「出来星」ってなんと読む?「しゅつらいせい」ではありませんよ!
明日・4月21日は『創造とイノベーションの世界デー』です。国連で制定している国際デーのひとつで、持続可能な開発の実施と、問題解決における創造性とイノベーションの役割についての意識を高める、という目的が掲げられています。日付は、この問題について話し合われた2002(平成14)年の国連総会の日程にちなんでいます。創造性やイノベーションは、アイデアを出すことから始まりますので、本日は「出」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「出来星」ってなんと読む?
「出来星」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「成り上がり」の同義語です。
<使用例>
「にわかな出来星と侮るなかれ、一代であの地位を築いた傑物だと、私は思います」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 出来星(できぼし) です。

「出来る」と書いてあると「できる」と読めると思いますが、「出来星(できぼし)」や「出来合(できあい)」のようにすべて漢字表記だと、音読みの熟語と勘違いしそうですね。お気を付けください。「出来星(できぼし)」は現在「にわかに立身出世をすること。急に大金持ちになること。成り上がり」という意味で使われますが、「出来星(できぼし)」というマイナスイメージの少ない比喩表現を使っていますので、「成り上がり」や「成金(なりきん)」より、ややソフトな言い回しになりますね。覚えておくと便利な言葉かもしれません。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「出で立ち」ってなんと読む?
「出で立ち」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「旅立ち。門出」などの意味もございますが、現在、多くは「身ごしらえ」という意味で使われる言葉です。
<使用例>
「そこまで気合いの入った出で立ちだと、デートのお相手を、逆に驚かしてしまうんじゃない?」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 出で立ち(い-で-た-ち) です。

「出(いだ)す」「出(い)づ」ともに、古来の言葉ですので、現代に使うと文語的でものものしいイメージになります。「出で立ち」はまさにそのイメージをともなう言葉で、現代的な言い回しにするなら「(気合いの入った)格好」「すごい扮装」というような意味で使われます。もともと「旅立ちや出陣などの際の、特別な身ごしらえ」という意味から来ています。
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本日は、4月21日『創造性とイノベーションの世界デー』にちなんで、「出」という字の入った日本語から、
・出来星(できぼし)
・出で立ち(い-で-た-ち)
の読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/国連広報センターホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱