「体たらく」ってなんと読む?「からだたらく」ではありませんよ!
明日は令和6年の『スポーツの日』ですね。かつての日付固定の祝日『体育の日(10月10日)』が、法改正によって「10月の第2月曜日」に変更されるとともに名称も変わった「国民の祝日」です。『体育の日』は1964(昭和39)年に東京五輪の開会式があったことにちなんだもので、『スポーツの日』は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」という主旨が掲げられております。本日は「体」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「体良く」ってなんと読む?
「体良く」という日本語の、以下の<使用例>に沿った正しい読み方をお答えください。
<使用例>
「適当な理由をつけて、体良くあしらわれた感じね」
ヒント:「うわべをうまくとりつくろうさま」という意味の言い回しです。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 体良く(ていよ-く) です。
「体」の音読みには「タイ」と「テイ」がございます。「体裁(ていさい)」「世間体(せけんてい)」という言葉があるように、「テイ」と読むケースでは「体」という字が「うわべ」を意味することが多いようです。肉体は精神の入れもの、という考え方かもしれませんね。「タイ」と読む熟語のほうが圧倒的に語数が多いので、「テイ」は意識していないと誤読する可能性が高そうです。ということで、おさらいしておきました。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「体たらく」ってなんと読む?
「体たらく」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ありさま。様子。ざま」という意味です。
<使用例>
「大事な会議に遅刻するとは、なんという体たらくですか!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 体たらく(てい-たらく) です。
「体たらく」とは、「体」に、助動詞の「たり」の活用形と、名詞化の接尾辞「く」が合体した言葉で、「ありさまである」を意味する構成の言葉です。この言葉そのものは、もともと「ありさま」を意味していますが、昨今では「よくない、堕落したようす」を意味する「ざま」という意味で使われる形が定着しています。「為体(ていたらく)」とも書き、どちらの表記でも出会う言葉ですので、大人の知識としておさえておきましょう。
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本日は、10月の第2月曜日『スポーツの日』にちなんで、「体」という字の入った日本語から、
・体良く(てい-よく)
・体たらく(てい-たらく)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/内閣府ホームページ/NHKホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱