長時間の座り姿勢で下半身の血流50%減!? 血管の圧迫を緩めるストレッチを

私たちの下半身に血液を送り届ける、大動脈の一部である鼠径(そけい)動脈。これは足の付け根=鼠径部から太ももの内側を通って膝上まで続く「大腿(だいたい)動脈」の一部で、全身の血流にも大きく関わる、重要な血管です。

2人の女性 ストレッチの指導をしている
 

ところがこの鼠径動脈、長時間の座りっぱなし姿勢にとても弱く、とくにPC作業などで前傾になったままの状態を続けていると、股関節が圧迫され、血管の通り道が狭くなります。その結果、下半身への血流が最大50%も低下してしまうという説も…!

そして、1時間以上座り続けると、血管が血液を流すために必要な「弾力性」まで失われてしまい、さらに筋肉の機能が低下してリンパや老廃物の排出が滞ることに…。結果として、足のむくみ・冷え・だるさに繋がってしまうのです。

巡りの悪さで足がパンパンに太くなってしまう…この悪循環を断ち切る鍵が、鼠径動脈まわりを柔軟に保つストレッチ。エイジングデザイナー村木宏衣さんが提案するこの方法は、太ももの前側と股関節まわりをやさしく伸ばすことで、血流を促し、下半身の筋肉によるポンプ機能が回復します。さらに、骨盤まわりを柔軟にすることで自律神経も整い、冷え体質の改善にも。シンプルなストレッチ方法なので1日の終わりのリラックスタイムにぜひ取り入れてくださいね。

■鼠径部を床に押しつけるようにしながら、脚の付け根を伸ばす

胡座の状態から、両手を膝よりも前の床につき、右足を後ろにまっすぐに伸ばします。
ストレッチしている側の鼠径部を床に押しつけるようにして、脚の付け根が伸ばします。この状態で30秒キープを。左側も同様に行いましょう。

鼠径部を床に押しつけるようにしながら、脚の付け根を伸ばす
 

顔が下を向いたり、体が捻った状態にならないように注意して。顔は正面、体は背筋が曲がらない、腰は反らないように意識して行いましょう。

NGの姿勢
 

【まとめ|座りすぎによるむくみ、冷え、だるさに!鼠径ストレッチで美脚復活4か条】
1)座り姿勢による下半身の冷えやむくみは血流の悪化が原因。
2)PC作業などで前傾になったままの状態を続けると、股関節が圧迫され、下半身への血流が低下する。
3)注目すべきは足の付け根”にある「鼠径動脈」で下半身に血液を送り届ける、大動脈の一部。
4)鼠径動脈まわりを柔軟に保つストレッチを行うことで、血流を促し、冷え、むくみの改善に。

以上、「座りすぎによるむくみ、冷え、だるさに!鼠径ストレッチで美脚復活」を教えていただきました。

アンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は4月5日の更新です。お楽しみに!

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 Instagram
体験者:武田宏美さん
通信会社勤務
「座り姿勢が多いせいか、脚の付け根がコリ固まっていたようです。このストレッチを行ってみたら、じんわりとほぐれていく感じがとても気持ちよく、左右を30秒ずつ行うだけで、脚がかなり軽くなった気がしました。とても簡単なので、就寝前の習慣にしようと思います」
PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子