連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、壁画家・絵本作家・イラストレーターとして活動する河野ルルさんにインタビュー!
『人に喜んでもらうために絵を描く』と決め、世界中のあらゆる町で描き続けている河野さんの、次なる夢とは?詳しくお話しをうかがいました。
【Nagoya】世界のあらゆる町の壁に絵を描く 子供たちの笑顔を願う旅する壁画家

名古屋市内を流れる中川運河。河野さんが地元の子供たちと一緒に完成させた壁画は、カラフルで、未来への希望が溢れていた。会社を辞め、貯めていた150万円を持って世界を放浪する旅に出たのが’15年のこと。メキシコにいたときにお金がなくなり、宿泊代金代わりに壁に絵を描き始めたのが、壁画家としてのスタートだった。27歳のときだ。
「帰国後、『楽しいから描く』ということを続けていたとき、大学時代の後輩が末期がんで入院していると聞きました。それで、お見舞いに行った際に、病室の白い壁に飾ってもらおうと、かなり大きめの絵を描いて持っていったんです。そうしたら、その子だけでなく看護師さんたちもすごく喜んでくれて。半身不随の状態だったのに、リハビリを頑張って、最終的にスノーボードができるまでに回復したんですよ。それを見たとき、『人に喜んでもらうために描く』と決めたんです」
依頼されて描く仕事のほかにも、「自分のお金で行きたいときに勝手に」海外へ飛んでは、学校・病院・孤児院・障害児施設などで壁画を制作。絵の具と少しの道具を持ち、小さな町や村へも足を運び、地元の子供たちと一緒に制作する独自のスタイルを続ける。
「どこに、どんな絵を描くか、は、現地に行ってから決めます。先日もネパールに行って、山の上の町で神様や象の絵を描きました。どこの国に行っても子供は絵を見て喜んでくれる。言葉が通じなくても、身振り手振りで一生懸命伝えようとしてくれている姿が、私のエネルギーになっています」
多くの人に手軽に絵を見てもらいたいと、絵本も制作。行く先々で子供たちにプレゼントしている。貧困国では特に喜ばれるという。
「大人が貧しければ、子供に絵本を与えることもできません。外から来た私の行動が、何かの刺激になればという気持ちもあります」
今は「小児病棟の壁をすべて絵で埋め尽くす」のが夢。ハッピーな世界が広がっていく。
◇河野ルルさんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
猫のゴロを撫でる。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「ルルちゃん、変わってるね」
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
1日ならひたすら読書。数日あるなら、沖縄の海でスキューバダイビング。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
楽器が弾けたらいいなといつも思っている。旅に持っていけるハーモニカとか?
Q.10年後の自分は何をやっている?
旅を続けていたいけれど、どこかほかの国に住んでみるのもいいかも。
Q.自分を動物にたとえると?
旅ばかりしているから、鳥かな、と。具体的になんだろうと思って、いろいろ調べたところ(笑)。コルリっていう小さな青い鳥を見つけました。冬に東南アジアに行く渡り鳥、しかも単独行動。私と一緒です。
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- PHOTO :
- 望月みちか
- 取材 :
- 河野好美