日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる九州の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、大分県にある「ゆふいん泰葉」です。

公式サイト
神秘的な青湯に感動!とろとろの湯に抱かれて肌も心も潤う
JR由布院駅より車で約5分。「ゆふいん泰葉」は、街中から離れた閑静な高台に位置し、約1500坪の敷地に全18室の客室を配した隠れ宿です。こちらの宿の自慢は、全国的にも珍しい“青湯”。地中から噴出した瞬間は無色透明で、時間の経過と共に神秘的なコバルトブルーへと変化する湯は、美肌成分も豊富に含み“奇跡の湯”と称されています。


「自然がつくり出したブルーの温泉は、大分や熊本、本州では宮城などごく一部の地域でしか見られないほど希少価値が高くて眼福です。成分や気候などさまざまな条件が合わさることで色が変わるといわれますが、そのひとつの鍵だとされているのは、天然保湿成分のメタケイ酸。こちらの湯は、潤いをサポートするメタケイ酸の含有量が国内屈指で、しっとりとろとろの浴感がたまりません」(植竹さん)


「泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。pH9.0のアルカリ性で、古い角質や毛穴の汚れを優しく取り除きつつ、メタケイ酸と塩のヴェールで潤いをしっかり閉じ込めることができます。湯上りの肌はしっとりつるつる、まるで化粧水や美容液をたっぷり塗ったかのようで、温泉の美肌力を実感できました」(植竹さん)

「湯の色はさまざまな自然条件に左右されるので、訪れるタイミングによってほんのりブルーに見えたり濃く見えたりします。館内には、日帰りで利用可能な貸切風呂や宿泊者専用の大浴場、そして客室の露天風呂など複数の温泉施設が点在しており、なかでも青さが鮮やかに感じられたのは、宿泊者専用の露天風呂です。
一方、こぢんまりとした浴槽では透明度が高く、その分、湯の新鮮さが感じられるなど、それぞれの個性があります。どんな青湯に出合えるかはまさしく一期一会。それもまた自然の恵みである温泉ならではの魅力だと思います」(植竹さん)


山海の恵みに舌鼓!ご当地の魅力溢れる美食を五感で味わう
由布院の豊かな自然が育んだ旬の食材をふんだんに盛り込んだ、料理長こだわりの創作会席料理も旅の大きな楽しみのひとつ。五彩ジュレ(5種類の醤油をゼリー状にしたもの)でいただく新鮮なお造りや、おおいた和牛の石焼きなど、一品一品創意工夫の凝らされた料理は目にも美しく、心と体を満たしてくれます。



「一晩明けて朝食は王道の和食。煮物や焼き魚、味噌汁、漬物など、ほっこりするような品々が並びます。また、テーブルに用意されている“カトレア醤油”は独特の甘みがある地元の名産品。さりげなくご当地色も散りばめられた朝食が一日の始まりを特別なものにしてくれました」(植竹さん)

以上、「ゆふいん泰葉」をご紹介ました。神秘の青湯に身を委ねて美肌に近づく至福のひとときを過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- ゆふいん泰葉
- 住所/大分県由布市湯布院町川上1270-48
客室数/全18室
料金/朝夕2食付き 離れ露天風呂付12畳和室 2名1室1名¥44,000~ - TEL:0977-85-2226
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)