ビジネスシーンにおいて、大事なお客様や取引先への訪問時には、適切な手土産を携えるのがマナー。ただのモノでありながら、モノだけではない、その手土産にこもった「心遣い」をもらった側は直に感じるものです。

最適な手土産を選ぶポイントとは?

手土産の達人「秘書」は、手土産をどうやって選んでいる?

その手土産選びの達人であるのが秘書。顧客や重要な取引先の人々の好みやシチュエーションを把握し、最も好ましいものを選定する眼に長けています。

そんな秘書ならではの感性で広げるアンテナの情報源と共に、手土産選びのワザを、現役秘書の斎藤克衣さんに教わります。

ビジネスにおいて、手土産が必要になるシーンはたびたび訪れます。どんなケースがあるのでしょうか。

「ビジネス手土産は、社長や役員が持参するために、秘書が代理で購入するケースが多いです。さまざまな部署から社長に同行依頼が来るので、その際は同行者に渡します。手土産を会食後にお渡しする場合で、会社から会食店が近いときはあらかじめ秘書が届けておくこともあります」

斎藤さんは秘書として手土産が必要だと分かった時点から手土産を買うまで、どのようなポイントで最適な手土産を選んでいるのでしょうか。そのポイントを4つ挙げていただきました。

最適な手土産を選ぶ4つのポイント

最適な手土産を選ぶ4つのポイント

■1:情報収集をして、何を買うか決めてからお店へ

「まずは手土産を選ぶために情報を集めます。そして何を買うか決めてからお店に行きます。贈る方・会社、季節、そのシーンによって変わってきますが、洋菓子か和菓子を選ぶことが大半です。まれにお煎餅やそれ以外といったものでしょうか」

■2:渡す時間帯・場所、持ち歩き時間、食べるシーンを考慮

「手土産を渡す時間帯・場所、渡す側が持ち歩く時間、受け取った側が持ち歩く時間、手土産を食べるシーンまで考慮して決めています」

■3:手土産のサイズ・デザイン・重さにも配慮

「また、気をつけているのは、お渡しする手土産のサイズ、包装紙のデザイン、重さです。老舗のデザインや洗練されたデザインは良いですが、新しさのあるカジュアルな印象を受けるデザインやあまりに重さが軽いものは、考えますね」

■4:日持ちを考慮しまとめ買い

「直近で手土産を買う必要があるのは何件あるのか、その中で同じ手土産を買える先はあるか、日持ちは大丈夫かを判断して、まとめ買いできるときはまとめて買いに行きます。例えば、老舗のどら焼き屋さんは、午後には売り切れてしまうので午前中に買いに行き、15個入りを3セットまとめ買いしたことがあります」

手土産の情報源は秘書の先輩や美容師から

斎藤さんの手土産の情報源は、「人から教えていただくお話、ネット記事、雑誌、TV、デパ地下、ランニング中、街を歩いていて」などだそう。

「初めのうちは秘書の先輩に聞いていました。仕事でお会いする方とも手土産の話になることが多く、やはり口コミは頼りにしています。先日は、美容師さんから、“サロンの近くのお店のカレーパンがおいしい、おすすめはこの種類”、という話から、“伊勢丹に売っているいちご大福は今までの人生の中で断トツにおいしい、ただアトラクション並に行列だ”、などの情報を教えていただきました。美容師さんには色んな情報が集まるので、幅広いことをご存知な方が多いように思います」

また、情報収集をしたら、実際に試食してみることも欠かさないそうです。

「大切な方々にお渡しするので、残念なことがないよう、おすすめしていただいた中で実際に食べてみておいしかった商品や、一度商品を食べておいしかったお店の違う商品を買うようにしています。あのお店の和菓子がおいしいと聞いたら、お休みの日に出かけることもあります。先日はランニング仲間とスイーツランをしました。中目黒のプリン専門店、チョコレート専門店、老舗和菓子店を巡り往復ランニング。初めてのお店に伺うのは大好きです」

手土産の情報源は秘書の先輩や美容師から

そして斎藤さんは自分がもらった手土産も参考にしているといいます。

「手土産をいただいて思うことは、いただいたものがおいしい、美しいということももちろんうれしい点ではありますが、贈っていただいた方のお心遣いやなぜ選んでいただいたかということが伝わってきた場合に感激しているように思います。ですから、贈る側になったときは、心をこめて選ぶようにしています。

これまでいただいて感激した手土産の例を挙げますと、長崎に出張に行ったというお客様から『これは本当に絶品なので』といただいた木箱入り、金箔が乗せてあるカステラ。見た目や味の上品さはもちろんのこと、出先からのお心遣いに感激しました。また女性のお客様からいただいたジャースイーツのティラミスは、そのまま配れますし、見た目はもちろん、トッピングのクッキーは砂糖不使用のもので、全体も甘すぎないため女性心をくすぐるものでした」

日々、極上の手土産を探すのがライフワークに

斎藤さんは、もはや手土産選びが生活の一部になっているようです。

「ネットや雑誌などで手土産記事があると、無意識にクリックしたり、手にとったりしているように思います。常に新商品が出ていて、季節によりパッケージが変わり、限定がありますし、見た目が華やかなものも多いので、見ていて楽しいです。

またお仕事以外の、家族用やお家に伺う際に持って行くような手土産は、いつものお仕事で選んでいるものとは違うもの、気になるものを選んでいます。仕事のためにと意識している感覚は特にありませんでしたが、そうして、いつも極上の手土産を探しています」

スイーツランなど、ランニング中にも手土産のことを考えてしまうのは秘書らしいですね。極上の手土産は、日々の情報収集や試食の積み重ねが生み出すものだったようです。

斎藤 克衣さん
(さいとう かつい)学生時代より秘書の仕事に興味を持ち、秘書関連の資格は4つ以上保持。大手不動産会社の社長秘書後、相続診断士の資格を発行している一般社団法人相続診断協会 秘書兼広報を務める。
一般社団法人 相続診断協会
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利