日本人にとって欠かせない食べ物「豆腐」。冷奴や湯豆腐などで、白く美しい豆腐を見ていると、なぜか心が洗われる感じがします。

そんな豆腐を追求したいと思ったときにたどり着くのが、こだわりのある高級な豆腐の存在。具体的にはどのような豆腐なのでしょうか。

豆腐を存分に味わい、贅沢にいただく方法を、とうふ会席料理の「東京 芝 とうふ屋うかい」さんに教わります。

「東京 芝 とうふ屋うかい」の外観。こだわりの豆腐や季節の会席料理を楽しめます。
「東京 芝 とうふ屋うかい」の外観。こだわりの豆腐や季節の会席料理を楽しめます。

豆腐はもともと「ハレの日」の食べ物

豆腐というと、日本では味噌汁や冷奴などに使う、とても身近な食材のひとつ。がんもどきや豆乳など、さまざまなアレンジメニューもありますし、現代ではヘルシー料理の代表的な食材でもあります。

そんな身近すぎる豆腐ですが、日本豆腐協会によると、江戸時代の初期における農民の世界では、お祭りやお盆、お正月、冠婚葬祭などの特別な日にしか食べられなかったそう。3代将軍・徳川家光の時代に出された「慶安御触書」では、豆腐は贅沢品であり、農民は製造をはっきり禁じられていたといいます。

ちなみに家光の朝食では、「豆腐の淡汁、さわさわ豆腐、いり豆腐」が出され、昼の膳にも「擬似豆腐(豆腐をいったんくずして加工したもの)など」が出されていたと資料に残されているとか。

もともと、豆腐は贅沢な食べ物であったというのは意外ですよね。

【条件1】高級なこだわり豆腐は「素材」「配合」「鮮度」が違う!

名物「豆水とうふ」
名物の「豆水とうふ」。豆乳を特製の出汁で割った“豆水(とうすい)”でいただく。

今となっては、さまざまな豆腐を手軽に味わうことができます。コンビニやスーパーで買えるものから、お取り寄せの逸品、そして外食でいただく豆腐料理。それぞれにおいしさが追求されていますが、これらの中でも、ひときわ豆腐を贅沢に味わえるのが、とうふ会席料理の「東京 芝 とうふ屋うかい」。

オリジナルの豆腐「うかい豆腐」は、大豆本来の香りと甘みが感じられる豆腐で、厳選した高級品種の大豆と水と天然にがりにこだわった自家製の豆腐。その4つのこだわりポイントを「東京 芝 とうふ屋うかい」の料理長に教えていただきました。

■1:大豆の味わいを追求

「高級品種の国産大豆を使用。複数の品種をブレンドして味わいを追求しています。季節や産地・品種なども吟味しています」

■2:水、にがりもこだわりのものを使用

「八王子の銘水、伊豆大島の天然のにがりを使用しています。また大豆の香りや甘みを堪能していただくために、水の分量を抑え、高濃度の豆乳を使用した豆腐づくりをしています」

■3:豆腐商品によって大豆の配合を変える

「豆腐やお揚げなど、つくる豆腐商品にあわせてさまざまな種類の大豆をブレンドしたり、単一品種にしたり、また大豆の配合を調整したりしています」

■4:鮮度にこだわり毎日自社工場から直送

「自慢の豆腐を、よりおいしく提供するために鮮度にこだわり、毎日自社工場から店舗へ直送しています」

芝特別会席コースの一品「寄せとうふ」
芝特別会席コース ¥16,200(税込・サ別)の一品、寄せとうふ

【条件2】「最高においしい豆腐」には選び方がある

こだわりの豆腐を知ると、普段、いただく豆腐にもこだわってみたくなりませんか? そこで「東京 芝 とうふ屋うかい」の料理長に、普段の豆腐選びのポイントを教えていただきました。

■1:食べ方に応じた豆腐を選ぶ

「そのままお召し上がりいただくのであれば、薬味も楽しめて、なめらかな食感の絹ごし豆腐、煮炊きするのであれば、あらかじめ水分を抜いていることから味が凝縮されていて、出汁などもしみこみやすい木綿豆腐。がんもや厚揚げも木綿豆腐と同様です。日常的にお召し上がりいただける食材ですので、色々食べ比べてみてはいかがでしょうか」

季節のがんも ¥310~(税込)
季節のがんも ¥310~(税込)

■2:できたてorつくりたての豆腐を選ぶ

「日がたてば香りが飛びます。なるべくできたて、つくりたてを選ぶようにするとおいしさがわかります」

■3:専門店で購入する

「手づくりなどの豆腐専門店で購入するのもひとつの方法です。つくりたてや大豆へのこだわりがより強い豆腐を購入できることが多いでしょう」


【条件3】日常での豆腐のおいしい味わい方

くみあげとうふ(小盛) ¥650(税込)
くみあげとうふ(小盛) ¥650(税込)

そして、豆腐の味や触感を、自宅でより贅沢に楽しむためのアドバイスをいただきました。

「お豆腐は、そもそも、味わいが淡白であるがゆえに、豆腐をメインに“味わう”という機会が少ないかもしれません。うかいの豆腐は、大豆の風味と味わいが豊かゆえに、手を加える必要がなくメイン食材として使いたいと思っていただけることにつながっています。メインとして味わうのは、うかいの豆腐がおすすめですが、もし淡白な豆腐であれば、例えばオリーブオイル×お塩をかける、お味噌に何か薬味を混ぜるなど、和洋折衷で食べ方のバリエーションを楽しみながら、お使いいただくのはいかがでしょうか」(「東京 芝 とうふ屋うかい」料理長)

高級な豆腐を決める条件は、大豆、水、にがり、大豆の配合、つくりたてなどへのこだわりにあることがわかりました。思わず食事のメインにしたくなるほどの味わい、ぜひ見つけてみてはいかがでしょうか?

「うかい」での豆腐のおいしい味わい方とは?

ちなみに、この豆腐に深いこだわりをもつ「うかい」では、お豆腐をどのようにいただくのが最もおいしくいただけるのでしょうか?

あげ田楽
あげ田楽

「豆腐本来の味わいを堪能していただくため、まずは何もつけずにお召し上がりいただくことをおすすめしています。そして、甘みを引き立たせてくれるお塩も相性がいいです。また、特製醤油『だし入りかけ醤油 結』もおすすめです。『うかい豆腐』の味わいを引き立たせるために素材と風味にこだわり尽くしました。その他、豆腐自体は醤油や味噌などの大豆製品を使用したものとは相性がいいですね」(「東京 芝 とうふ屋うかい」料理長)

だし入りかけ醤油 結
だし入りかけ醤油 結 ¥540(税込)
味噌で焼いた油揚げ
油揚げにも味噌が合う

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利