沖縄の“ものづくり”を牽引する、人気作家の工房へ—— 心に響く「つくり手」を訪ねて
地元の自然に根ざした “ものづくり” を追求する職人をクローズアップ。伝統をモダンにアップデートして今に伝える、独自のクラフツマンシップに注目を。
【木漆工とけし】渡慶次弘幸さん、渡慶次 愛さん…無理せず、導かれるままに…。自然の摂理に身を委ねる職人が生み出す、樹木の声に耳を傾けた漆器づくり。

上写真/アトリエの建具や家具は、弘幸さんのお祖父様の自宅で使われていたものを再利用。随所に自然を大切にする作家としてのこだわりが感じられる。
木肌の素朴な質感に宿る、先人の知恵と地元文化
緑豊かな名護市にアトリエを構える「木漆工とけし」。木地師と塗師の夫婦が連携して生み出す漆器は、木が静かに語りかけてくるかのような柔らかで優しい風合い。
「心がけているのは、無理せず、環境に負担をかけないこと。手に入る木材を生かして何がつくれるかという視点で制作しています」と弘幸さん。
「沖縄の木は気候や土壌の性質上、曲がりくねっていて扱いづらいものばかり。ただこの土地で暮らしている以上、それは特別なことではなく、普通のこと。扱ったことのない木があれば、どんな特性があるのかを近所のおじいやおばあに教えてもらうことも。今の環境で何ができるのかを夫婦で模索しながら作品づくりをし始め、今に至っています」。
愛さんは今後について「今、琉球漆器を学んでいるのですが、沖縄の素材と文化を融合させた “ものづくり” をしたいと思っています。日常使いだけでなく特別な日の器も手掛けるなど、新たな挑戦もしていきたいです」

やんばるの森から切り出した野性味ある木材を使った “ものづくり”。何をつくるのかは、木の特性に合わせて決めるそう。

普段使いだけではなく、ハレの日の器にも挑戦したいとの想いから手掛けた作品。のびやかな塗りの質感と繊細な金箔が見事に融合。

塗師としての愛さんの腕前は、“グッチ” の日本上陸60周年を祝したエキシビションでも披露された。

大小のカンナは弘幸さんの手づくり。器の形状や木材に合わせて使い分け。

アトリエを訪れた板谷由夏さんも作品を手にして、一つひとつ異なる木の表情や温もりを感じる質感に魅了されて。
〈 Data 〉「木漆工とけし(TOKESHI)」
- 住所・電話番号非公開
※工房のため一般公開はしていません。 - @mokushikkou_tokeshi
問い合わせ先
- showroom SESSION TEL:03-5464-9975
- エスケーパーズオンライン TEL:03-5464-9945
- エストネーション TEL:0120-503-971
- ポメラート クライアントサービス TEL:0120-926-035
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- PHOTO :
- 藤森星児
- STYLIST :
- 伊藤美佐季
- HAIR MAKE :
- KENSHIN(EPO LABO/ヘア)、村松朋広(メイク)
- MODEL :
- 板谷由夏
- EDIT&WRITING :
- 池田旭香、奥山碧子・安村 徹(Precious)