洋食をいただくときに使うカトラリー(ナイフ、フォーク類)の正しいマナー、あなたは身につけていますか?

大人になると「それマナー違反だよ」と面と向かって指摘してくれる人は、なかなかいませんよね。知らず知らずのうちに、お行儀の悪い食べ方をしていたら…恥ずかしいですよね。大人の女性たるもの、ラグジュアリーなレストランでの食事では、ナイフとフォークを自信をもって、優雅に使いこなしたいもの。

人前でうっかり恥をかかないために、マナー講師の瀬尾姫民さんから、特に「ナイフとフォークを使って食事するとき」のシーンにおけるNGマナーを教えていただきました。以下の8つは、絶対にしないように気をつけましょう。

■1:ナイフやフォークを「付け根部分のくぼみ以外」で持つ

ナイフとフォークは持つ位置が大事

洋食のテーブルマナーでは、音を立てないのが鉄則中の鉄則。メインディッシュや付け合せを切り分ける際に、カトラリーの金属音が出ると、まわりから「粗雑な人」と認定されてしまいかねません。うまく切れずにどうしても音が出てしまうという人は、カトラリーの持ち方を見直しましょう。

ナイフは刃の付け根部分のくぼみ、フォークも同様の位置あたりに人差し指を添えて持つと、扱いやすいでしょう。それよりも上や下を持つと肩に余計な力が入って、音を立てる原因になってしまいます。

また、ナイフとフォークの持ち方は、お店だけで気をつけても、普段からできていないと不自然に見えてしまう可能性があります。はじめは正しく持てていても、食事中にしだいにフォームが崩れてしまうことも。日頃から意識して、正しい持ち方を自然にキープできるようにしておくといいでしょう」(瀬尾さん)

■2:ステーキなどを「最初に」切り分ける

ステーキをバラバラに切り分けない

ステーキなどをいただく際には、まず最初に食べやすいサイズに切り分けると、食材が冷めやすく肉汁も出てしまうので、おいしくいただくことができません。一口分ずつ、切り分けて食べていきましょう。なお、調理で包丁を使う場合は食材を右から切っていきますが、食事では左端からが原則です。

■3:「右手に」フォークを持ち替える

右手にナイフ、左手にフォークの形をキープ

利き手のほうが使いやすいからといって、切り分けた料理を食べる際に、右手にフォークを持ち替えるのはマナー違反。右手にナイフ、左手にフォークの形を崩さないようにしましょう。当然のことながら、右手に持ったナイフに食材を刺して口に運ぶのもご法度です。

■4:フォークに刺した料理を「かじる」

フォークに刺した料理を一口で食べきれず、かじってしまうのはマナー違反。他方、口いっぱいに頬張るのも見栄えのよいものではありませんので、なるべく小さく切り分けてから、口に運ぶようにしましょう。

■5:料理をフォークの「背に乗せて」食べる

ライスを背に乗せないで

ご飯やマッシュポテトなどフォークで刺せないもの、レンズ豆など細かいものは、左手のフォークをスプーンのように使って食べます。その際、フォークの背に乗せるのはNG。不安定なので乗せたものを落としやすく、また、落とすまいとすると姿勢が悪くなってしまいます。ナイフを添えて、フォークの腹側(内側)に乗せて食べるようにしましょう。

■6:ナイフやフォークの「刃」を天井や会食者に向ける

とくに会話中は刃の向きに気を付けて

カトラリーの刃を人に向けてはいけないことは、誰もが重々承知しているはず。ただ、食事をしながらの楽しいおしゃべりが盛り上がったりすると、つい無意識のうちにやってしまうこともあるようです。そのうっかりを防止するには、カトラリーを使わないときは一旦、机に置くように心がけましょう。飲み物を飲むときや、ナプキンを使うときも、片手にカトラリーを持ったままにしないよう、要注意です。

■7:ナイフやフォークの柄を「皿の外へ大きくはみ出して」置く

食事中にナイフとフォークを置く際は、お皿の手前でハの字に置く。食べ終わった際は、お皿の右手前にそろえて置く。これは知っている人が多いことでしょう。でも、本当に正しい置き方ができている人は意外と少ないようです。

「刃の部分をお皿に乗せるだけで、柄が皿の外に大きくはみ出しているのをよく目にしますが、その置き方では、柄を洋服の袖などに引っ掛けるおそれがあり危険です。また、お店のかたが器を下げる際にもじゃまになってしまいます。

カトラリーを置く際は、できるだけ皿の内側におさめるようにしましょう。なお、ナイフは食事の途中でも終了時も刃を内側に向けますが、フォークは食事中は下向き、終了したら上向きにします」(瀬尾さん)

■8:床に落としたナイフやフォークを自分で拾う

万が一カトラリーを落としても慌てない

床に落としたカトラリーは自分で拾わず、お店の人に処理をお任せする。これもよく知られているマナーですが、とはいえ「自分がうっかり落としただけなのに、お店の人に手間をかけるのは……」とためらってしまう人も多いはず。どのように振る舞えばよいのでしょうか?

「自分で無理に拾おうとすると、思わぬトラブルにつながることもあります。それに、自分で拾っているところをお店のスタッフが目にしたら、“お客様に気遣わせてしまった”と、かえって申し訳ない気持ちにさせてしまうことでしょう。

カトラリーを落としたら、右手を軽く挙げてお店の方に向かって会釈するのがスマートです。きちんとしたお店であれば、常にお客さまの様子に目を配っているので、すぐに気づいてもらえると思います」(瀬尾さん)

頭ではわかっているつもりでも、食事の際にはついやってしまうNGマナー、ありませんか? 瀬尾さんのコメントにもあるように、特別なときだけ気をつけても、普段のふるまいは知らず知らずのうちに出てしまうものです。大切な人と会食する際はもちろんのこと、自宅での食事、ひとりでの食事でも、カトラリーは正しく美しく扱えるように心がけましょう!

カトラリーのNGマナー

瀬尾姫民さん
マナー講師
(せお ひさみ)Seocolor Academy代表。一般社団法人日本プロトコール&マナーズ協会認定サロン。1993年イメージコンサルタント資格を取得。2005年Seocolor Academyを設立。カラー、ファッション、ブライダル、プロトコール&マナーの分野において個人及び企業向けコンサルティング、セミナー、研修、育成を行う。ホテルナゴヤキャッスル主催キャッスルアカデミー「トータルビューティーレッスン」や主催するエレガントマナー講座、和の作法&テーブルマナーレッスンも毎回キャンセル待ちと好評。ブライダルやデパートイベントのプロデュース、TV出演、人気女性誌での掲載など多分野で活躍する美のスペシャリスト。『なごやの冠婚葬祭』監修。著書に『お食事から身につける美しい日常』がある。
Seocolor Academy
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
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