新しい働き方を象徴するトップキャリアのしなやかな「リーダー論」

金融からゲノム研究まで、さまざまな業界で活躍する “ニューリーダー” にアプローチ。組織のトップとして何を意識し、どう実行しているのか、その思考と行動に迫ります。

【New Leaders】『リーダーの仕事は“決断”と“実行”。そのために大切なのはコミュニケーションと観察です』マネックスグループ代表執行役社長CEO 清明祐子さん

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マネックスグループ代表執行役社長CEO 清明祐子さん
清明祐子さん
マネックスグループ代表執行役社長CEO
三和銀行(現三菱UFJ銀行)、MKSパートナーズを経て’09年マネックス・ハンブレクトへ。’11年同社社長に。’19年マネックス証券社長に就任(現任)。’23年6月よりマネックスグループ代表執行役社長CEO。

「33歳のときに子会社の社長に抜擢され、初めて『リーダーとは』ということに向き合いました。どうすればチームがうまくいくのか考え続けたところで、正解やアイディアは降りてこない。結局は、『こうする』と決めて、それを『やる』。決めて、やる。リーダーの仕事はその繰り返しだと気付いたんです。そしてそのためには、とにかくコミュニケーションだと」 

赤字続きだった会社を初年度で黒字にし、2年目で累積赤字を解消。本社のマネックスグループに異動し、役員を経て’19年には主要子会社のマネックス証券の社長に。現在はグループCEOとなり、1500人のリーダーとして存在感を発揮する。

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「スキルを上げたい、キャリアアップしたいという “個” は、最初に社長になったときになくなりました。それよりも、全員で同じ方向を向いて、全体でよくなっていくことを目ざす。率いるチームはどんどん大きくなりましたがやっていることは同じです」 

社員の男女比は6:4、役員および管理職に占める女性の割合もそれぞれ2割近いが、おもしろいのは、会社のなかに “女性活躍推進” のための特別な組織がないこと。

「男性/女性、ベテラン/若手といった二項対立で考えません。『下駄を履かせる』なんていいますが、下駄ってむしろ、『この人なら』という期待やサポートだと思うんですね。もし私が下駄を履かせてもらったと感じても、「女性だからかな」と気にせずに、ありがとうございます、くらいの気持ちで受け取って頑張ればいい。性別は関係ないと思っています。そして私も、社員ひとりひとりをしっかり見て、正しく伸ばしたい」 

スケジュールには時折「雑談」の予定が。社員と1対1で、ざっくばらんに話す。「業務はみんなが回してくれる。そのためにひとりひとりのパフォーマンスを上げていくのが、私の仕事だと思っています」

◇スタッフからひと言!

「入社して間もない頃、仕事に悩んでいたときに、『お茶しない?』と誘っていただいたことがあり、社員のことを本当に大切にされているのだなととても感激しました」(ESGサスティナビリティ担当・徳永佳愛さん)

「ご自宅用なのに清明さんが配送先住所を間違えて、オフィスにトイレットペーパーが届いたことがあり、ぐっと身近に感じました(笑)」(マネックス証券広報・津川真秀さん)

◇ニューリーダーへの共通質問

Q1 小さい頃の夢は? 
ドラマ『スチュワーデス物語』に感化されてCAになりたかった。高校生のときもドラマに影響されて弁護士になりたいと思っていました。
Q2 いつも自分に言い聞かせている言葉は?
言葉ではありませんが、つねに笑顔で、を心がけています。
Q3 疲れたときの「甘やかしグッズ」は? 
ワインを飲みながら撮りためたドラマを観る。
Q4 最近「始めたこと」もしくは「やめたこと」は? 
登山が趣味で「日本百名山」制覇を目指す(下の写真は山頂で撮影!)など運動はしているほうなのですが、最近腰痛を感じ、「動きすぎ」も腰によくないと知って、鍼に通い始めました。
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Q5 自分にニックネームをつけるとしたら? 
友人からは「ゼンマイ人形」と言われたことがあります。ずっと動いていて、ゼンマイが切れたら突然寝る(笑)。

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PHOTO :
望月みちか(人物)
EDIT&WRITING :
本庄真穂、剣持亜弥、喜多容子(Precious)