限られた箱の中に、美しく詰め込まれた至高の料理たち。ひとつひとつ丁寧に下ごしらえされた旬の素材が、繊細に華やかに、彩りよく盛り付けられた日本の「お弁当」はまさにアート!

雑誌『Precious』3月号では、【百花繚乱!ラグジュアリーなお弁当】と題して、あの名店の味から、京都の老舗の粋、ラグジュアリーホテルの名品、今どきの海苔弁まで、麗しき「お弁当」に注目。

今回はその中から、「京都の美麗弁当」 を4つをご紹介します。

蓋を開けたら思わず歓声があがる、超絶技巧×厳選素材の宝箱、ラグジュアリーな「お弁当」。さて、どれを持ち帰りましょうか。

■1:「ototojet(オトトジェット)」|手毬寿司

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この日はマグロ、赤貝、島海老、かれいにかます、カニや真鯵、ウニなど10種。穴子の下は紫蘇とひじき入り、真鯛の下は小松菜入りなどネタによって酢飯にも工夫が。『手毬寿司』20個入り¥6,000[箱外寸/縦16.5×横16.5×高さ5cm]

魚ってこんなに美しかったのか!花を生けるように魚を生ける手毬寿司

京都市の北側、今宮神社や大徳寺が位置する北大路エリア。閑静な住宅街の路地奥にひっそり佇む「ototojet」。天然魚にこだわり、まるで花を生けるように「魚を生ける」がコンセプトだけあって、美しいひと皿が楽しめる海鮮料理店です。

海外VIPのファンも多く、とりわけ人気なのは、アートのような手毬寿司やちらし寿司、お弁当や季節の鍋セットといった持ち帰りメニュー。

日によって出合える魚が違うため、その日しか味わえない手毬寿司を心待ちにする人が多いのも納得! 店主の深い「魚愛」を、厳選素材と熟練の技で、存分に味わえます。

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お弁当の箱

〈DATA〉

  • ototojet
  • ※予約はインスタグラムのDMから。基本は店頭受け渡しのみ。
  • ※完全予約制
  • 営業時間12:00~18:30
  • 定休日/水曜
  • 住所京都府京都市北区紫野石龍町39-1
  •  

■2:「のぐち 継(つなぐ)」|ビフカツサンド

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コロナ禍にテイクアウト用にと考案された『ビフカツサンド』。ジューシーなヒレ肉のうま味を、春菊と八丁味噌が絶妙なバランスで受け止める。パンは「進々堂」。『ビフカツサンド』¥5,000[箱外寸/縦15.5×横11.8×高さ4.2cm]

冷めても美味!花街らしいひと口サイズの麗しき和風カツサンド

京都らしい風情漂う石畳敷きの小路、祇園の切り通しに暖簾を掲げる「のぐち 継」。予約困難な割烹「京天神 野口」の姉妹店です。

おまかせコースに好きな単品をチョイスするスタイルで、食通にも人気の名店。看板料理のだしのきいた「肉吸い」をはじめ、黒毛和牛のサーロインや伊勢海老などが次々に登場します。

なかでも人気の『ビフカツサンド』は、黒毛和牛のヒレに薄く衣をつけ、高温でさっと揚げたら余熱でゆっくりと火入れ。ジューシーで柔らかな牛肉の味わいと、八丁味噌と春菊がアクセント。ひと口サイズがいかにも花街らしい逸品です。

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お弁当の箱

〈DATA〉

  • のぐち 継
  • ※前日までに要予約、受け取り時間は予約時に相談。
  • 営業時間/12:00〜15:00、17:30〜24:00
  • 定休日/不定休
  • TEL:075-561-3003
  • 住所/京都府京都市東山区清本町371-4

■3:「白 HAKU」|吹寄せ小筥

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小箱とはいえ、ぎっしり詰まっていて食べ応え十分。きのこの滋味深い味わいと、優しいしょうゆ味の炊き込みごはんが食欲をそそる。柚子の風味がアクセント。『吹寄せ小筥』¥1,800[箱外寸/縦9×横12.5×高さ5cm]

小さな箱に詰められた季節の彩り。京都の料亭が手掛ける美しいお弁当は、季節ごとに姿を変え、楽しませてくれます。

秋に登場する『吹寄せ小筥(こばこ)』は、あわび茸や花びら茸、舞茸にきくらげ、大徳寺麩、栗や銀杏、むかごなどがのった華やかな炊き込みごはん。しょうゆ味のごはんにくるみが敷いてあり、食感も楽しい逸品です。春は山菜、夏は鮎や鱧、年初はふぐやからすみ入りのお弁当「立春吉風」と、どの季節も味わいたいものばかり。

予約後、店舗に受け取りに行くと、カウンターでお茶を一服いただけるのもうれしい時間。京都の美意識をぜひ持ち帰って。

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お弁当の箱

〈DATA〉

  • 白 HAKU
  • ※予約は電話かオンラインで。
  • 営業時間/11:00〜18:00
  • 定休日/月曜、第2火曜
  • TEL:075-532-0910
  • 住所/京都府京都市東山区祇園町南側570-210

■4:〈木屋町 蘭〉|お漬け物寿司と小巻

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『お漬け物寿司』2人前¥4,320[箱外寸/縦17×横13×高さ4cm]
上は、マグロや玉子焼き、穴子、いくら、きゅうり、いか、実山椒、梅、たくあんなど10種のネタを巻いた『小巻』1人前¥5,400[箱外寸/縦17×横13×高さ4cm]いずれも注文は2人前〜。

花街の粋客が贔屓にする寿司割烹。彩り華やか、愛らしい漬物寿司は、コースのラストにぶぶ漬けをリクエストしたお客様に「ぶぶ漬けに代わるシメのメニューを」と、先代が考案したのがその始まり。

自家製の漬物は素材によって漬け方や漬け時間を変えるほか、浅漬けの茄子ときゅうりにはおろし生姜、赤かぶにはごま、大根にはわさび、たくあんには木の芽と、それぞれ効かせる薬味を違えて持ち味を引き出すなど細やかな心配りを味わえます。

シャリが小さめで、ひと口サイズなのもうれしい点。最後まで飽きることなくさっぱりと楽しめます。

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お弁当の箱

〈DATA〉

  • 木屋町 蘭
  • ※前日までに要予約。受け取り時間は予約時に相談。
  • 営業時間/16:00〜23:00
  • 定休日/日曜
  • TEL:075-221-0647
  • 住所/京都府京都市中京区木屋町通四条上ル鍋屋町212-6

※商品の価格は、すべて税込みです。情報は2025年1月17日現在のものです。内容は季節によって変わる場合があります。公式サイトなどでご確認ください。

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PHOTO :
内藤貞保、伊藤 信(ototojet)
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)