日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる中国・四国の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、山口県下関市にある「小天狗さんろじ」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

全室露天風呂付き!離れで源泉かけ流しの名湯をひとり占めする

新幹線「新下関駅」より車で約30分。山裾の緑豊かな地にある川棚温泉は、開湯800年の歴史を誇り、多くの文人にも愛されてきた名湯。その一画に佇み、モダンでプライベートな空間で温泉三昧できるのが、今回ご紹介する「小天狗さんろじ」です。

フロント棟の外観
フロント棟の外観。
フロントロビー
木のぬくもりを感じる和モダンなフロントロビー。

「こちらは、川棚温泉の元湯を所有する『旅館小天狗』の敷地内にある姉妹宿。1日8組限定で全客室に源泉かけ流しの露天風呂を備え、しかも本館の大浴場も利用できるという温泉好きにはたまらない環境です」(植竹さん)

客室一例
メゾネットタイプの客室「弐之庄」。
客室一例
平屋タイプの客室「参之庄」。なめらかな曲線を描くリビングがユニーク。

「8つの客室は全て離れで、他のゲストとなるべく鉢合わせないよう配置されており、まるで別荘を訪れたかのよう。一部屋ごとに間取りやデザインが異なり、露天風呂もそれぞれ趣向が凝らされています。こぢんまりした浴槽を満たす湯は、加温・加水なしの源泉かけ流し。人目を気にせずいつでも好きなときに好きなだけ新鮮な湯をひとり占めできるのは、まさに至福のひとときです」(植竹さん)

客室露天風呂の一例
客室「八之庄」の露天風呂。半身浴や寝湯でリラックスできる。
客室露天風呂の一例
客室「六之庄」の露天風呂は、草木に囲まれた野趣溢れる石風呂。

「本館の大浴場は、客室とはまた違った雰囲気でちょっとした湯巡り気分を楽しめます。レトロなタイルが目を引く内湯も、開放感ある露天風呂もそれぞれ絵になる空間で、こちらでもしみじみと湯のよさを実感できました」(植竹さん)

本館大浴場内湯
本館大浴場内湯。
本館大浴場露天
本館大浴場露天風呂。

「泉質は、含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。無色透明のさらりとした湯ですが、塩化物泉らしいしっとり感もあり、体の凝りがじわじわとほぐれていきます。

湯上りは肌が保湿されているのを実感すると共に、軽い運動をしたような心地よさも。客室の露天風呂でじっくり湯に向き合ったり、本館の大浴場で悠々と手足を伸ばして寛いだり、自由気ままに川棚温泉の名湯を満喫できる環境は、大人のリフレッシュ旅に好適だと思います」(植竹さん)

夏でも「ふく」三昧!季節ごとの会席コースで下関の美食を堪能する

下関は、山海の幸に恵まれた美食の宝庫。日本海や瀬戸内海から揚がる新鮮な魚介類、そして山口の豊かな大地で育まれた山の恵みが、熟練の料理人の手によって、美しく味わい深い会席料理へと昇華されます。

個室の食事処
個室の食事処。

「ふく(河豚)といえば冬のとらふくのイメージもありますが、この界隈では一年を通してふくをいただけるのも魅力的。こちらの宿でも今の時期には夏ふく会席コースなどがあり、季節ごとの味覚を堪能できるのも旅の楽しみのひとつだと思います」(植竹さん)

ふく会席
人気の「ふく会席」。
朝食一例
朝食一例。

以上、「小天狗さんろじ」をご紹介しました。客室の露天風呂と本館の大浴場で湯巡り気分を楽しみつつ、ふくをはじめとする地元の美食を心ゆくまで堪能したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 小天狗さんろじ
  • 住所/山口県下関市豊浦町川棚5153
    客室数/全8室
    料金/夏ふく会席(6月~8月)プラン 朝夕2食付き 2名1室1名¥31,000~
  • TEL:083-772-0227

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この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)