ふわふわ・もちもちの「パンケーキ」。一口食べれば口の中に幸せがいっぱいに広がるこの定番おやつは、出て来た瞬間も、その上に生クリームやメイプルシロップをたっぷりかける瞬間も、常にテンションが上がる食べ物ですよね。

ただ、お店選びと食べ方次第で、満足度は大きく変わって来てしまうのも「パンケーキ」の事実。どうせなら、最高のパンケーキを堪能したいですよね? それなら、出されるがまま「受け身」で食べるのは、NG。いつまで経っても本物に辿り着けません。事前に、パンケーキをおいしく食べるための条件を確認しておきましょう!

ということで今回は、パンケーキの著書があり、無類のパンケーキ好きスイーツライターのはなともさんに教えていただいた、最高においしいパンケーキを食べる条件をお伝えします。これでブームが広がっているパンケーキを、今までよりもっと好きに、もっとおいしくいただくことができますよ!

パンケーキの種類は「スフレ」「厚焼き」「薄焼き」の3つ

まずは、パンケーキの種類からおさらいしていきましょう。大きく「3種類」に分けられます。ひとつめは、スフレパンケーキ。『幸せのパンケーキ』(東京・表参道ほか)に代表される、とろけるようなふわふわの口触りが特徴のパンケーキです。はなともさんは「現在主流となっているのは、こちらのスフレタイプ」だといいます。

スフレタイプのパンケーキ。写真のパンケーキは『プランピーパンケーキス』のもの

もうひとつは、『星乃珈琲店』(北海道から鹿児島まで、全国で店舗展開)に代表される、厚焼きパンケーキ。均等に高さのあるパンケーキで、外がさっくり、中はしっとりふわっとしているのが特徴です。

厚焼きタイプのパンケーキ。写真のパンケーキは『uzna omom b one』のもの

最後は、薄焼きパンケーキ。平べったくもっちりとしていて、昔ながらのパンケーキといえばこのタイプです。今はこのタイプのパンケーキを出している店舗は減ってきているそうですが、日本人がパンケーキと聞いて思い出す、食べてなつかしさを感じるのは、このタイプでしょう。

薄焼きタイプのパンケーキ。写真のお店は『cafe eight』。

飲食店で供されるパンケーキは、だいたいこの3種類に分けられるそうです。最近では、オランダ発の「パンネクック」という、ピザのような薄焼きのパンケーキもあるそうですが、まだ日本での店舗展開は少ないのだとか。では、パンケーキの種類を把握したところで、そのパンケーキを最高においしく食べるための条件にいってみましょう。

最高においしいパンケーキを食べられるお店の条件

■1:自社養鶏など「こだわりの卵」を使っているお店を選ぶ

パンケーキ人気であちこちにパンケーキのお店がありますが、おいしいお店の決め手はどこにあるのでしょうか? 食べに行かなくても事前にわかる、おいしいお店の条件があれば知りたいですよね。はなともさん曰く、「卵がお店選びでかなり重要なポイントになる」そうです。

「卵にこだわっているお店ははずれがなく、おいしいです。僕の中で、小麦粉3割、卵8割くらいの比率で、卵が重要だと考えています。砂糖などはほぼ関係がないです。卵にこだわっているお店は、そのことを公式サイトやお店のメニューなどで記載していると思います。

たとえば東京・小平市にある『eggg Cafe』(2号店は国分寺市)は、茨城・霞ケ浦市にある自社養鶏場で育てた鶏が産んだ卵を使用しています。ここの鶏が、平飼いといってストレスなく外で運動して、いい筋肉がついて、栄養のある餌を食べていい卵を産むんです。

『eggg Cafe』のパンケーキ

この卵の黄身は指でつまんでも破れないくらい弾力がある卵で、濃厚なコクがあるんですね。卵がいいから生地もおいしいし、パンケーキに乗っているカスタードも、食べたら他店との違いがわかるおいしさです」(はなともさん)

パンケーキの主な原材料は卵と砂糖と小麦粉ですが、中でも卵が一番重要なのですね。ほかに、カスタードがおいしいお店も教えていただきました。

「埼玉・伊奈町にある『プランピーパンケーキス』もおすすめ。スフレパンケーキを提供しているお店です。普通はメレンゲを作るときに卵白を使うので、余った卵黄でカスタードをつくるんですが、ここの場合は通常のお店の倍は卵黄を使って、カスタードをつくっているんですね。

深谷市の田中農場という農場の卵を使っています。このカスタードをパンケーキの生地に合わせると、抜群においしいです。僕の本で紹介しているお店の中でも、『厳選!絶対に押さえたい5店』に入っています」(はなともさん)

どこの卵を使っているのか、公式サイトやそのお店の取材記事などで確認してから行くようにしてみましょう!

■2:「地元産のこだわりの小麦粉」を使っているお店を選ぶ

卵の次に小麦粉がパンケーキのおいしさを決める!

はなともさんは卵が何よりも重要だといいますが、小麦粉はどうでしょうか。

「北海道産の小麦を使っているお店が多く、北海道の小麦粉はおいしいんですが、地元産の小麦粉を使っているお店もあります。神奈川だったら湘南小麦という独特な小麦もありますし、埼玉だったら熊谷とか。そういったお店は地元愛もありますし、いいなと思いますね」(はなともさん)

小麦粉でも違いが出ますが、地元産のこだわりの小麦粉を使って地元を盛り上げよう…というお店を選んでみるのもいいかもしれません。

■3:「銅板」で焼いているお店を選ぶ

パンケーキの焼き方も、お店によっていくつかの違いがあるそうです。はなともさんによれば、現在主流なのが、「銅板」で焼くパンケーキ。ふっくら仕上がり、均等に焼きムラなく焼きあがります。

もちろん「フライパン」で焼くお店もあります。焼き加減でさっくりもできるし、トロッともできるのが特徴。ただ、火の調整が難しいので、フライパンで提供するお店は数軒しかないそう。

また、「ホットプレート」で焼くお店もあります。火の入りも均等で焼きムラが出にくく、手軽で焼きやすいのですが、壊れやすいのがネックなので、2~3台置いている店が多いそうです。

あとは「セルクル」という、丸い型に流し込んで焼き上げるものも。高さが均等にできて、かわいらしい丸みはなく、ゴツッとしたフォルムになります。しっかり蒸されてもっちりした舌ざわりになります。

これらの焼き方のなかで、特におすすめなのは、「銅板で焼いたパンケーキ」なのだそう。その理由は?

「銅板で焼いているお店は、ふっくら仕上がり&ムラなく焼きあがるのに加えて、個性が出るのでおすすめです。熱の伝わり方、焼き方、焼き時間でも違いが出ます。同じお店でも、焼き手によっても変わってしまうこともあります」(はなともさん)

これも公式サイトや、そのお店の取材記事などからわかることがほとんど。店名で検索して、銅板かどうか確認しておきましょう!

■4:ハンドミキサーで「メレンゲ」をつくっているお店を選ぶ

スフレタイプのパンケーキをつくる上で欠かせないの、が卵白を泡立ててつくるメレンゲ。これは、お店に確認しないとわからないかもしれませんが、このメレンゲを機械でなく、ハンドミキサーでつくっているお店は、やはり外れがないのだとか。

「機械でつくっているものより、ハンドミキサーのほうが独自の生地ができあがります。生地がしぼむのが早いのが特徴ですが、そこはあまりわからないかもしれませんね。カウンターでつくるところを見られるお店なら確認できると思いますし、もしくは店主やオーナーさんが腕に包帯を巻いていたりすると、大体ハンドミキサーでメレンゲをつくられています」(はなともさん)

現在は機械式のお店のほうが多いそうですが、もしハンドミキサーを使っていることがわかったら、そのお店を選んでみるのもいいかもしれません。

■5:店員に何か「質問したときにパッと答えてくれる」お店を選ぶ

続いては、店員さんの知識。「これはちょっとマニアックな視点かもしれませんが」とはなともさんが教えてくれたのが、店員さんの受け答えがしっかりしているか、という点もおいしさに関係するそうです。

「僕の場合は、プライベートで行くこともよくあるんですが、そういうときにふらっと質問したりするんですね。そういうときに、『聞いてきます』ではなく、パッと答えてくれるお店は、経験上いいお店です。お店のレベルがわかるというか。『はなとものi loveパンケーキ』のまえがきでも言っていますが、『お店の雰囲気も味のひとつ』だと思っているので」(はなともさん)

お店でパンケーキを楽しむときは、パンケーキの質のみならず、お店の雰囲気も重要ですよね。純粋にパンケーキを心おきなく楽しませてくれる、客に余計な気を遣わせないお店は、いいお店と言えそうです。


最高においしいパンケーキを食べるための条件

■6:まずは何もつけずに食べる

そのままの状態のパンケーキ

次は、一番知りたい食べ方について。パンケーキは、まずはどのように食べるのが最高なのでしょうか。

「生クリームやフルーツがたっぷり乗っているパンケーキも多いですが、まずは何もつけずに、生地そのものを味わうのがおすすめです。パンケーキの本当のおいしさが、ダイレクトに伝わると思います。

生地にはごまかしがきかないので、おいしい店かどうかは生地でわかります。そのあとクリームなどをつけて食べれば二度楽しめますよね。僕も、お店に行くと生クリームなどが乗っているものより、お店の一番シンプルなパンケーキを注文しますね」(はなともさん)

生地の味を楽しんだあと、クリームなどのオプションでさらに楽しめるんですね。また、本当においしい店なのか?どうかの判断にもなりそうです。お蕎麦と同様の味わい方とも言えます。

■7:グレードの高いメイプルシロップをかける

メイプルシロップがパンケーキを格上げする!

ひと口目で生地そのものを味わったら、次はトッピングを楽しみたいところ。パンケーキのトッピングも今や店によってさまざま。

生クリームが山のようにこんもりと乗っているものから、色とりどりのフルーツがキラキラと宝石のようにちりばめられているものまで、幅広く存在します。もちろんこれらもおいしいのですが、はなともさんのおすすめは基本ともいえるメイプルシロップなのだそう。

「メイプルシロップのコクと、パンケーキの生地は相性がすごくいいので。メイプルシロップといえばカナダ産のものがおいしいですが、実はグレードが何種類かあるんです。カラッとしているもの、濃いめのものなどお店によって使っているものは違います。

埼玉・秩父市に『MAPLE BASE』というシュガーハウスがあるんですが、秩父のカエデから採取した樹液を煮詰めてメイプルシロップをつくる製造機があって、ここのメイプルシロップは、破格のおいしさでおすすめです。もちろんここでパンケーキを食べることもできます」(はなともさん)

最近のパンケーキは、クリームがたっぷり乗っているのが主流ですが、原点に立ち返ってメイプルシロップとバターでいただくシンプルなパンケーキで、生地そのもののおいしさを感じてみるのもいいですね。

■8:パンケーキの種類によって「飲み物を変える」

シンプルなパンケーキならコーヒーや紅茶が一番!

最後に、パンケーキに合う飲み物を教えていただきました。

「まず、パンケーキの種類によって合う飲み物も変わってくると思います。バターやはちみつを使ったシンプルなパンケーキであれば、コーヒーや紅茶が合います。

フルーツがどっさり乗ったパンケーキは、濃いめのカフェラテとかを合わせてしまうとフルーツ感がなくなってしまうので、炭酸がいいかと思います。逆に生クリーム系であれば炭酸は気持ち悪くなるのでNG。サッパリしている柑橘系のオレンジジュースやグレープフルーツジュースはいかがでしょうか」(はなともさん)

ちなみに、そうは言いつつもはなともさんの場合は「何も頼まず、飲むなら水」なのだとか。「本当に純粋にパンケーキの味だけを味わいたいので、飲み物の味は何もないほうがいい」ということだそうです。パンケーキ好きを突き詰めると、飲み物はいらなくなるのかもしれません。

【合わせる飲み物まとめ】
シンプルなパンケーキ:コーヒ、紅茶
フルーツ多めのパンケーキ:炭酸飲料
生クリーム系パンケーキ:柑橘系(オレンジジュースやグレープフルーツジュース)

パンケーキがおいしいことは誰でも知っていると思いますが、さらにおいしく食べる方法があることは、意外と知らなかったですよね。ブームに乗って提供する店舗が増えている今、今回ご紹介した条件を思い出して、最高においしいパンケーキをいただいてみてくださいね。

はなともさん
スイーツライター
(はなとも)日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュでありスイーツライター。1日に5~6軒回れる鉄の胃袋と、何時間でも並べる気力と根性が最大の武器。著書に『スイーツ男子はなとものi loveパンケーキ』(株式会社KADOKAWA)がある。
Twitter
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.7.15 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
Mami Azuma