1粒1粒が宝石のような美しさをもつ、世界の著名なショコラティエ(チョコレート職人)が手がけるチョコレート。大人の女性なら、幾度ともなく味わい、その深みのある香りに何度、翻弄されてきたことでしょう。
しかしながら、フランスの”巨匠シェフ”アラン・デュカスは「本物のチョコレート職人は、パリでも5人いるかいないか、だね」と言います。
2018年3月26日、フランス以外では初めてとなる「ル・ショコラ・アラン・デュカス」のショコラ工房を東京・日本橋にオープンし、そのお披露目のために来日したアラン・デュカス氏と、同店でシェフ・ショコラティエを務めるジュリアン・キンツラー氏にお話をうかがう機会に恵まれました。
アラン・デュカス氏といえば、1990年に当時、最年少でミシュラン3つ星を獲得、世界にその名を冠するレストランを展開する、まさに「巨匠」の呼び名がふさわしい、フランス料理界をけん引するシェフ。
しかし、その経歴のなかには、実は掛け持ちで働いていたパリのルノートルでショコラティエのミッシェル・ショーダンの仕事に触れたり、ある時期には別のレストラン勤務の休日を割いてまで、リヨンのショコラティエ、モーリス・ベルナションの店で働いたこともあったほどの「チョコレート好き」なのだそう。
■日本橋を「本物のチョコレート職人」の技と味を届ける場所に
そんな氏が、「ものすごく官能的で魅惑的な素材」と評するショコラへの夢を実現する場所として、2013年2月にパリ・バスティーユ地区にオープンしたのが「ル・ショコラ・アラン・デュカス」だったのです。その待望のショップを日本に開くことになったのには、どのような経緯があったのでしょう?
これについて、シェフ・ショコラティエのジュリアン氏も「私もそう思います。外から工房の様子を皆さんが覗いてくださっているのが、私たち厨房側からも見えています。子供たちも何か珍しそうに見ていて、やはり日本の方々というのは、非常に好奇心を持っている国民性だと感じています。こういった形態であることは日本進出に非常にふさわしい。ここからさらに興味を深めていければいいですね」と語っていました。
今後について、アラン・デュカス氏は「日本のチョコレートの質の底を上げることに寄与できればいい、と思っています」とコメント。
■1階:ボンボンショコラや焼き菓子がずらりと並ぶショップ
店舗のデザイン、スタッフの制服などは、すべてパリの本店と同じものを採用。スタッフの制服はカカオ豆を入れる麻袋がモチーフになっています。
日本店舗のオープン時には、まずはスムーズな商品提供のために、ボンボンショコラはセットのみでの販売。ペルー、ジャワ、マダガスカルの単一品種のカカオ豆を使ったボンボン・ショコラがセットになった「ガナッシュ・オリジン詰め合わせ」(3個入り、¥1,500)や、トンカ豆・ライム・キャラメル・フランボワーズのフレーバータイプのボンボンショコラがセットになった「ガナッシュ・グルマンド」(4個入り、¥1,850)は、真っ先にチェックしたいメニューです。
焼き菓子は、ケーク・トゥ・ショコ、フィナンシェ、クッキー、パン・ド・ジェーヌ、サブレをセットで販売。それぞれの特徴に合わせた、単一カカオ豆のクーベルチュール・チョコレートを用いてつくられています。
■2階:「ル・サロン」ではムースやスフレなどをいただきながら、工房の全貌が見られます
店舗の2階「ル・サロン」では、日本限定の特別なデザートが提供されることで話題に。「ル・ショコラ・アラン・デュカス」オリジナルブレンドを始めとするクーベルチュール・チョコレートを使い、「ムース・オ・ショコラ」や「スフレ・オ・ショコラ」、「ミルフィーユ・トゥ・ショコラ」などのメニューが提供されます。
こちらでは着席して、おすすめのシャンパーニュとともに、1階でも販売しているボンボン・ショコラをいただくこともできます。
何より特別なのが、この2階からは工房のほぼすべてを見渡せること! その高揚感は、ロアルド・ダールの児童文学をもとにした映画『チャーリーとチョコレート工場』を観たときのよう。現実世界での夢のチョコレート工場体験が、ここにありました。
残念ながら、こちらのサロンでも当面は座席の予約は行わないそうです。ちょっと時間の余裕をもって、大人の工場見学気分で訪れてみませんか?
※掲載した商品はすべて税抜です。
問い合わせ先
- ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房
- 住所:東京都中央区日本橋本町1-1-1
営業時間:11時~20時 - TEL:03-3516-3511
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 北本祐子