新しい働き方を象徴するトップキャリアのしなやかな「リーダー論」
金融からゲノム研究まで、さまざまな業界で活躍する “ニューリーダー” にアプローチ。組織のトップとして何を意識し、どう実行しているのか、その思考と行動に迫ります。
【New Leaders】『ゴールの景色を共有したら、あとはこちらが頼ることも。やりがいの循環がチームを育むから』「Paceギャラリー」副社長 服部今日子さん
世界的なメガギャラリーの日本初進出として注目を浴びている、麻布台ヒルズにある「Paceギャラリー」。5月のプレオープン、9月のグランドオープンを経て、今や国内外のアートラバーが集う場に。服部さんはそのトップを担っている。
「私がチームをまとめるために意識しているのは “情報の共有”。例えば全員で山を登るとして、まずはゴールとなる山頂の景色をシェアします。そして何泊するのか、荷物は何が必要か、任せたい役割は何かを明確に伝える。あとはもう、仕事の喜びを知り尽くしたプロフェッショナルばかりなので、こちらが頼っている感覚。私も『日本のPACEを成功に導き、国内のアートシーンを盛り上げる』という役割を担ったチームメンバーのひとりなんです」
とはいえリーダーとして、グローバルのトップ、アーティストやコレクターとの細かな調整があり、常に走り続ける日々。
「トラブルは…日常茶飯事です(笑)。ただなるようになるし、ならないこともある。全社が懸命にある案件を取りに行けば、ときに叶わないこともありますよね。投資ファンドなどの経験でそのことを理解し、気を揉むことが減ったのかもしれません」
もちろんその考えにいたったのは、すべてのキャリアで「全力を尽くすこと」を重ねてきたから。そのためにはやはりチームワーク、そしてこれからの時代、リーダーにはある視点が必要だと感じているそう。
「自分の周りだけでなく、もっと広い視野がもてるといいなと。ガザのこと、ウクライナのこと、日本各地の災害のこと。思いを馳せるだけでもビジネスパーソンとしてどう動くべきか、どんな提案ができるのかが見えてきます。アートというボーダーレスな環境だからこそ、個人としてリーダーとして、世界をつぶさに見つめる人でありたい。今、そんなことを考えています」
◇スタッフからひと言!
「自分より問題解決に長けている適任がいれば、ためらいなくその人を頼る姿を見て、目から鱗。『完璧が当たり前のリーダー』ではなく、『ベストな状態でゴールを達成するため、チームを頼れるリーダー』なんです。『譲る』という、自由で潔く、なによりハッピーな信頼感を生むそのマネジメントを、心から尊敬しています!」(マネジャー・西山ルナさん)
◇ニューリーダーへの共通質問
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- PHOTO :
- 望月みちか(人物)
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、剣持亜弥、喜多容子(Precious)