「有耶無耶」ってなんと読む?「ゆうじゃむじゃ」ではありませんよ!
明日・5月2日は国連が定めた『世界まぐろデー』という国際デーです。まぐろは食用魚として大変人気の高い魚ですので、適度な漁獲量を守り、生態保護を考える日に、と提唱されております。ちなみにまぐろの漢字表記は「鮪」ですが、回遊魚であるため、いろいろな海に「有る」というイメージを表しています。ということで本日は「有」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「有耶無耶」ってなんと読む?
「有耶無耶」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「物事がはっきしりないさま。あいまいなさま」「思い煩って胸がすっきりしないこと」などの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「責任の所在を押し付け合って、有耶無耶にするつもりじゃないかしら?」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 有耶無耶(うやむや) です。

「有耶無耶」の「耶(や)」は「邪念」「邪悪」などに使われる「邪(ジャ)」と似ていますが、違う字です。「有耶無耶」という四字熟語は文章のような構成で、「耶(や)」は疑問の助詞であり、「有(あ)りや? 無しや?」という問いかけを示しています。というわけで、どちらなのか判別がつかない、あやふやな状態を意味する熟語として使われています。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「有体(あ○○○)」ってなんと読む?
「有体」の読み方として正しくなるよう「あ○○○」の○に、それぞれ、かな1文字ずつ入れて完成させてください。
ヒント:「ありのまま。うそ偽りのないこと」「世間並み。ひと通り」などの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「有体(あ○○○)に申し上げますと、この業績では、この先が危ぶまれるかと」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 有体(ありてい) です。

例文の「有体に申し上げますと…」という使い方は、「偽りなくありのままを伝えると」という意味ですので、やや言いにくい内容を正直に伝える、というニュアンスの、前置き的に「有体」が使われる例です。もうひとつ「世間並み」という意味では「有体なお礼はしておいたけれど」というような使い方をします。
ちなみに「有体」は読み方で意味が変わります。「うたい」と読むと仏教用語の「実体があるもの」という意味の言葉になり、「ゆうたい」と読むと「形があること。実体があること。また、そのもの」という意味の言葉になります。
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本日は、5月2日『世界まぐろデー』にちなんで、「有」という字の入った日本語から、
・有耶無耶(うやむや)
・有体(ありてい)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/国連広報センターFacebook/農林水産省xアカウント/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱