連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変える

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介している連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、不登校の子供の学習支援を行うフリースクールを運営し、さらに学校での医療的ケア児受け入れをサポート。また、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)のために悩みを抱えている親子の相談にのるなど、幅広いサポートに携わっている杉本景子さんにインタビュー!

「学校、医療、行政を結び、未来を動かす」杉本さんの活動についてお話しをうかがいました。

 杉本景子さん 
公認心理師・看護師・保護司・NPO法人千葉こども家庭支援センター理事長・千葉市スクールメディカルアドバイザー
看護師として精神科閉鎖病棟で重篤な症状をもつ患者のケアに携わる。結婚、出産を経て、不登校などの問題に関わる活動を行う。『一生幸せなHSCの育て方「気が付き過ぎる」子どもの日常・学校生活の「悩み」と「伸ばし方」を理解する』『HSCがありのままで幸せになれる教室ー教師が知っておきたい「敏感な子」の悩みと個性ー』などの著書がある。

【Chiba】目の前にある困りごとを諦めない。学校、医療、行政を結び、未来を動かす

公認心理師・看護師・保護司・NPO法人千葉こども家庭支援センター理事長・千葉市スクールメディカルアドバイザー 杉本景子さん
杉本景子さん

「そうこうしているうちに」という言葉が何度も出てくる。杉本さんは今、不登校の子供に学習支援を行うフリースクールを運営し、学校での医療的ケア児受け入れをサポートし、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)のために悩みを抱えている親子の相談にのり、犯罪や非行に走った人を支える保護司としても活動する。教育、医療、行政の間を行き来し、つなげ、とりもって、「今困っている人」のために動き続けている。

「計画性がないというか、ビジネス的な発想がないというか(笑)。もともとは、急性期の精神科病棟で、看護師として働いていました。子育てのため仕事はいったん辞めたのですが、元看護師ということで、幼稚園や小学校でいろいろと相談を受けるんです。『そんなに困ってるんだ』『どうにかできないかな』の繰り返し。

私は看護師と心理師の資格はもっていますが、不登校や更生保護の専門家でもない。ただ、偉い先生が論文なんかで発表したことを、わかりやすく咀嚼して、現場に生かす、というようなことはできる。同じ子供の問題に関わっていても、社会システム的には違う島にいる人たち、例えば学校と役所と病院、みたいな各所に、私はつながりができているので、それぞれの間のズレとか、滞りに気付くこともできるんです。そうすると、どこをどうすれば物事が動きだすかわかる。それが私の役割なんだと思います」

根本にあるのは、看護師時代に目の当たりにした「自分とは無関係に思えるどんな問題も、今、現実に存在している」ということ。

「直接の接点はなくても、さまざまな問題を抱えている人たちと私たちは同じ時代に生きている。そう思うと、できないとか無理とか諦めるわけにはいかない。どうにかしたい。正義感とか使命感というよりも、自分が行動しないことで、困りごとが残っていくのが嫌なんです。少しでも多くの人が未来に希望をもてるように、できることをやっていきたい」

◇杉本景子さんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
前日の仕事の続き。毎日ほぼ、仕事をしながら寝落ちしているので、起きたらすぐやり残した前日分の仕事を片付け、そこからようやく新しい一日が始まります。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「助かった」「楽になった」 
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
ヘッドマッサージに行きたい。頭が凝りすぎてムニュムニュになっていると言われたので(笑)。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
いろんなジャンルの、いろんな生き方をしてきた人の話を聞いてみたいですね。
Q.10年後の自分は何をやっている?
言っていることもやっていることも変わっていないと思います。
Q.自分を動物にたとえると?
ときどき思いきったことをする忠犬。

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PHOTO :
望月みちか
EDIT&WRITING :
喜多容子・木村 晶(Precious)
取材 :
剣持亜弥