連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、メイド・イン・スペインを掲げるインテリアブランド「La Nena Italia」でマネージングパートナーを務めるガブリエラ・カストロ・アルバンさんにインタビュー!

エクアドル人の母とスペイン人の父をもつガブリエラさん。「イタリアという自分にとっては未経験の文化のなかで、自然素材を使ってどのような空間がつくり出せるかを見てみたい、挑戦したいと思った」と話すガブリエラさんに、ブランドへの熱い思いなど詳しくお話しをうかがいました。

ガブリエラ・カストロ・アルバンさん
「La Nena Italia」マネージングパートナー
(Gabriela Castro Albán)エクアドル生まれ。スペイン・マドリッドで持続可能性とソーシャル・イノベーションについて学ぶ。国連のプロジェクトなどを経て、イタリア人の夫との結婚を機にミラノへ移住。スペインのインテリアブランド「ラ・ネーナ」にマネージングパートナーとして参画、’21年にショップをオープンする。11歳、8歳の子供をもつ。

【Milan】素材も人の暮らしも持続可能が大前提。インテリアの分野から社会を変革

「La Nena Italia」マネージングパートナーのガブリエラ・カストロ・アルバンさん
「La Nena Italia」マネージングパートナーのガブリエラ・カストロ・アルバンさん

’22年、コロナ禍中でも活気が戻りつつあるなかで開催されたデザインウイーク。斬新なデコレーションで華々しくデビューしたショップがあった。それが、ガブリエラさんがマネージングパートナーを務める “ラ・ネーナ”。スペインのガリシア州に自社工場をもつ、メイド・イン・スペインを掲げるインテリアブランドのコンセプトストアで、今ではデザインウイーク期間中のインスタ映えスポットとしても有名になり、連日多くの人が押しかける。

「私たちのブランドの特徴は、温かみのあるトーンやアースカラー、天然素材を基調とするスタイル、ハンドメイドや手仕上げによる作品。デザインの街、ミラノでは、そうしたことが目新しく見えたのかもしれません」

サステイナブルな素材と地元の職人たちによる伝統的な技術にもこだわっている。「例えばランチョンマットは、漁業が盛んな地元の廃棄漁網をリサイクルしたもの。地元産のラフィアやヘチマをランプシェードにしたコレクションもあります。家具も、天然のマイクロセメントを使用しているんですよ。昔から伝わる素材と技術を現代のシステムに適応させていく。そうすることで、多くの雇用を生み出すこともできる。これこそが、私が “ラ・ネーナ” を選んだ理由です」

エクアドル人の母とスペイン人の父をもつガブリエラさん。マドリッドの大学でソーシャル・イノベーションの修士号を取得後、国連のプロジェクトに参加。エクアドルの農村部で学校開発に携わった経験をもつ。結婚を機にミラノに移住してきて13年になる。

「私は人生のなかでいつも、自然の美しさと、建築が周囲の環境と調和する様子に刺激を受けてきました。だから、イタリアという自分にとっては未経験の文化のなかで、自然素材を使ってどのような空間がつくり出せるかを見てみたい、挑戦したいと思ったんです。持続可能な社会を実現する。そのことをいつも、強く意識しています」

◇ガブリエラさんに質問

Q. 朝起きていちばんにやることは?
レモン入りの白湯を飲む。
Q. 人から言われてうれしいほめ言葉は?
言葉よりも、仕事に注いでいる情熱や持続可能性へのこだわりに気付いてもらうことがうれしい。
Q. 急にお休みがとれたらどう過ごす?
どこでもいいから新しい場所へ。歩いて探検し、土地の雰囲気やディテールを写真に収める。
Q. 仕事以外で新しく始めたいことは?
エクアドルのパナマ帽職人を支援。中間業者の搾取から職人を守る、公正なバリューチェーンを構築することが目標。
Q. 10年後の自分は何をやっている?
デザインとクラフツマンシップの世界で新プロジェクトを立ち上げ、国際的により強い存在感を示している。
Q. 自分を動物にたとえると?
惹かれるのは馬。繊細さと知性、個性があるから。

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PHOTO :
Massimiliano
EDIT&WRITING :
剣持亜弥、喜多容子・木村 晶(Precious)
取材 :
Yuki Katagiri