日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる中部・北陸の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、三重県津市にある「湯元 榊原舘」です。

公式サイト
とろけるような浴感!「美肌の湯」に浸かり心身の穢れを浄化する
三重県津市の穏やかな里山に囲まれた榊原温泉は、古より「七栗の湯」として親しまれ、1500年以上前から伊勢神宮の参拝客が「湯ごり」の儀式を行ってきた地。清少納言が『枕草子』にて「湯は七栗の湯、有馬の湯、玉造の湯」と温泉ベスト3に推したほどの名湯です。

その温泉街の中心に佇む「湯元 榊原舘」は創業100年を超える老舗。エリアで唯一、館内と敷地内に自家源泉を保有し、歴史ある神聖な湯を大切に守り続けてきたといいます。
「こちらの宿で印象的なのは、まるで美容液のようなとろとろ浴感の湯。pH9を越える高アルカリ性の湯が古い角質を優しく落とし、むき卵のような滑らかな肌へと導いてくれます」(植竹さん)

「湯が新鮮で還元力が高いことから、老化のスピードを緩める効果も期待できます。常連さんのなかには、美肌効果だけでなくアンチエイジング効果を求めて訪れる人も少なくないのだそうです。
源泉の温度は31.2℃。数値だけ見るとかなり低めですが、浸かっているうちに温泉の成分が体にしみわたり、じわじわと温まるのを実感できます」(植竹さん)

「湯温が高すぎないため体に負担がかかりにくく、ゆったり長湯できるのもうれしい点。心地よい湯に包まれて全身の凝りが和らぎ、心も体もほどけるような感覚が得られます」(植竹さん)

大浴場は、広々とした内湯と露天風呂がそれぞれ2つ。内湯では大きな窓越しに、露天風呂ではよりダイレクトに四季折々の自然美を愛でながら湯浴みできるのが格別です。源泉かけ流しのぬる湯の浴槽のほかに加温された浴槽があり、温冷交互浴も可能。湯温の異なる温泉に交互に入ることで血流が促進され、自律神経が整ったり新陳代謝が向上したりする効果も期待できるといいます。

また、貸切展望露天風呂も「ぬのびき」・「よもやま」・「天の原」の三種があり充実。プライベートな空間で誰にも気兼ねなく長い歴史を紡いできた温泉と向き合い、心身が浄化されるようなひとときを過ごすことができるでしょう。



人気メニュー「温泉の野菜蒸し」で大地の恵みを体内に取り入れる
こちらの宿のもう一つの魅力は、料理人が腕をふるう美と健康の特撰会席。伊勢湾で獲れた伊勢えびをはじめとする新鮮な海の幸、地元で採れる山の幸、そして松阪牛といったブランド食材もさることながら、ゲストを惹きつけるのは温泉を採り入れたメニューです。

「温泉野菜蒸し」は、旬の野菜を伊賀焼釜元の土鍋に入れて源泉で蒸し上げたヘルシーなメニュー。温泉と土鍋の相乗効果で素材の甘みや旨味が引き出され、体の内側に温泉の恵みを取り込むことができると人気を博しています。

また、和食中心のヘルシーな朝食も好評。できたての湯豆腐や、魚の干物など、日本の食卓で古くから親しまれてきた小鉢が多数並び、朝からお腹だけでなく心も満たされます。
以上、「湯元 榊原舘」をご紹介しました。美肌・疲労回復効果を期待できる名湯を五感で享受し、心身を清めたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 湯元 榊原舘
- 住所/三重県津市榊原町5970
客室数/全56室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥21,050~(税込) - TEL:059-252-0206
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- Precious.jp編集部