続々と新しいホテルがオープンしている注目のエリア、長崎市に2024年12月、「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」がオープンしました。箱根、軽井沢、犬山、渋谷に続く日本で 5 軒目の「ホテルインディゴ」ブランドのホテルです。
ホテルがあるのは、世界遺産の構成資産である重要⽂化財「旧グラバー住宅」や国宝「⼤浦天主堂」などが集結する南⼭⼿エリア。長崎港を望む高台で、幕末から明治期にかけて、外国人居留地として諸外国の領事館や住宅があった場所でもあります。
JR⻑崎駅からタクシーで約 8 分、急坂を上がるとホテルが現れます。

ホテルの前身は、このエリアの中心として、地域から長年愛され続けてきた旧マリア園。さまざまな文化と歴史を持つ園と建物の魅力を最大限に残し、ホテルとして生まれ変わりました。マリア園時代からの趣を残したホテルの扉を開くとロビー、その先にはかつての貿易商たちの社交場をイメージしたロビーラウンジがあります。
ホテルが立地するエリアの「ネイバーフッド」を尊重するインディゴ ブランドには、街の個性を映し出すライフスタイル・ブティックホテルという特性があります。
こちらは日本の「和」、中国の「華」、オランダの「蘭」というそれぞれの個性が混ざり合った「和・華・蘭(わからん)文化」という長崎のDNAを踏襲したユニークなしつらえが特徴です。

長崎のDNAを踏襲した個性的なゲストルーム
ホテルは現存する本館と新たに建築された北館の2 棟で構成されています。客室はしつらえの異なる10タイプ(26~67平米)、全66 室。居⼼地のよさと、かつての商⼈たちが長崎に持ち込んだ舶来品に着想したという異国情緒が融合した空間です。
今回、滞在したのは、「プレミアムキング本館」の客室。窓から外を眺めていると、まるで洋館に滞在しているような気分に。


ヘッドボードは屏風グラフィック。本館は、この地ならではの山あいの風景が描かれています。
チェックインの際、ネイバーフッドホスト(ホテルスタッフ)から、「尾曲がり猫」の逸話を伺いました。長崎県に生息する猫の79%は尾の先が曲がり、それは、遠い昔に外国船に乗ってきた猫の子孫だと言われています。地元の人たちにも愛され、出会うと幸運がやってくる、とも。
滞在中に周辺をさるく(長崎弁で街をぶらぶらする)中で、会えるといいなと思いました。


本館と北館は雰囲気が異なります。それぞれの客室に1泊ずつ、連泊して楽しむのもいいですね。


煌めくステンドグラスの光を感じながらのディナー&モーニング
リブ・ヴォールト様式の天井と窓に配された大きなステンドグスが印象的な、かつての聖堂は、レストラン「Restaurant Cathedréclat」(カテドクレラ)に生まれ変わりました。夜には美しいステンドグラスに囲まれながらのディナーという、唯一無二の体験が待っています。


食前酒には、シグネチャーカクテル「YUKOH | 游香」をオーダー。長崎の離島・五島の椿の実をキーボタニカルにしたクラフトジン「GOTOGIN」に、幻の柑橘「ゆうこう」の香りを纏わせたカクテル。爽やかな柑橘の香りと軽い酸味は食前だけでなく食中酒にもピッタリです。

ディナーは、シグネチャーコース「Blanche」。3種のアミューズ「エイヒレとからすみのクリームチーズディップ」「鯵と”じゃがたらいも”の ロールフリット」「水いかの炙り 長崎みそ漬け黄身ソース」からスタートします。



魚料理「魚介のコトリヤード ~白いブイヤベース~」がシェフの一押しメニュー。フランス・ブルターニュ地方の郷土料理「コトリヤード」に海醤をプラスし、中華(蘭)のアレンジを利かせたもの。この日はアシアカエビ、マダイ、サゴシ、アナゴなど魚種が豊富なことでも知られる長崎県産の魚介がふんだんに使われていました。
幻の柑橘と呼ばれる「スイートスプリング」を使ったデザートまで、ネイバーフッド食材たっぷりのディナーを満喫しました。
朝食も同じレストランにて。ステンドグラスから透ける日差しを受けて、夜とはまた違った雰囲気です。和食を選んだら、長崎名物「ハトシ」をアレンジした「ハトシロール」も味わえました。

朝食後は、ネイバーフッドホストお勧めのホテル周辺を「さるく」。歩いている途中で猫に会えましたが、しっぽが曲がっていたかどうかは…?? いい運動にもなりました。

坂を上ってホテルに戻ったら、本館のテラスでのんびり過ごすのも気持ちがいい。初夏を迎えるころには、アフタヌーンティーやアペリティフなどの予定も計画されているそうです。

まずはホテルに籠って過ごし、長崎のかつての記憶を表現した、デザインやアートワークに浸る。そして翌日はホテルを拠点に周辺へ。ネイバーフッドホストに相談して、市内観光や夜の繁華街へと繰り出すのも楽しいですよ!
問い合わせ先
関連記事
- 次なる旅は南国のラグジュアリーエコリゾート「シックスセンシズ ヤオノイ(Six Senses Yao Noi)」で癒やされ旅!
- 「飛鳥II」のショートクルーズは、お籠りステイ派も欲張り旅好きも大満足!
- 山中温泉『花紫』のアートと自然が一体化した、新スイートルームで至福のステイ!
- TEXT :
- はまだふくこさん ライフスタイルジャーナリスト
- WRITING :
- はまだふくこ