「紅型」ってなんと読む?「べにがた」ではありません!
明日、11月1日は『紅茶の日』です。日付は1791(寛政3)年のこの日、日本人が初めて外国の正式の茶会で紅茶を飲んだ、とされることにちなんでいます。当時、伊勢の国(現在の三重県)の船主・大黒屋光太夫は、海難に遭ってロシアに漂着。10年もの間、ロシアに滞在することになりました。その際に、当時の女帝エカテリーナ2世の茶会に招かれ、海外の正式の茶会で紅茶を喫した最初の日本人となったのです。人生、何がきっかけになるかわからないものですね。ということで本日は「紅」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「紅型」ってなんと読む?
「紅型」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:沖縄の伝統的な型染の技法で、布地に型紙を用いて糊を置き、顔料や染料で彩色し、画像のような美しい文様を染付けます。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 紅型(びんがた) です。
「紅型」の工芸品、画像を見れば「ああ、これね!」と、ピンと来る人が多いでしょう。特殊な読み方ではありますが、とても有名な工芸で、デジタルツールでも「びんがた→紅型」と漢字変換できる例が多いです。大人の教養として覚えておきたい読み方です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「紅絹」ってなんと読む?
「紅絹」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「緋紅色に染めた平絹」のことで、昔は、女性の着物の裏地によく用いられました。
<使用例>
「このアンティーク着物、裏地の紅絹が、また時代らしい、よい風情ね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 紅絹(もみ) です。
「紅」を「もみ」と読むというのは、意外と感じるかもしれませんね。でも、「紅葉(もみじ)」という読み方があるように、その昔は「紅(もみ)」という読み方もポピュラーでした。「紅絹(もみ)」は、江戸時代には紅花染を「紅染(もみぞめ)」、その職人を「紅師(もみし)」と呼んだことから、染められた絹そのものを「紅絹(もみ)」という呼び方が定着したものといわれています。こちらも「もみ→紅絹」と、デジタル漢字変換可能な例が多いようです。「紅絹(もみ)」は着物の裏地や、襦袢、また、慶事用の袱紗(ふくさ)にもよく使われていたという歴史がございます。
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本日は、11月1日『紅茶の日』の情報をご紹介しながら、「紅」という字の入った日本語から、
・紅型(びんがた)
・紅絹(もみ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/日本紅茶協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/photo AC
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱