ビジネスマナーの基本中の基本、「名刺交換」。就業中は多くの取引先とためらいなく行えますが、たとえばあなたが仕事のあとに、少しドレスアップした大人なパーティに参加するとします。そのような場で会社の名刺を出すのって「無粋かしら」「ちょっと違和感があるな…」などと感じた経験、ありませんか?
かといって、初対面でいきなりFacebookの友達になったり、LINEを交換…というのも、女性にはなかなか抵抗のあるところ。
そこでおすすめしたいのが、特別なパーティや出会いのときのために「プライベート名刺」をつくっておくこと。紙や刻印を選んで簡易オーダーできるサービスはたくさんありますが、今回は「良縁を紡ぐ」シルク製の特別な名刺をつくることができる、富山の「城端しけシルク」をご紹介します。
富山県・城端産のシルクでつくられた名刺には、特別な絹が使われています
筆者がこの素敵な”絹名刺”に出逢ったのは、富山県南砺市の城端(じょうはな)という町にある、松井機業の松井紀子さんにいただいたお名刺から。松井さんは、東京での証券会社での営業職として勤務していたものの、縁に導かれるように、ご実家の稼業である織物業の世界へ。創業・明治10年の伝統を引き継ぐべく、今は「6代目見習い」として、絹織物の文化の維持に取り組んでらっしゃいます。
「私たちは絹を織って、染めて、和紙に貼って壁紙などをつくるまでを一貫して行っている、日本で唯一の会社だと言われています。いま、南砺市にはもう養蚕農家さんはいません。この文化を守るため、五箇山に行って藁まぶしの技術を82歳のおばあちゃんに教えていただいたりしていますが、技術を承継するのに本当にぎりぎりの世代だと思っています」
絹糸が丸くなったアクセントが心地よい「しけ絹」
絹糸は通常、1頭の蚕から1つの繭玉ができあがりますが、稀に「2頭の蚕から1つの繭玉」ができることがあります。2頭の糸が複雑に絡み合っているため、繭玉から紡ぎ出される糸は太さが不均一で、独特の風合いのある糸になります。この希少な絹は「しけ絹」と呼ばれており、これを紡ぐと、自然が生み出す小さな凹凸による模様が入った絹糸ができあがるのです。
この「しけ絹」は、1つの繭を2頭の蚕が創り出すというロマンティックな行程から、人と人をつなぐ「良縁を紡ぐ」シルクとも呼ばれています。
「織機にかけている工程を見ていただきたいのですが、ときどき絹糸がぽこんと丸くなっているのが見えませんか? それが流れ星みたいで、すごくきれいなんです」
この「しけ絹」でつくられる名刺のサイズは91×55㎜で、100枚から。片面印刷で¥13,000、両面印刷で¥14,500(いずれも税抜)となっています。
名刺の注文は現在、松井さんの友人や知人を中心に口コミで広まっている段階のため、発注はお問合せフォームからのみ。名刺に入れてほしい「名前」や「住所」「電話番号」「メールアドレス」などのデータを送り、色は純白、桜、桃、水、緑、紫の6色からチョイスすることができます。
しけ絹を使ったお祝いアイテムは慶事のお伴にも最適
松井さんはさらに「Johanas(ヨハナス)」というブランドを立ち上げ、蚕の愛の結晶としてできた絹糸を使った、お祝いの席に使うご祝儀袋や袱紗などの展開も始めています。通信販売のほか、工場に併設されたショップでも販売しています。
「東京でずっと働いているなかで、皆さんがとても疲れているのを感じていました。私はシルクを通して、自分と見つめあう時間が取れるようなものをつくりたいと思ったんです。ヨハナスの名前には“世をはなす、余を解き放つ”という意味も込められています。日傘にも紫外線防止や、傘の中の温度を7度下げてくれるという実際の効果もあるのですが、持っていることにより、癒しの効果もあると感じています」
しけ絹生産の最後の灯を絶やすことのないよう、松井さんは次のステップへと邁進中。会社の敷地には桑の葉を植え、養蚕から一貫して行うことも視野に入れています。
「お蚕さんが繭をつくる様子を見ていると、私たちは本当に命をいただいているのだなぁと思うんです。しけ絹にはその命が詰まっているんです」
筆者が松井さんからしけ絹の名刺をいただいたときに感じた、温かみのある手触り。そして名刺から目を戻した松井さんのお顔を改めて見たとき、同性でもより魅力的に感じられました。名刺を通じて、指先からやさしいイメージが伝わるのは、初対面の相手への好印象につながるはず。
どうしても仕事のルーティンワークになってしまっている名刺交換。ビジネスとは一線を置いて、希少で温かみがあり、初対面での話題にも事欠かない「プライベート名刺」で、新しい出会いに向き合ってみませんか?
問い合わせ先
- 城端しけシルク TEL:0763-62-1230
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 北本祐子