay Aichi」を立ち上げ、愛知の魅力を発信。今は食のツアーを新たに計画中だ。
「例えば『ひつまぶし』。三河一色(いっしき)(西尾市一色町)で、みりんやたまり醤油の蔵元や鰻の養殖場を巡って、最後にひつまぶしを食べる、みたいなツアーです。生産者と顔の見える交流をして、愛知のファンになっていただけたら、と。そしてそんなふうに、『自分の街にはこんな素敵な食があるんだよ』と、地元を、日本を誇れて、アイデンティティを外に向かって伝えることができる人を、ひとりでも増やしていきたいと思っています」
◇吉田さき子さんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
カーテンを開けて朝日を浴びる。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「ありがとう」「おいしかったよ」
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
博物館に行ってみたい。リサーチも兼ねて観光地にも。あとは、セントレア空港に行って飛行機の離着陸を眺めていたいです。飛行機は見るのも、乗るのも大好きなので。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
旅先で蔵元に寄るなど、自分の好きなことや楽しいことがやっと仕事と紐づけできたところ。なので、新しく始めたいことは今のところありません。
Q.10年後の自分は何をやっている?
田舎と都会の2拠点生活ができていたらいいですね。
Q.自分を動物にたとえると?
マグロですかね。動いていないと死んでしまう(笑)。
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- PHOTO :
- 松井なおみ
- EDIT&WRITING :
- 剣持亜弥、喜多容子・木村 晶(Precious)
- 取材 :
- 河野好美