どんなに肌を磨いても、歯がくすんでいては老け見えの原因に。顔の透明感を底上げしてくれる、ナチュラルな白さを目指したい【「美しい歯」で叶える、クリーンな印象美】

黄ばんだ歯の色やキツい口臭は、クリーンな口元の大敵。ホワイトニングと口臭ケアの情報をアップデートして
笑顔に自信がもてる、清潔感のある口元を目指しましょう。
歯科医師・石井さとこ先生に聞きました【「クリーンな歯」でいるためのQ&A】

Q.年齢を重ねると歯が黄色くなる?
A.黄ばみが強くなり、汚れもつきやすくなります

残念ながら、年齢を重ねた歯が黄色く見えるのは、事実です。歯には、大きく分けて、外側の白いエナメル質と、内側の黄色い象牙質があります。年齢を重ねると、外側のエナメル質が徐々にすり減ると同時に、内側の象牙質の黄色が濃くなることで、全体として黄ばみが強く見えてしまいます。
また、加齢やホルモンの影響で唾液の量が減ると、歯表面の再石灰化(脱灰したエナメル質が修復される)が停滞し、歯表面に汚れがつきやすくなってしまいます。
Q.クリーニングだけで歯を白くできる?
A.表面についた着色汚れは落とせます
クリーニングとホワイトニングには、明確な違いがあります。クリーニングは、歯垢や歯石を含むバイオフィルム(細菌の塊)を取り除くのが、主たる目的。茶シブやヤニなど歯表面についた着色を取り去ることが可能です。
一方、ホワイトニング(クリニックで受けるもの)は、歯そのものを白く変えていく施術。清潔で白い歯を維持するには、クリーニングとホワイトニング、両方を活用するのがおすすめです。
Q.クリーニングの保険と自費はどう違う?
A.清潔感を追求するなら自費がおすすめ
クリニックで受けるクリーニングには、歯周病治療の一環として保険が適用になるものと、メンテナンスに特化した自費(自由診療)のものがあります。
自費のものはPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれることも。歯磨きでは落としきれないバイオフィルム(細菌の塊)や着色を、専用の器具や薬剤を用いて徹底的に除去します。
クリニックによっては、エアフロー(パウダーを水で吹きつけて着色汚れを落とす)や、ナノハイドロキシアパタイト(エナメル質の再石灰化を促す)がプラスされ、歯表面を磨き上げることが可能です。
Q.歯を白くするには何がいちばんいい?
A.クリニックのホワイトニング一択です
歯を確実に白くしたいなら、クリニックのホワイトニングです。歯科のホワイトニングは、高濃度の「過酸化水素」を歯に塗布し浸透させることで、内部の色を分解し無色化します。回数を重ねることで理想の白さに近づけます。
この「過酸化水素」は、医療用具(歯科材料)であり、歯科医師か歯科衛生士しか扱うことができません。エステで自分で行うセルフホワイトニングでは「過酸化水素」を用いた施術はできません。また、市販の製品にも「過酸化水素」を配合することはできません。
Q.加齢した歯はホワイトニングしても白くなりにくい?
A.若い頃より回数が必要です
年齢を重ねた歯は、若い歯と比べて、施術の回数が多く必要になります。加齢によって歯の象牙質の黄色が濃くなっているためです。しかし、クリニックで受けるホワイトニングであれば、個人差はありますが、回数を重ねることで徐々に白い歯に近づけることは可能です。
Q.クリニックのホワイトニングとホームホワイトニングはどう違う?
A.薬剤と濃度が違います
クリニック(オフィス)で受けるホワイトニングは、主に30%前後と高濃度の「過酸化水素」を使い、歯そのものを中から白く変えていく施術です。薬剤の効果を高めるために光を照射する場合もありますが、光を使わなくても十分に効果を発揮できる薬剤もあります。
クリニックのフォローアップとして行うホームホワイトニングでは、よりマイルドな10~20%の濃度の「過酸化尿素」が使われます。クリニックとホーム両方をうまく組み合わせることで、色戻りを防ぎ、白い歯を長く維持できます。
Q.ホワイトニングって歯に悪くない?
A.むしろ歯が丈夫になります!
「過酸化水素」と光を使ったホワイトニングは、薬剤がしみたり光の熱さを感じたり、一時的に知覚過敏に近い症状が出ることがあります。しかし、歯にはダメージはありません。むしろ、ホワイトニングをしているほうが、歯の再石灰化(エナメル質の修復)が促進され、むし歯になりにくくなるなど、歯の質が向上することがわかっています。
痛みが気になる場合は、刺激がなく着色汚れを除去できる「ポリリン酸」を使ったクリーニングもおすすめです。「ポリリン酸」を使用した施術は、エステで自分で行うセルフホワイトニングでもよく行われています。
Q.日常生活で歯の黄ばみを防ぐには?
A.赤ワインを飲むごとに水をひと口
飲食をしたら時間をおかずに、口をすすぐか、汚れを拭き取るのがおすすめです。私はバッグに綿棒を忍ばせておいて、歯の表面をサッと拭き取るようにしています。特に、赤ワインや紅茶は、着色しやすいので注意! 私はワインを飲むたびに水をひと口入れるようにしています。
Q.黒ずんだ歯茎をピンクにできる?
A.歯茎のピーリングができます
治療した歯の根元が黒ずんでいる場合は、土台の金属が歯茎に溶け出している状態。治療をやり直すことで、元の色に戻る可能性があります。
歯茎全体が紫外線や喫煙の影響で黒くなっている場合には、「ガムピーリング」と呼ばれる治療法があります。歯茎のターンオーバーを促進し、本来の健康的な色に戻していきます。しかし、本来の歯茎の色以上にキレイにはできないこと、一度キレイになっても色戻りしやすいことは、お伝えしておきたいです。
Q.芸能人の歯はなんであんなに白い?
A.歯の「付け爪」をしてるからかも…
有名人の歯が驚くほど白く歯並びも揃っているのは、歯の「付け爪」をしている可能性が高いです。「ラミネートべニア」といいますが、クリニックによって呼び方はいろいろです。
歯の表面をごく薄く削り、セラミック製の薄片を、専用の接着剤で貼り付けます。色を希望の白さに変えるだけでなく、歯並びのガタつきや隙間なども整えることができます。費用は1本あたり10万円以上と高額です。
口元の印象を大きく変えることができますが、健康な歯を削る必要があることや、むし歯など歯の状態によっては施術できない可能性もあるので、歯科医に相談してください。
クリーンな息でいるためのQ&A

Q.年齢を重ねると口臭がキツくなる?
A.唾液が減り、口臭リスクが急上昇します
残念ながら、年齢を重ねることで、口臭リスクは上がります。口臭の原因は、歯周病や口呼吸、体調不良やダイエットなど、さまざまです。女性は更年期以降に、唾液の量が減り、ドライマウス傾向になると、口の中の細菌が増え、口臭が強くなりやすいです。
意外かもしれませんが、唾液は天然のデンタルリンス! 唾液には細菌の繁殖を抑制する効果もあります。食事の際は十分に咀嚼する、おやつにガムを噛むなど、唾液の分泌を促す工夫をしてみてください。
Q.舌磨きで口臭は減らせる?
A.綿棒で優しく取り除けばOK
舌についた「舌苔」は、たんぱく質や細菌による汚れの塊。私たちの口の中には30から6000億の細菌がいるといわれます。舌は「菌のじゅうたん」です。もちろん口臭の原因になります。
舌磨きをしている人も多いですが、ブラシでゴシゴシこすると舌が傷ついてしまうことも。綿棒で3~4回拭き取るだけでも簡単に減らすことができますよ。
Q.歯周病は治療できる?
A.原因菌を可能な限り減らすことが大切です!
歯周病は、日本の成人の85%が罹患、しかも、女性のほうが罹りやすい、恐ろしい病気です。自覚なく進行し、手遅れになることも。
歯周病になると、歯と歯茎の境に細菌がたまり、口臭の原因にもなります。治療法はありますが、歯茎を切開して中にたまった細菌をかき出す手術や複数本の抜歯など、かなりハードモード。しかも、どんな治療を受けても、自分で細菌を減らす努力を継続できなければ、再発するリスクが高くなります。
大切なのは、毎日のお手入れで、原因となる細菌の数を可能な限り減らすこと。歯周病にならないためにも、食後の歯磨きとデンタルフロス、歯間ブラシなども用いて、歯と歯茎を清潔に保ちましょう。
Q.臭い玉はとるべき?
A.無理にとらないほうがいいようです…
最近、注目を集めている、「臭い玉」。喉の奥の扁桃のくぼみにたまる数ミリ程度の白い塊で、潰すと強烈な悪臭を放ちます。
正式な名前は「膿栓」で、細菌やウイルスの死骸などが固まったもの。気づかず飲み込んでいることが多く、ガラガラうがいでとれることも。無理にとらないほうがいいと思いますが、気になる人は耳鼻咽喉科に相談してもよいでしょう。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- ニアー TEL:0422-72-2279
- ショーメ TEL:03-5635-7057
- PHOTO :
- 鈴木 宏/人物、池田 敦(CASK)/静物
- STYLIST :
- 角田かおる
- HAIR MAKE :
- 尾花ケイコ
- MODEL :
- 大塚まゆか
- EDIT&WRITING :
- 木更容子、五十嵐享子・佐藤友貴絵(Precious)