日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる中部・北陸の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、富山県・小川温泉にある「ホテルおがわ」です。

公式サイト
自然の神秘を感じながら湯浴みできる「天然洞窟露天風呂」が格別!
富山県の東端、朝日町の山あいに湧く小川温泉は、開湯400年以上の歴を持つ名湯。江戸時代から“子宝の湯”、“湯治の湯”として親しまれ、越中四名湯のひとつに数えられます。今回ご紹介する「ホテルおがわ」は、その湯の恵みを源泉かけ流しで堪能できる一軒宿。長いトンネルを抜けた先にあり、森と清流に抱かれた秘湯感溢れるロケーションは、心身のリフレッシュを図るのに好適です。

宿の敷地内には、野天風呂が2種(天然洞窟露天風呂、女性専用の露天風呂「蓮華の湯」)、そして館内に3種(岩・檜桶の露天風呂、大浴場)と趣の異なる5つの湯処が点在。自然豊かな非日常空間で、多彩な入浴を楽しめるのが魅力です。

「特に圧巻なのは、春から秋の季節限定で入れる天然洞窟露天風呂です。湯の花が長い年月をかけて凝固してできた洞窟をそのまま生かした空間は、天然記念物にも指定されています。
ホテルの建物を出て、小川沿いの道を7~8分歩いたところにあり、せせらぎに耳を傾け周囲の山々の景観を眺めながら温泉に向かう道中も非日常感たっぷりです。神秘的な雰囲気に包まれた洞窟の中で、大自然の奇跡に敬意と感謝を抱きながら湯浴みできるのは、他では得難い特別な体験でした」(植竹さん)

「もうひとつ、ホテルの建物外にある女性専用の露天風呂『蓮華の湯』は開放感と眺望が抜群。川のせせらぎをBGMに、春には新緑、夏には深緑、そして秋には見事な紅葉と、季節ごとに異なる美しい自然のパノラマを楽しめるのが格別です」(植竹さん)

「泉質は、ナトリウム-塩化物泉・炭酸水素塩泉。炭酸水素塩泉は、三大美人の湯泉質のひとつで、重曹の作用でクレンジング効果が期待できるといわれています。源泉の湯温は68度と熱々ですが、極力加水はしないこだわりの湯づかいも魅力的。源泉からの距離に応じて微妙に湯温が変わるのを肌感覚で楽しめるのも醍醐味だと思います」(植竹さん)


「手つかずの自然の中で入浴できる2つの露天風呂に加え、館内に3か所の浴室もあり温泉三昧。さまざまな成分がブレンドされた美人の湯がじわじわと浸透してくるかのようで、湯上りには肌をすっきり洗い流せただけでなく、塩のヴェールでしっとりと潤いをチャージできたのも実感できました」(植竹さん)

客室はスタンダードから貴賓室まで5タイプ。どの客室においても窓越しに眺める四季折々の自然美も、訪れた人の心を癒します。秘湯感ならではの非日常感を味わいつつホテルライクな快適さを求める人には、3室限定の「和モダン」タイプがおすすめ。伝統的な和室にスタイリッシュなデザインを合わせ持ち、シモンズ社製のベッドを2台設置した空間は、心身共にリラックスできる極上の寛ぎを提供します。

富山の海の幸・山の幸に温泉を取り入れた会席料理に舌鼓!
温泉と並ぶ楽しみが食事。山の恵みと富山湾の新鮮な海の幸が一度に味わえるのはこの地ならではです。春は山菜、夏は清流の岩魚、冬は寒ブリや紅ズワイガニなど、季節ごとの豊かな味覚が食卓を彩るほか、温泉を生かしたメニューもゲストに好評です。

温泉で炊いたご飯は自然な塩味、温泉で淹れたコーヒーはまろやかな口当たりが持ち味。その他、茶碗蒸しやデザートのわらび餅など、料理人が趣向を凝らした品々によって、温泉の恵みを体の外側だけでなく内側からも取り込めるのは、湯旅の大きな魅力と言えるでしょう。

以上、富山・小川温泉「ホテルおがわ」をご紹介しました。わくわくするような天然洞窟露天風呂をはじめ多彩な湯処を巡る非日常体験で心身の疲れを浄化したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- ホテルおがわ
- 住所/富山県下新川郡朝日町湯ノ瀬1
客室数/全29室
料金/和モダン 朝夕2食付き 2名1室1名 ¥22,000~(税込) - TEL:0765-84-8111
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)